最も危険な国のラム・ソーダが花冷えの夜とぼくらをゆっくり溶かしていった。
三十年来の友だち。
彼女とは、昨年、長崎の五島列島を旅した。
もともと、家人の仕事仲間。毎晩のように飲み歩いた酒友(磯自慢ではありません)。
家人の誕生祝に一献と、ぼくらのホームグラウンド「月島」で待ち合わせ。
まずはお鮨と日本酒の冷や、芋焼酎のソーダ割り。
握りが食べたくて通うお鮨屋さんの握りで〆て、さて、どこに行こう。
塩ビレコードから流れてくる心地よい音楽、美味くておもしろいラム、バーテンダーの立ち居姿。それらが、みんな気にいっている、徒歩3分のバーへ。
マカダミアナッツをくるみ割りでカリッとやりながら、まずはバーボン・ソーダ。
つづいてラムに進む。
「世界で一番危険な国のラムです」と言われて、
即座に「エルサルバドル?」と応えてしまって、ちょっと後悔。可愛くないじじいだこと。
最も危険な国のラムは、うまく酔わせてくれるのだが、知らぬ間に「盛岡・仙台酔いよい旅」が企画されているという、やっぱりある種危険なラムなのだ。
そして、飲んできた翌朝は、味噌汁の滋味にすがるのだが、今朝は、溶き玉子と春雨、春キャベツの中華スープを作っていた。
きっと、あのラムがまだ効いてるんだな。
ご馳走様でした。
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