じろまるいずみ

お料理作家。書籍「餃子のおんがえし」(http://amzn.to/34fXoVm)。…

じろまるいずみ

お料理作家。書籍「餃子のおんがえし」(http://amzn.to/34fXoVm)。唎酒師。おいしいものと、おもしろいもの。たまごと酒。映画と旅と音楽。dancyu、日経電子版、あまから手帖など色々書いてます。仕事のお話はTwitterのDMが嬉しいです。@jiromal

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  • まるのつかない日は料理本デー

    料理本好きの、料理本による、料理本のための、料理本エッセイ

最近の記事

5月は肉まんワークショップ!

肉まんは5月の季語だからね(嘘)。やるよ。肉まんワークショップ 今回のメニューはこちら!・粉から作る肉まん豚まん ・しそとしらすのさわやかだし巻き ・根曲り竹のアリオリ(四方竹や淡竹、マコモダケに変更の場合あり)おまけ ・さっぱり中華ピクルス ・梅シロップが間に合えばそれも ・オットが何か作るかも Twitterに書いたんだが、本当は「中華ちまきワークショップ」の予定だったんだ。ただどうしても、時間内で餅米の処理をうまく終わらせるやりくりができなくて、できないものは日本人

    • レモンレモンワークショップはこんな感じでした(酸っぱい黄色い爽やか)

      ふと気づくと実家では、兄弟のメンバーカラーが設定されていた。妹は赤、弟は青、そして長女の私は黄色だ。嵐で言うとニノである。初めての子供である私を妊娠した時、両親は「無事に生まれてくれれば男でも女でもいい」という気持ちが強く、男女どちらでも使えるようにと服やおもちゃなどの赤ちゃん用品を片っ端から黄色で揃えたらしい。なので必然的に私の色は黄色となった。 名前すら「男でも女でも使える」ようにと、ユニセックスな名前ばかりを考えていたという。たまに自分が「じろまるけい」か「じろまるじ

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      • ほんと私、人を見る目がない

        Rくん、知的でおだやかで落ち着いた接客で、時折話してくれる母国の話も面白く、ほんとお気に入りだったんだが、どうやら飛んだらしい。店長曰く、2~3日前から無断欠勤→電話も出ない→LINEいつの間にかブロックされてた→近所だというアパートに行ってみたら違う人が住んでた→オーマイガ!…らしい。 一緒のシフトに入ってた子に話を聞いたら「日本に来てまだ1年なのに、スッゲーいろんなバイト経験があって、コンビニだけでもセブン、ローソン、ファミマ全部やってて、居酒屋とかドラストとかスーパー

        • もちもち

          餅についてみんなに問うてみた。 なぜ人の食べ方を聞いたのか。それは正月の新潟で餅を多めに買ってきたのに義実家からも餅が大量に届き、それをしまおうと食品庫を整理したら去年から持ち越してる餅もまだあることが判明し、さあ本気で餅と向かい合わないとダメだぞと自分に喝を入れたからである。自分の思いつきだけでは「いつものアレ」に終始してしまい、すぐ飽きてしまいそうなので、他人の食べ方を参考にしたかったからである。それがたとえありふれた食べ方であっても、それによって想起される何かを期待し

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        • まるのつかない日は料理本デー
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          4月は黄色いワークショップやります!

          黄色はレモン!そして卵!ハイ、全員参加してーじろまるの料理は和洋中エスニック何でもあり。ウケねらいの奇抜な料理はないかわりに、王道なレシピやいつもの食材をちょっと触って「お店みたい」なじろまる料理にします。 1つの料理に、コツもだいたい1つだけ。 手抜きしていいところは、とことん手抜き。 逆に「ここだけ気をつけろ」の部分はきっちりご指導するので、家でおさらいした時に「これ、私が作ったの!?」と驚いてもらえるはず。 メニューはバランスのとれた3品構成に、プラスおまけで素敵な

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          初場所ワークショップはこんな感じでした(ポルトガル肉じゃが美味かったの回)

          ネットのおかげで情報のスピードが段違いに早くなり、知らない国の言葉もGoogleのおかげですぐ読めるようになった。SNSを見れば世界中の食いしん坊が我も我もとうまそうな写真を乗せ、おかげで「この〇〇という料理はパスタを指定の倍の時間ゆでてグダグダにすると、現地の学食っぽさがでる」など余計な知識まで入ってきちゃったりする。 ネットでは若い頃に得た知識の答え合わせまでできてしまう。最近でいえば「キビヤック(鳥をアザラシに詰めて発酵させたイヌイットの食べ物)は肛門から吸って食べる

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          薄っぺらぺらで味気ないと嫌っていたものが、実は清々しい軽やかだと気づいた話

          うちの中学にはHくんという伝説のモテ男子がいて、誕生日にはプレゼントを渡したい後輩が列をなしていたとか、バレンタインの時はチョコがカバンに入りきらなくて先生に紙袋をもらって持ち帰ったとか、卒業式ともなれば制服のボタンが一瞬で袖まで無くなっていたとか、数々の武勇伝が聞きたくもないのに聞こえてきた。 なんで聞きたくもないかというと、私にはその魅力がまったくわからなかったからだ。野球部でエースで4番のすごさがわからなかったのはこちらの落ち度だが、成績も普通だし、面白い話をするわけ

          薄っぺらぺらで味気ないと嫌っていたものが、実は清々しい軽やかだと気づいた話

          じろまる初場所ワークショップのお知らせ(改訂版)

