火星への植民が始まった。 初期のメンバーは、宇宙服を着ながら手探りで開拓をしていた。 ある時、植民者達は火星に生息する生物発見した。 その時は困っていた生物を助けていた。 時は過ぎ、火星に万人程度の人が住みだした。 街も出来た。薄い大気は大地を溶かして海を造り、空気を生み出していた。人々は宇宙服無しで火星の地上を歩き暮らしていた。 未開拓の場所を調査する為のヘリコプターが飛んでいた。内燃機関のエンジンはご法度なので電動ヘリコプターだったと思う。 突然雪の下か
私は電車に乗っていた。 小さい女の子が近付いてきた。歳の頃は4〜5歳位だろうか。 二重まぶたの大きな瞳が印象的だった。きっと大きくなったら美人さんになるだろう。 彼女は私に物をあげると言う。 眼の前に『どうぞ!』としてくる。 1つ目は『ありがとう』と受け取った。 2つ目は遠慮した。断られたのがショックだったのか、大きな瞳から大粒の涙がポロポロ落ちてくる。 私は慌てて『ありがとう』と受け取った。 さっきまで泣いてたのが嘘のように満面の笑みを浮かべる女の
家族が昨年、近所のプールで働いてたという。 何故か私のスマホが発信されていて、出た人がプールのオーナーの奥さんだった。 私は『昨年妻がお世話になりました。また御縁があればお願いします』と思わず社交辞令っぽく話した。 相手は『ありがとう。たぶん来ないと思うけどねぇ』と言われた。 それを家族に話すと『多分今年は行かない』との事だった。親戚に諭されたそうな 『毎日新しい事を覚えるのは大変だから、あなたには厳しい』と言われたらしい。 私は、仕事はいつも新しい事が
私は、体育館の半分位の広さがある事務所で働いていた。壁は白くキレイで、天井は高い。 机が4〜6列程並んでいて、ずっと奥まで並んでいた。でも座る人はまばらだ。 以前は100人超位いて騒がしがったこの場所も、少しずつ減っていき、この春から10人程度の人員になった。残った人達は不安を口にした。寂しくて辛いと言う人もいた。 私は思い出していた。数人の元同僚のことを思い出していた。 昔経験した事務所縮小と閉鎖の事も思い出した。あの頃は辛かったと感傷に浸る。 ふと、ス
私の一家は魔法一家だった。全員魔法が使えた…はずだった。 ところが私以外、力が落ちていた。魔力を維持する食料をあまり摂ってないからだった。 ある日、我が家のホウキを取り出した。そう、それは空飛ぶ魔法のホウキだった。家族は誰も乗れなくなっていた。 私はホウキを跨いだ。軽く空を飛びたいと願うだけでふわりと浮き上がった。私は近所を一周した。 周りは平屋の民家や空き地が多いので自由に飛べた。 それを見ていた人達がいた。魔法のホウキを欲しがり、私の家にやって来た。 私
寝掛けに何度も目が覚めた私は、いい加減にしろと思いつつ寝直した(ここまでは現実の話し) うとうとし出した所で謎の人物の声がした。 寝るのを邪魔してるらしい。 何で邪魔するのか訊いてみた。 『お前がどこにも行かないし、何もしなくてつまらない』との事。 曰く、ちよっとした旅とかお出掛けとか全然してないじゃないか。 曰く、アニメ関連の視聴とか研究ゼンゼンしてないじゃないか。 私は困ってしまった。 確かに指摘された事は、趣味の一つではあるが、最近の興味ではな