渡部カンコロンゴ清花(Jess) / NPO法人WELgee 代表

日本に来た難民の社会参画とエンパワメントを目指すNPO法人WELgee 代表。バングラ…

渡部カンコロンゴ清花(Jess) / NPO法人WELgee 代表

日本に来た難民の社会参画とエンパワメントを目指すNPO法人WELgee 代表。バングラデシュ・CHTの紛争地にてNGOと国連開発計画インターンとして平和構築に携わる。Forbes 30 under 30。東京大学 「人間の安全保障プログラム」修士修了。トビタテ!

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最近の記事

吸水ポリマーと納豆と新年2024

新年からの痛ましい出来事に、「おめでとう」の文字がなかなか書けずにいました。懸命な作業を見守るしかないですが、どうか、1人でも多くの方の命と生活が守られますように。生き延びた方々の一刻も早い人生再建がありますように。 そして、関わってきた難民の若者たちが、1人でも多く家族と再会できる年になりますように。今も、悲しみと憎しみと恐怖の連鎖の中に置かれる人たちに、世界の眼差しと行動が少しでも向きますように。 そんなことを思いながらも私は、新年から、息子のおむつを間違えて洗濯機に

    • 前法務大臣の斎藤健さんとお話してきました。日本と移民、日本と難民について。

      前法務大臣の斎藤健さんとお話してきました。私の周りには難民や移民、外国人のイシューに関わる友人や知人がたくさんいるので、斎藤さんのことをメディアで見ていた皆さんも多いと思います。入管法改正案可決の際の大臣であり、法案をめぐっては、国会で激しい議論が繰り広げられました。 今回のご縁は、先月の田原カフェ。 田原総一郎さんと、カフェの運営代表「たなしょー」こと田中 渉悟くんがお繋ぎしてくれたご縁に改めて感謝です。 入管法改正、在留資格、非正規滞在、技能実習・特定技能、「移民」

      • 難民申請中だった仲間が帰国を決めた。

        難民申請中だった仲間が帰国を決めた。 聞いたこっちが最初びっくりしたけど、固い決意だった。 普段、簡単に”仲間”なんて使えないけど、創業期、なにもなかった私たちが、いろんな葛藤と挑戦と力不足と悔しさとユーモアを分かち合ってきた、最高の友人であり仲間だった。いま思い返しても、彼は、98%くらいユーモアでできている気がする。 普段、WELgeeのキャリアプログラムで関わってる人の多くは在留資格(難民認定申請中の人がもってる在留資格があります)と就労許可がある人たち。 自分の経

        • これからトビタつ、15期生の皆さんへ。1期生からのエールです。

          今日は「トビタテ!留学JAPAN」15期の壮行会でした。コロナ禍で、一切留学に行けなくなった時期も挟んでの、トビタテ第2フェーズがいよいよ始まります。 第2フェーズの1期生ともいえる15期の皆さんを送り出す場で、卒業生代表のエールという大事な役割を担わせていただきました。 せっかくの機会なので、文字として残しておきたいと思います。数年後の自分が読んだら、ちょっと恥ずかしいんだろうな。 数年後の皆さんは、飛び立つ前=今の段階で想像できる仕事を、してない可能性の方が高いです

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        • 「難民」を越えて共に生きる
          30本
        • カンコロンゴ家の育児奮闘記
          5本

        記事

          不登園日記続編👦🏽予想外だった「転園の内定でましたよ」電話に嬉しい悲鳴(?!)

          GW で間があいたからいけるかなーと思い、登園トライしてみたら、やっぱり大号泣大暴れ。 保育園の隅っこで、パニック状態の息子が落ち着くまでまず待とうかなと思って抱っこ座ってで待ってたときの「行きたくないって泣いちゃう子は他にもいますが、こういうかたちで一緒に居ちゃうと、泣けばママが連れて帰ってくれるって息子くんも思っちゃいますよ」という先生の言葉に、最後私の心が折れ。 「でしたら、一緒に帰ります…」と帰宅。 とほほ。 そのあと、息子はストレスからか全身じんましんが出てきて

          不登園日記続編👦🏽予想外だった「転園の内定でましたよ」電話に嬉しい悲鳴(?!)

