羽田裕明/nagi店主

尾道の向島に佇む「nagi」店主。https://instagram.com/nagi…

羽田裕明/nagi店主

尾道の向島に佇む「nagi」店主。https://instagram.com/nagi.mukaishima

マガジン

  • nagiのこと

    営んでいる「nagi」のことを

  • カフェ 開業までの道のり

    カフェ開業に至った背景や、開業までの準備をつづります。

  • 向島移住ライフ

    2018年10月23日。僕らは尾道の島、向島の立花という地区に移住した。

  • 徒然なるままに

    日々考えたことを言葉にまとめています。

  • 移住思考

    移住にかかわっているように思える、自身の思考について。

最近の記事

  • 固定された記事

なぜカフェなのにアポイント制なのか

nagiをオープンして3週間ほど。 ありがたいことに連日満席に近い状況が続いているのだけれど、ぼくらは営業時間中どなたでも入店できるわけではない『アポイント制』をとっている。1日の営業時間を3つに区切り、それぞれ2時間制にしている。 オープンするまでに色々なことを体験・思考した結果この形態を選んだ。インスタのDMでアポイントの受付をしているので日々のやりとりはそれなりに手間だけれど、現段階としてはこれでよかったと思っている。 すべてはコンセプトありきお客さんには「コロナ

    • 「おひとり2,500円固定」のカフェが約束すること

      店を開業して、そろそろ1年になろうとしている。 開業から今まで、かなり試行錯誤をしてきた中で、最も変化してきたのが「料金設定」だ。2020年7月末に開業して以来、計3回変更した。 そして、今ではタイトルにもある通り、"おひとり2500円"の固定で自分たちとしては落ち着いている。 「え?カフェなのに固定なの?しかも高くない?」と思われる人もいるだろう。なぜ3回も料金設定を見直したのか、そして、なぜ"おひとり2500円"に今は落ち着いているのか、そのことを書いてみる。 結

      • 通販と、ゴミ

        コロナの影響で、店のオープンを延期した。桜が満開の頃に多くの人を迎えたかったけれど、こんな状況では致し方ない。桜は来年もまた咲くだろう。 オープンを延期するのは簡単だけれど、ではそこで少なからず発生したであろう売上を他でどう作るか。それが悩ましくてずっと考えていた。 こんなツイートをした通り、まだ何もお客さんと関係値を構築していない中でオンライン上で何か取り組むのはイメージが湧かなかった。 一方で、リアル店舗を持っておらず、オンライン上で飲食サービスを提供しているところ

        • 自宅兼カフェという、"いる"がベースにある場であること

          前職の後輩からこんな本をすすめられた。 デイケア施設を舞台に、"いる"ことの難しさや価値について個性豊かなスタッフ・メンバーとのエピソードを通じて論じられたガクジュツ書だ。 この本の核心部について語ってしまうとある種のネタバレにもなってしまうので控えるが、これからカフェ(と表現するのも違うのだが)をはじめようとしている身として確かな気づきを得られたので、ここに残しておこうと思う。 "する"ではなく”いる”時間の存在--------- 大学院を出て、臨床心理士として高い

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        記事

          言語化と解像度の世の中で、曖昧さを大切にしたい

          言語化ってそんなに重要ですか? *** 昨日、久しぶりの後輩と会う機会があり、nagiに来てほしいターゲットってどんな人なの?どんな雰囲気の店なの?と聞かれた。 あれこれ試行錯誤して伝えてみようと思ってみたものの、諦めた。というよりも、それは違う、と止めた。 言語化することで解像度が高まることは確かだけど、解像度が高いってつまり『その他との境界線がはっきりしている』ということであり、『フレーム化する』『きっちり分ける』ということと同義だと思ってる。 もしかしてこの考

          言語化と解像度の世の中で、曖昧さを大切にしたい

          答えは己の中に。気づきは己の外に。

          年も明けて、nagiのオープンもいよいよ近づいてきたわけだけど、昨年末、こんなツイートをした。 ぼくらの作っているものをこうして世に晒してみて、思わぬというか、あ、そうか、と腑に落ちたリアクションをたくさんもらった。 それは、『美しい』『作品』という言葉。 載せているのは焼き菓子をメインに、花や器、コーヒーの『写真』なのだけれど、不思議と『いい写真』とか『美味しそう』というリアクションは少なく思えた。 そのかわりが、上の通りだ。 もちろん、括りとしては飲食店になるの

          答えは己の中に。気づきは己の外に。

          どうせやるなら

          グランメゾン東京にハマってたら年が明けました、新年あけましておめでとうございます。 ミシュランの三ツ星を目指す彼らの姿、かっこいいと素直に思う。三ツ星自体に意味があるのかは素人なのでわからないけれど、それを目指すことで超えられる自分とか、変われる自分とか、日々が刺激的になるとか、あるよなぁなんて思って見てて、実際どんどん魅力的になっていく彼らをかっこいいと思ったのです。 何かに没頭したり何かを目指すと決めると、365日24時間、触れるもの見るもの聞くもの感じるもの、すべて

          どうせやるなら

          ていねいな暮らしは、何が"ていねい"なのか。

          不思議と決まって7時に目が覚める。 もともと、寝起きはいいほうで、朝の目覚めが心地いいと思っていた。 けれど、移住してからの、この地での目覚めは、これまでのそれとは何か違う。 「ていねいな暮らし」とは一体なんだろう。 数年前からこのことばを目にするようになってから、ずっともやもやしていた。 「ていねい」の反対を「雑」だとするならば、 これまで、ぼくたちはどんな「雑な暮らし」をしてきたのだろう。 *** 「移住して、どんな変化がありましたか?」 と

