いしいるか

旅の人。 人生は旅であり、出張は仕事で行かせてもらう旅であり、転勤は会社の金での長い旅…

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旅の人。 人生は旅であり、出張は仕事で行かせてもらう旅であり、転勤は会社の金での長い旅である。 https://profu.link/u/ishiiruka0421

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最近の記事

ヒージャー

せっかく沖縄に住んでいるのだから、うちなーの郷土料理である山羊の肉、ヒージャーを是非一度食べてみたいと常々思っていたのだけれど、もなかなかどうして割といいお値段がする食べ物なので、未だその機会に恵まれないでいた。 近所を散歩してる際に、可愛いヤギのイラストが描かれている自動販売機らしきものを見つけて近づくと、これがなんとヤギ刺し、ヤギ汁の自販機。 その横の店舗。 このお店が販売してる自販機らしい。 外からは中の様子が見えない、一見には入りにくい典型的なお店だ。 もちろ

    • ビール定食

      昼間はランチ、夜の営業は予約客のみ受け入れる、という市営市場の奥のお寿司屋さん。 気さくな大将がひとり、たまに息子さんが板場に入ることも。 お手伝いの女性がいないときは大将ワンオペ営業で、そういう日は準備中の札がかかったまま営業してたりする。 それを知らないと、今日はやってないんだなあと思って通り過ぎてしまうこともよくあるらしい。 ランチのメニューは寿司と海鮮丼。 単品で注文もできますが、定食にするとサラダと小鉢、茶碗蒸し、そしてお味噌汁など汁物が付いてくる。どう考

      • 阿波尾鶏

        初めて降り立った徳島の町。 ビジネスホテルから出て、通りをぶらぶらしながら目についた焼き鳥屋さんに入ってみる。 徳島の地鶏である阿波尾鶏というのを出すお店らしい。阿波尾鶏。これであわおどり、と読ませるのか。なるほどなるほど。 引き戸の入り口を開くと、 シンキイチメイサマデース、コチラノカウンターヘドウゾー シンキーサンメーサマデース スミマセーン、イマ、マンセキデス などと元気の良いカタコトの接客の女の子が可愛らしい。 まずは瓶ビールに、 おっさん豆腐やっことい

        • 三河屋

          静岡市。 駅を降りてタクシーの運転手さんにおでん街へお願いします、と言うと 「おでん街は2つあるけどどっち?」 と聞かれる。 まあ、どっちに停めてもらっても、ふたつのおでん街どうしは歩いてすぐの距離だからさほど問題はないのである。 青葉横丁と青葉おでん街。 それぞれに特徴のある、極めて情緒あふれる路地だ。 まずは最も人気があるらしいおみせのひとつ、三河屋さんの入り口の引き戸をそろそろと開けてみる。 幸運にも空席が。 ホクホクして座らせていただく。 まずは当然静岡

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        • おきなわ呑み歩き
          21本
        • とくしま呑み歩き
          50本
        • しずおか呑み歩き
          12本
        • えひめ呑み歩き
          6本
        • ひろしま呑み歩き
          4本
        • うらわ呑み歩き
          9本

        記事

          割烹 あけぼの

          18:00の開店直後に、予約してないんですけど、ひとり、いいでしょうか?と扉を引き尋ねると、 お店のお母さんがカウンターをちょっと振り返り 「18:50までなら」と入れてくれた。 もちろん長っ尻は粋じゃないというのが信条のわたしとしては全然OK。 ニコニコして、てやんでいべらぼうめ、こちとら道産子でいっ 18:50迄と言われてへえ左様でござんすかとすごすご引き下がるようなおあにいさんとおあにいさんの出来が少うしばかり違うんでい。 などと脳内で啖呵を切って、ビールを注文。

          割烹 あけぼの

          直吉

          箱根湯本。 当然温泉地なので湯治客、そして温泉目当ての観光客がたくさん来る場所なのですが。 箱根は我々の世代、というか一部のクラスタだけの話なのかも知れないけれど、温泉地というよりも首都東京が壊滅した後、遷都して新しい首都機能を持つところになる場所、というイメージがありまして。 まあいわゆる第三新東京市ですね。 ひとりでやるしかないのよ、アスカ。 さて、既にほろ酔いで温泉街の土産物店などぶらぶら冷やかして歩きまして。 ふと見ると川のそばのお店に行列が。 直吉という

          大衆割烹と、砂の女

          これはいささか偏見じみた持論だけれども、カウンターで 「お隣失礼します」 などと礼儀正しく挨拶する人は、まあ大抵県外から仕事で来た客だ。 割烹とはいっても、「蒼汰の包丁」の富み久のような料亭ではなく、あくまでも大衆割烹。この雑然とした店内の様相と、その「大衆」という響きが良い。 カウンターで瓶ビール、アサヒを手酌で。 いつものように、ネギマ。 「桜も満開になったな、お兄ちゃん」 だみ声のお姐さんが伝票をすっと曇ったガラスのコップに入れる。 今日は割と混んでますね、と言

          大衆割烹と、砂の女

          せんべろ風土

          急に雨が強くなって、雨宿りがてらセンベロの店に駆け込む。 一杯目はさんぴんハイ。 カウンターの隣に腰掛けた若者は、ダイビングのライセンスを取りに石垣島にやって来た東京の大学院生。 「専攻は流体力学っス」 ベルヌーイの定理とか?などと適当に言ってみると、目をむいて 「学校の外でその言葉聞いたの生まれて初めてです」と。 ずいぶんいい身体してるけどなんかやってんの? 「アメフトっス」 アメフトは今、風当たり強くて大変だねえ。 卒業後の進路は航空機の開発に携わりたい