          はい、初場所始まります!全員参加してー 今回からだし巻きを定期にします(改訂前のことは忘れてください)。 その日人類は思い出したんですよ、じろまるの原点はだし巻きだと。だし巻きをメインにしなくてどうするんだと。今まで数々のバリエーションを作ってきたのは、何のためだったんだ?と。 というわけで、毎回いろんなだし巻きをお出しします。いつどれに参加しても、必ずJIROMALのだし巻きが食べられる。めでたい。 じろまるの料理は和洋中エスニック何でもあり。ウケねらいの奇抜な料理は

          じろまる初場所ワークショップのお知らせ(改訂版)

          朝食バイキングという人類最高の発明の、さらに最高つまり最高オブ最高を知った朝

          縁もゆかりもない土地で年末年始を過ごすようになってから、2年が過ぎた。ルールは1つ、行ったことのない街であること。出張がちな人生ではあったが、客先も偏っていたし、まだまだ未踏の地はたくさんある。どんどん衰える体力やこれからの人生を考えると、せめて47都道府県くらいは制覇したい。知らない街の知らない文化をもう少し知りたい。そういったわけで去年は仙台、今年は新潟へと向かった。 ルールは1つと言ったがもう1つあった。それは県庁所在地、もしくは浜松や四日市のように県庁所在地並みに栄

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          おでんでごはんは食べられない

          前にどこかに書いたかもだが、実家のおでんとは「大鍋にありったけの練り物と大根を突っ込んで強火でガーっと煮たやつ」のことだった。すべての練り物から味が抜け、かといって大根にその味を含ませるには煮る時間が足りず、ちょっと固くて、ちょっと苦くて、子供には苦行でしかない代物。味もあるんだか無いんだか中途半端で、何を頼りに飯を食べたらいいのかよくわからない。正直おでんの日は心の底からがっかりしたものだ。もしかしたら「がっかり」が口に出てしまってたかもしれない。 母はとても料理が上手な

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          飲んでるとき何か食べたくなって

          酒を飲むのに何かちょっとつまみたい。それは古今東西共通の心理だ。何もいらない、酒さえあればという人は激レアだろう。たまに「通は塩で飲む」と気取る人もいるが、ちょっとイキりすぎだ。だいたいの人は何か食べて、それを洗い流すように酒を飲む。 こんなワークショップやっていながら言うことではないが、正直つまみなんて何でもいいと思う。その日食べる今夜のおかずで飲めばいい。買ってきても作ってもいい。ドカンと3玉使った山盛りの焼きそばでもいいし、王将と味の素の餃子食べ比べでもいいし、ソリッ

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          家飲みおつまみワークショップのお知らせ

          4ヶ月ぶりにワークショップやります!全員来て!今回の テーマは「家飲みおつまみいっちょかみ」。うちのリアルおつまみを5種類、そのうち2つくらい自分で作ってもらって、あとはレシピの説明と試食、ついでにひとつの素材からどうやってバリエーション広げていくかのお話なんかしようと思います。 内容は肉もの1種、魚もの1種、春巻きも1種類入れようかな。いつもの食材なのにお店みたいな一皿になるよ。おつまみ=良きおかずでもあるので、お酒苦手でも大丈夫☆ うちのオットなんか最初からごはん食べて

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          どの人も目玉焼きをよく食べている

          私はX(旧Twitter)のハッシュタグ「#ありのままの朝ごはん」がとても気に入っている。その名の通り、実際に食べている朝ごはんを写真に撮って投稿するだけなのだが、ごく当たり前の日常がそこにはある。朝から料理なんてしていられるかとばかりにカップ麺やヨーグルトで済ます人、逆にご職業はシェフですかと聴きたくなるよな華麗なテーブルの人、家族のお弁当の残りをかき集めたワンプレート、食卓に出した瓶詰めの中身が日々減っていくのがわかるテーブル、どれも愛おしい。 住むところも違えば仕事も

          どの人も目玉焼きをよく食べている

          養老院サンバ

          それはまだ私が出張に行って行って行きまくっていたころ、ちょうど月イチで大阪のニューオータニに行くのっぴきならない用事があったころのお話である。 自著「餃子のおんがえし」にも書いたが、私は客先と現地のうまいものが完全に紐づいている女だ。名古屋市内の担当先を回る際も「今日はA社とB社を回るから、先にAを片付けてからBの近くでパスタ食べよう」とか「C社に16時か〜。なら直帰することにして近くの焼き鳥行っちゃおう」とかほくそ笑んでいる女である。大阪なんて行ったらさあ大変だ。仕事の動

          世界で1番太る食べ物

          誰から聞いたのか、何で読んだのかはすっかり忘れてしまっても、その情報だけは記憶に残り、いつまでも人生に影響を与えていることがある。 たとえば「鈍行」だ。 今は各駅停車と言わないと通じないらしいが、昭和の時代あれは「どんこう」と呼ばれていた。実家の最寄り駅は、1日に2本くらいの特急以外すべて鈍行だったため、なんなら列車のことを「鈍行」と呼んですらいた。それくらい身近な言葉だった。そんなある日、誰かが私に言ったのだ。 「うどん粉って、鈍行からつけられた名前なんだって」 い

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          私はもっと怒っていい

          他人の悪口で笑うより、自分の話で笑わせる。それが私のモットーだ。なので自分のすっとこどっこいなネタはたくさん保存している。もとより迂闊。さらに不器用。おまけに早とちりだからネタに困るということはない。すっとこネタだけでなく「変なもの見た」とか「信じてもらえないかもしれないけどすごかった話」とか「こんなひどい目にあった話」なども各種取り揃え、目の前にいる人をワハハと笑わせることが生きがいである。 1番に話を聞くのはもちろんオットである。一緒に住んでいるし、リモートのおかげで朝

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