シェアハウス・ロック0521
咳ではなく、すすり泣き
ウィレム・メンゲルベルク指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団演奏、『マタイ受難曲』(ヨハン・セバスティアン・バッハ)1939年のライブ盤には、すすり泣きが聞こえる。私はLP版で、そのすすり泣きを聞いた。25歳だった。
『マタイ受難曲』は、『マタイによる福音書』の音楽版と考えればよい。そのハイライトは、「ペテロ否認」である。「ペテロ否認」はご存じなくとも、「最後の晩餐」はご存じだろうという前提で話を進める。
「最後の晩餐」の席で、イエスは弟