          せんべろ風土

          中国料理 万寿

          呑みの〆に食べる一品は、日本各地でそれぞれの流儀があるようだけれど、愛媛の松山にタールメンという一風変わった食べ物を出すお店があると聞き行ってみる。 タールメン、つまりタール麺とは、二番町にある中国料理 万寿さんの看板メニュー。 なんでも五目餡かけそばに、大量の胡椒がかかっているという。 なんともオリジナリティ溢れる魅惑的な食べ物ではないか。 まずはビール。初めての店では瓶ビール。 クラシックラガー。 周りの様子を伺いつつ、とりあえず焼き餃子(8個)など注文してみる。

          中国料理 万寿

          大衆劇場 足立屋

          コザの街は音楽の街。 通りの至る所に、ジャズ喫茶、ジャズバー、フォーク喫茶、レゲエバーなどが軒を連ねる。 既に暗くなった商店街のアーケードでは、ガラス張りのダンススタジオらしき建物から、まだ小学生とも見える子供たちが次々と出てくる。 ドレッドに編み込んだ髪にニット帽。ランドセルが似合わない大人びた姿。 しかしこんな夜遅くまで?と思って通り過ぎたら、親御さんらしいイカつい車が迎えに来ていた。 ここでレッスンを受けて、いつかは安室奈美恵やSPEEDやISSAのように、と夢

          大衆劇場 足立屋

          角打 福本屋

          広島駅前。 一番最初にフグの卵巣を、糠漬けにして食べてみようと考えた人はかなり勇気のある人物、というかある意味向こう見ずな阿呆なのではないか、とも思う。 フグの卵巣は、猛毒のテトロドトキシンが凝縮された部位にも関わらず、珍味として石川の郷土料理にもなってる。 数年かけて塩漬け、ぬか漬けすると何故か毒が消えるので、販売が許可されているが、毒が本当に消えているかを確かめる術は、当時命懸けで試してみるしか無いわけで、食に対する情熱、この場合は酒の肴であろうから、呑兵衛の酔狂に

          角打 福本屋

          かめそば じゅん

          松山は、路面電車(いよてつ)で市内中心部の松山市駅を基点に、JRの松山駅も、松山城も、道後温泉も楽々アクセスできるとてもコンパクトで良い街だ。 いわゆる繁華街の二番町に、かめそばという名物料理を出す店があると聞いて、大街道で電車を降り、ブラブラと行ってみる。 かめそばとは。 いわゆるご当地メニュー、B級グルメに位置するものなのだろうか。 ちょっと調べてみると、昭和の時代に「かめ」という食堂が出していた焼きそばを地元の人がかめそばと呼んでいたらしい。 ちりめんじゃこと

          かめそば じゅん

          名倉

          裏路地から静かに入り口を開けて中にはいると、ちょっとびっくりした顔をされる。 ん?あれ?やってないの?と聞くと、やっているという。 たまに客が全くいなくて店主がカウンターの中で暇そうにしているお店で、こういう対応をされることがあるけれど、まあ一見客ってのがこの町ではそもそも珍しいのかも。 カウンターの上にはカオナシが。 毎年夏にログハウスの別荘で合宿し、そこに置きざりになっていた姪っ子たちの少女漫画を読み、次回作へのヒントにするという宮崎駿。 それはまあいいだろう。

          しゅらん

          転勤で日本中を転々としている人生だが、北陸には比較的長く住んでいたということもあって、元日の能登の震災の甚大な被害で変わり果てた街並みの映像を見ると心が痛む。 そんな中、我々ができることといったらひたすら日常をいつも通り平常運転すること。これが13年前に学んだ教訓だ。 間違っても不謹慎だのなんの言って、普段の活動を自粛することはやってはならない。 そんな自己満足のお気持ち表明は、被災者にとってなんの役にも立たないばかりか、かえって復興の妨げになってしまう。 そんなわけで

          おいごと刺せ!

          栄町の立ち飲み屋。 カウンターで隣り合った鹿児島出身のお兄さんと、幕末から維新、西南戦争、そして日露戦争まで、薩摩の気質、鹿児島県人の独特の精神性と異常性(褒め言葉です)について語る。 おなごんけっされ、とか 肝練り、とか。 今でも鹿児島に残る(?)他県人には理解不能な文化や伝統や風習についてひたすら語り尽くす。 お互い司馬遼太郎ファンでしたので、まあ楽しい。 お兄さん、歴史かなり勉強してますね。 鹿児島出身と聞くと誰彼構わずまずはこの話題吹っ掛けるのを常としてま

          おいごと刺せ!

          桑の実

          和風スナックだというその店の扉をそろそろと開けると、妙齢のママが不思議そうな顔をしてこちらを見た。 「あら、ごめんなさいね、若い人がくるのは珍しいから」 いえいえそんな若いわけではないですが、と思いつつ、カウンターに着いて瓶ビールをもらう。 ワタシで若い部類に入るのなら、この店の客層の平均年齢は多分後期高齢者なんだろうなあ。 ここはスナックなんですね?と一応聞くと、 「そうねえ。そうなるのかしら」と。 スナックとバーの違い、ラウンジ、パブ、キャバクラ、ガールズバー。