          ていねいな暮らしは、何が"ていねい"なのか。

          値切る、ということ

          自分の利害のために、誰かが大変な思いをするようなことはしたくない。 多くの人がそう考えていると思う。 わたし自身もそうだ。 自分は客である一方でまた逆の立場でもある。 これはこの社会の真理である。 自分が客として自分本意な行いをすれば、いずれまわりまわって自分の身に響いてくる。だから、自分は常に「いい客」でありたいと思う。 *** 向島に東京から移住するとき、当たり前のように引越し業者にお願いした。ウェブ上で何社かざっくり見積もりをとり、安かったところに正式な見積も

          値切る、ということ

          人生100年時代の「人生2回リセット論」

          「よく移住決意できたね」 移住直後よりも、最近東京で言われることです。 移住ということばが割と世間でよく聞くようになっても、まだまだ身の回りに実際に移住した人は少ないということなのでしょうか。 仕事で全国津々浦々回ってたから、他にも住んでみたい地域はあったりするわけで悩む要素はあったのですが、尾道に骨を埋めるつもりもべつになく、必要性に駆られたわけでもなく、わりとサクッと衝動的に移住を決めたのは事実。 でも、根幹には以下の考えがあります。 **人生100年時代っ

          人生100年時代の「人生2回リセット論」

          夏は営業しない、と決めた日

          コンセプトが決まると、「やらないこと」が自ずと決まってくる。 この記事でも触れた通り、 ぼくらはこの地の空気と心地に惹かれ「nagi」という店名にし、 日々感じる「循環」を大切に店づくりをしている。 実はというと、ぼくらはこの地の秋〜春については過去に過ごしたことがあったのだけれど、 梅雨、そして夏での生活は移住して今回が初の経験だった。 この体験で、ぼくらは「梅雨、夏は営業しない」と決めた。 理由はシンプルに、それまでは互いの会話に頻出していた「凪だねー」とい

          夏は営業しない、と決めた日

          何して食ってるの?と聞かれるので自己紹介します

          nagiのオープンが来年に延期となりました!! と伝えて以来、 「え、それまで何して食ってるの?」 「年金生活でもしてんの?」 と聞かれる機会が増えたので、 これはいいタイミングだ!ということで自己紹介したいと思います。 結論、普通にちゃんと働いてます。 ※アイキャッチ画像は、愛猫のトニーさん 経歴申し遅れました。 2018年10月末に、東京世田谷から広島県尾道市の向島に移住した羽田といいます。ハネダではないです、ハタです。 鳥取生まれ、東京町田育ち。 多

          何して食ってるの?と聞かれるので自己紹介します

          向島が好き過ぎて移住した男による、向島大満喫プラン(1泊編)

          日々の「向島どやー!」なSNS発信の賜物で、徐々に「向島いってみたい」という声をいただくことが増えてきました。 前職の偉大なるツイッターおじさん、じげんさん(@Kloutter)からの要望もあり、まだまだ発展途上の向島ですが現時点で「これがベスト」という大満喫プランを立ててみたので、この夏、向島の息吹を感じたい方はぜひ参考にしてみてください。 これが最低限、一泊プランまず大前提、日帰りで行こう、尾道市街観光ついでに行こう、という考えはいまこの時点で捨ててください! 向島

          向島が好き過ぎて移住した男による、向島大満喫プラン(1泊編)

          縁もゆかりもない地での空き家の探し方

          東京出身の僕が「尾道に移住した」と話すと、決まって聞かれることの筆頭は「どうやって物件探したの?」です。 地方、特に都市部ではなく小さな街や集落では、都市部のように"ネットで検索すれば物件情報が簡単にヒットする"、みたいなことはありません。 そんな中で、僕らは運よく「ここしかない!」という運命的な物件と巡り合ったのですが、そこまでに至ったプロセスを共有すれば、これから空き家を探そうと思っている方に少しでも参考になるのでは?と思い、まとめてみました。 あくまで僕らの実例な

          縁もゆかりもない地での空き家の探し方

          2020年春にOPENします

          今春オープン予定だったnagiですが、 諸事情で来春、2020年の春オープンに延期しました。 大それた理由は特になくて、単純に気の合う工務店さんのスケジュール的にそれが最短だったから、この1点です。長年の夢をかたちにするわけなので、「この人たちにお願いしたい」という気持ちは譲ることはできませんでした。 今春オープンを楽しみにしてくれていた友人たちには申し訳ない気持ちですが、よろしければまた来年、遊びに行ってやるよと思ってもらえたら嬉しいです。 一年オープンが後ろ倒しに

          2020年春にOPENします

          ”負けず嫌い”の戦い方

          「勝つか負けるか」 そういう世界が好きじゃない。 それは平和主義とか綺麗ごとではない。 ぼくはたぶん、異常なまでに負けず嫌いなのだ。 友だちとの遊びでも、仕事でも、「相手に負ける」ということがすごく許せなくて、若い頃は負けるとわかりやすくピリピリしていた。ボーリング対決でも。スト2でも。すごく小さい。 想像に容易いけれど、そんな奴がその場にいると空気は悪くなる。 さすがにそんなこともわかってるけど、それでも態度に出ちゃうし、そんな自分が心底嫌だった。 本当はもっ

          ”負けず嫌い”の戦い方