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”泣いてもええやん!”な曲

いつか、京都に関係することを書きたいと思っていました。
ただ、その糸口が見つからず、ずっと手つかずのままでした。
何といったらいいのでしょう。
親元を離れ、京都で過ごした学生時代の記憶は色濃くあるのに、それは幻みたいに断片的で話が広げられなかったのです。
漠然と、最初に京都のことを記事にするなら京都ゆかりのバンド「10-FEET(テンフィート)」か、ご近所だった「右京区中央図書館」のどちらかだろうとは思っていて、あとはそのタイミングを待つのみ……でした。
そして、新生活の雰囲気があふれる今、この時期に、10-FEETの『VIBES BY VIBES』を聞きたくなったことが”そのタイミング”となりました。


最近は、映画『THE FIRST SLAM DUNK』のエンディング主題歌(第ゼロ感)で知名度を上げ、2023年の紅白にも出場した10-FEETですが、地元京都での結成は1997年で、デビューは2001年。
現在も3人のメンバー全員が京都在住で活動しています。
わたしは『VIBES BY VIBES』を10-FEETの初期曲と混同していましたが、あらためて調べてみたところ、この曲のリリースは2005年であり、記憶とはなんてあやふやなものかと驚きました。
というのも、この曲のはじまりである
「もう何もわからへん!」とか言って泣いて去ったて 誰もあんた助けてくれへんで! だから強くならな!
の部分を、わたしは、社会人になったころの自分と重ねてほぼリアルタイムで聴いたつもりになっていましたが、実際は過去の自分を思い出して聴いていたのです。そのうえ、
傷ついた分だけ心が温かさ解るようになるなら 傷ついてめっちゃ泣いたらええやん!
の、「泣いたらええやん 」を「泣いてもええやん」に置き換えて覚えていました。
これを深掘りすると、ずんずん別の方に向かってしまうので、深掘りは次回にして、『VIBES BY VIBES』に話を戻します。

***

この曲を久しぶりに聴きたいと思ったきっかけは、一目で新社会人とわかるスーツ姿の集団を見かけたことでした。自分にもそんな時があったと思ったとたんに聴きたくなったのですが、なぜ今年にかぎってそうなったのかは、久々に聴いてみて納得しました。

帰り道の風景 遠ざかる本心と
叶えば失う交換条件の夢
色あせた感性でも 泣きながらでも
後腐れない LIFE!MAKE IT UP! MAKE IT UP!
余裕綽綽で胸に着々と根を張る
VIBES VIBES VIBES
日々精進の心 精神に刻み 肝心なとこで奮迅!
余裕綽綽で胸に着々と根を張る
VIBES VIBES VIBES
青白い朝が来るまで

なんと、引用の部分すべてがすっぽり心のツボにはまったのです。
とくに、「余裕綽綽シャクシャクで胸に着々と根を張る」以降は、ハードなメロディとも相まって胸にぐっとくるものがありました。
「わたしは今、このぐっとくる感覚を欲していたんだな」と思いました。
とにかく日々精進の心で毎日を着々と過ごしていたら感性は保てるのかな。そうしたら肝心なときに奮迅できるのかな、と。
なんのための感性なのか、肝心なときがいつなのかは分かりません。
分かりませんが、仕事帰りの道すがら、心の中で「余裕綽綽」以降を口ずさむと胸がす~っとしたのです。
そしてそれは、こうして打ち明ける場所があってこそ、と感謝しています。
今回深掘りを避けた箇所は次回に深掘り予定で、タイトルは『泣くわたし』に決定しています。今回に引き続きお読みいただけましたら幸いです。



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