          転園⇨慣らし保育⇨登園しぶり⇨不登園、の現在地(2歳2ヶ月)

          GWはずっと一緒に遊んで過ごせたけれど、明日からは再びワンオペ×不登園に🥹😵‍💫(夫はちょうどアメリカ中) 似たような経験をしてたり、乗り切った工夫があった方がもしいらっしゃったら教えてもらえたら嬉しいです。 年度はじめに転園した、息子(2歳)、4月の1ヶ月間で完全に不登園に。 生後3ヶ月からこれまで、引っ越しで転園も挟んだものの基本的にご機嫌ハッピーに保育園で毎日過ごしてきたので、こうなるとは微塵も想像していなかった。。。 保育園の方向に歩き出すだけで大泣き、門をくぐ

          転園⇨慣らし保育⇨登園しぶり⇨不登園、の現在地(2歳2ヶ月)

          書評「フリチョフ・ナンセン: 極北探検家から『難民の父』へ」〜我々は、思考停止してないだろうか?

          4/1、今日の沖縄タイムス朝刊に「フリチョフ・ナンセン: 極北探検家から『難民の父』へ」に寄せさせていただいた書評が掲載されているようです。 著者はICUの新垣修先生。出会ったのは、もう5年前でしょうか。 まだまだ、ひたすら日々模索中で事業のカケラもない頃の私たちが、勉強のために参加した難民のシンポジウムの主催のお一人でした。 名刺交換をしたら、翌月先生からメールが来た。「活動について、もっと聞かせてください」と。いやいや、そんな専門家に私たち話すことないかもしれないよ、

          書評「フリチョフ・ナンセン: 極北探検家から『難民の父』へ」〜我々は、思考停止してないだろうか?

          入管法改正、これは命の問題だ。難民当事者と向き合ってきた視点からの大きな懸念とは?

          2021年、国会に提出された「改正入管法(出入国管理及び難民認定法)」というものが廃案となったこと、記憶にありますでしょうか? それとほぼ同じ内容で、今月3月7日に再び閣議決定がされました。 入管法の正式名称は「出入国管理及び難民認定法」といって、難民に関わることのみを扱っているのではなく、日本に出入国する全ての人の出入国と、在留する全ての外国人の公正な管理、それから、難民の認定手続を整備することを目的に存在しているもの。 今回の改正の目的のひとつに入管は、 「不法滞在

          入管法改正、これは命の問題だ。難民当事者と向き合ってきた視点からの大きな懸念とは?

          2022年、日本の難民認定202人。前年よりも128人増!? 注目したい点について。

          入管庁から「令和4年における難民認定者数等について」が出ました。 難民認定の申請者は3,772人で、前年から1,359人増えました。 コロナで一旦は入国ができなくなりましたが、入国制限が解かれてまた、人の移動が世界的に増えています。 2022年に、日本政府に難民として認定された人は202人。 特徴としては、そのうち7割以上がアフガニスタン国籍ということ。 記憶に新しいと思いますが、アフガニスタンでは2021年8月にイスラム主義勢力・タリバンが実権を掌握し、国内情勢が不

          2022年、日本の難民認定202人。前年よりも128人増!? 注目したい点について。

          日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2023にWELgee選んでいただきました🚀

          【ご報告】日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2023に、選んでいただきました🚀 ご連絡いただいたときはびっくりでしたが、これはチームWELgeeみんなでいただいた賞だと思っていて率直に嬉しいです。 職員、プロボノ、インターン、パートナー、行政書士、アドバイザー、そして個性あふれるインターナショナルズたち!!! そして、もちろん採用企業さんも。 本当にたくさんの顔が浮かびます。 多様なメンバーで荒波の中を進む私たちですが、特に2022年は、本当に、一瞬で過ぎ去った感覚、あっと

