鈴木一成

アマゾン米国本社勤務。同社元シニア・テクニカル・プロダクトマネージャー。ハーバード大学…

鈴木一成

アマゾン米国本社勤務。同社元シニア・テクニカル・プロダクトマネージャー。ハーバード大学MBA。2児のパパ。http://isseis.meで米国プロダクトマネジメント・新規事業開発の知見を配信。全て個人の見解です

最近の記事

米国最新AIツール特集

今日は、米国でプロダクト作りに使われているAIツールを紹介したい。 インターネットもスマホ・GPS・通信速度など基本インフラが整ってからUberのようなアプリが登場したように、AIの世界でもモデルやインフラが進化するにつれ、実現できるアプリケーションがどんどん増えていくと考えられている。「我々はAIに仕事を奪われるのではなく、AIを駆使する人に仕事を奪われる」という見方が定着しつつある中、ChatGPT・Notion・Perplexityのような代表的なツールの他にはどんな

    • 世界的テック企業のプロダクト作りを習得する秘訣

      世の中を牽引するテック企業は、テクノロジーを活用して、顧客が熱狂し、かつビジネスも成長させるプロダクト作りを熟知している。これを通じ、技術への投資から着実なリターンも得ている。この働き方を「プロダクト運用モデル」と呼び、どの企業も習得しようと取り組んでいるが、成功させるのは難しい。それは日本の企業のみならず、米国の伝統的企業でもそうなのだ。 読者の中には、プロダクトマネジメントコーチのマーティー・ケーガンをご存じの方も多いと思う。20年以上シリコンバレーでコーチングを行い、

      • 今さら聞けない、AIの基本(その2)

        5月4日号のニュースレターでは、AIの歴史・考え方・手法について共有させて頂いた(逃した方はこちらから)。AIの由来を簡単におさらいした後、① 電気回路、②コンピューターの論理、③ニューラルネットワーク、④LLMの4つのトピックについて解説した。AIに関するニュースは尽きない中、それをより深く理解するためのAIの基本をおさらいをした次第だ。 今日は、これらの前提知識を基に、①AIモデルの種類、②期待されるAIの活用分野、③汎用人工知能 (AGI)・人工超知能 (ASI)の見

        • 40分でアイデア検証プランを作る「プレトタイピング」

          今日は、ビジネスアイデアの検証手法「プレトタイピング」を紹介したい。(プロトタイピングの間違いでは?と思った方、少々お待ちを🙏) 日々の仕事の中で、新しいアイデアに命を吹き込み、成功に導こうと取り組んでいる人やチームは数多くいる。それは次のメルカリのような世の中を変えるアイデアかもしれないし、地元の人気カフェのように規模が小さくとも何にも代えがたいやりがいを与えてくれるアイデアかもしれない。一方で、数多くの人やチームが、ローンチ時に失敗するアイデアに一生懸命取り組んでいるこ

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          今さら聞けない、AIの基本(その1)

          「AI」という言葉を目にしない日はないくらい、「AI技術」はビジネスの世界において話題の中心になっている。でも、ふと「AIについて説明してみて」と言われると、答えに詰まる方も多いのではないか。私もその1人だった。 今回の記事では、ビジネスで「AI」について語る時に困らないよう、最も基礎的なAIの歴史・考え方・手法について紹介したい。先ずはAIの由来を簡単におさらいした後、① 電気回路、②コンピューターの論理、③ニューラルネットワークの3つのトピックを解説する。 本日はあく

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          ビジョンを実現する、事業戦略の書き方

          今日は、ビジョンを実現する事業戦略・計画の書き方について解説したい。 多くの幹部にとって、事業戦略策定は神経を使うプロセスだ。役員と対峙する場であり、事業部の予算を交渉する場であり、事業部メンバーが何に力を注ぐのかを決める場である。大事な場でベストを尽くせるように、何とか時間を捻出して現状を振り返り、市場調査をし、次年度の取り組みを提案し、数字に落とし込んでいく。この舵取りの繰り返しで、3~5年後に担当事業が成功するかを左右するのだから、責任は重大である。 だが、本当に良

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          5分で分かる、LLM入門

          昨今、AIの盛り上がりで大規模言語モデル(Large Language Model)のニュースを目にすることが多くなった。(例:つい昨日、メタが新しいオープンソースLLM (Llama 3)を発表。) ChatGPTをイメージすればLLMが何をしてくれるかは想像がつくが、このモデルとは一体何で、どうやって作られるのか、企業はどうそれを活用すれば良いのか、説明しろと言われると困る人も多いのではないか。そんな方々に、スタンフォード大学の著名講師及びオープンAIの創業メンバーである

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          アマゾン流事業提案書の書き方(その2)「プレスリリース・よくある質問」

          前回は、事業提案書を書く際の土台となる、「5つの顧客の質問」について書いた(逃した方はこちら)。要は、何よりも先に、①顧客は誰で、②彼らの課題は何で、③それに対する解決策は何で、④どんな顧客体験にするのか、⑤成功をどう定義・測定するのか、を書くことで、その提案が顧客に意味があるのか、検討に値するのかがクリアになる、ということだ。今回は、それを洗練された提案書に仕上げる、「プレスリリース・よくある質問」(PRFAQ)という方法をお伝えしたい。 新しいアイデアを共有したい時、ど

          アマゾン流事業提案書の書き方(その2)「プレスリリース・よくある質問」

          アマゾン流事業提案書の書き方(その1)「5つの顧客の質問」

          今日は、アマゾンで20年近く使われている、事業提案書の書き方について説明したい。入社前、私が「一体あの会社はどうやって次から次へ事業を生み出しているんだ?」と抱いていた疑問の答えの多くは、この事業提案書の書き方・使い方に秘められている。 事業の提案は、事業幹部や経営企画なら避けて通れない仕事の一つだろう。また、社内のプロセスで、「なんでこんな無駄なことやっているんだ」「こう変えたらいいのに」と思うことは誰でもあるという意味では、企業幹部に限らず、誰の目の前にもある機会である

          アマゾン流事業提案書の書き方(その1)「5つの顧客の質問」

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          はじめまして、鈴木一成です。日本で企業経営・投資に7年間従事した後、ハーバード大学MBAを経て米国アマゾン本社でプロダクトマネージャーとして勤務しました。未経験からテック業界に転職した経験を活かし、初心者でも学べるテック・プロダクトマネジメント・新規事業開発のノウハウを発信しています。 MBA留学前、私は出向先のアパレル企業で仕事の壁にぶつかりました。既存事業の改革が進み、成長の柱となる新規事業を考え始めたところ、①そもそも新規事業をどう創るのか分からない、②そこで新しいテ

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