          日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2023にWELgee選んでいただきました🚀

          「難民でも能力しかみませんから」の落とし穴。

          先日、“難民人材を採用する企業の発掘”に、頼もしいパートナーが加わりました!商船三井さんと新しい連携がスタートします。 「人材やってる会社と連携したら?」というのは、実はこれまで何度もいろんな方からアドバイスいただいてきたことでした。人材の会社さんとお話することもありました。 でも「なるほど、難民でも優秀な人がいるなら、登録してうちのサービス使っていただいてもいいですよ!」で終わってしまうことが多かった。 …は素晴らしいこと。 素晴らしいけれど、しかしここには落とし穴

          「難民でも能力しかみませんから」の落とし穴。

          ”難民人材を採用する企業”の開拓に、頼もしいパートナーが加わりました!商船三井 x WELgee

          いつも活動や難民の仲間たちを応援してくださってる皆さん、こんにちは。 NPO法人WELgeeの渡部カンコロンゴ清花です。WELgeeは、株式会社商船三井さんと難民の背景を持つ外国人人材(以下、難民人材)の人材紹介の協力体制を構築することになりました! 私たちにとっても、新しいチャレンジ!ということで、その経緯など改めてお伝えします。 WELgeeは、日本に逃れた難民とともに未来を築く団体です。 紛争・迫害などから逃れ日本にやってきた難民たちが、経験や専門性を活かし希望を持

          ”難民人材を採用する企業”の開拓に、頼もしいパートナーが加わりました!商船三井 x WELgee

          「アフガニスタン人98人が難民認定」のニュース、おめでとう!だけではない理由

          日本に逃れてきたアフガニスタン人98人が、日本で難民認定されたというニュースが、様々なメディアで報じられています。 年間の難民認定が、昨年74人だった日本での「一斉」「大量」の難民認定。 今月、日本で初めて、トルコ出身のクルド人が難民認定されたニュースに引き続き、難民に関するニュースとしてはまた大きなものとなります。 アフガニスタンでは、2021年8月にイスラム主義組織タリバンが首都カブールに進攻し、2021年8月16日、政府に対する勝利を宣言した一方、ガニ大統領は出国し

          「アフガニスタン人98人が難民認定」のニュース、おめでとう!だけではない理由

          AVPNカンファレンス🇮🇩に参加しました/インドネシアでの出会いと学び①

          2022.6.21-24、インドネシア・バリで開催されたAVPNのアニュアルカンファレンスに参加する機会をいただきました。 アジアのフィランソロピー、財団、ソーシャルベンチャー、非営利団体などなどが集まり、経験を共有しながら最前線の答えのない課題について議論し、信頼のおける顔の見える関係性の中で繋がる場。 参加者なんと1000人!日本からは25人ほど。私は、アジア10カ国から10人のYouthとして選んでもらった1人だったのですが、同年代のYouthたちのエネルギーはとに

          AVPNカンファレンス🇮🇩に参加しました/インドネシアでの出会いと学び①

          日本とミャンマー、挑戦と葛藤との狭間

          テレビや新聞で大きく報じられたので、覚えている方もいらっしゃるかもしれません。 W杯予選で来日、軍事クーデターへの抗議によって、帰国を拒んだミャンマーの選手。異例のスピード難民認定やプロ契約など、メディア引っ張りだこだった彼が、今回契約したチームを辞めるにいたった経緯について語っている記事があります。 難民としての葛藤と、社会に語られる様々な物語とが凝縮されています。彼の周りで支え続けてる多くの人の中にも、ものすごい葛藤があっただろうなと感じました。 生活費を補うため、

          日本とミャンマー、挑戦と葛藤との狭間

          オンライン署名「ウクライナからの難民のために、日本が取れる7つの拡充アクション」を始めた理由

          こんにちは、WELgeeの渡部カンコロンゴ清花です。 1ヶ月半で 、58,000人の方が署名してくださっているキャンペーン「ウクライナからの難民のために、日本が取れる7つの拡充アクション」について、お話させてください。 2月下旬のロシア軍侵攻開始から1ヶ月半、世界の情勢は移り変わり、私たちもバタついていたのですが、ちょっと振り返ってみたく書いています。 これまで、日本にやってくる難民申請者たちのキャリア・就労に伴走してきた私たちNPO法人WELgeeは、いま連日、企業や

          オンライン署名「ウクライナからの難民のために、日本が取れる7つの拡充アクション」を始めた理由