下げる。
御社の経営理念であります、『手を抜くものは舌を抜け』にいたく感銘を受けまして、絶対にこの会社で働きたい、そう強く感じました。
前年まで勤めていた会社も、同じウインナーのメーカーだったのですが、そこが『老舗』というブランドに肘をついて、古き良き味が…と正義のような口ぶりで、社員の意見に聞く耳を持ちませんでした。
それに比べて御社は、商品開発に力を入れていることが消費者レベルにまで認知されており、『こんなウインナー食べたことないランキング』でも堂々の1位に輝いておられました。
一方、前年まで勤めていた会社は、同じランキングで下から2番目、しかも最下位はあの食中毒で回収されたメーカーなので、実質最下位でした。
また、御社は価格もリーズナブルで、本当に家庭に寄り添うといいますか、前年まで勤めていた会社は『老舗』に横たわって時代錯誤なバブル設定な値段で、お金が有り余って舌が終わってらっしゃる老人たちにしか愛されていませんでした。
御社に骨を埋める所存です。どうぞよろしくお願いします。
「他を下げるねキミ」
はい?
「やめた方がいいよ」
いえ、あの、申し訳ございません(笑汗)、勉強不足でお恥ずかしいのですが、『他を下げる』とはどういう意味でございましょうか?
「あー無意識なんだね」
えぇ、まぁ、おそらく、そのように感じます。もしお時間いただけるようでございましたら、今後の人生のためにも是非ご教授願いたいです。5つ年上の兄のように一生子供部屋で過ごしたくはないのでございます。
「それそれおい!」
それそれおい……たびたび申し訳ございません(笑汗)、お恥ずかしい勉強不足者でございます、『それそれおい』とはどういった意味でござ
「ないよ意味は!『それそれおい』を勉強する人なんていないよ」
勉強、勉強では、学生時代はクラスメイトのいわゆるガリベンとかよりも勉強できる方でありました。器用貧乏みたいな勉強法を尻目に、効率の良い脳の作りをしていると自負してございます。
「喋らない方がいいよキミ」
兄は僕と似ている顔立ちをしているのですが、兄は無口で異性には好感を持たれますが、結局、つまらない男だという認定を受け自然と人が離れていきます。一方で僕は、
「下げんなってマジで!腹立つ!」
私はあなたのような人事の立場になった際、感情を露わにしない自信がございます。
「もう俺のこと下げてるやん」
良い大人が『俺』…
「それは下げでもなく喧嘩やで?」
っし、やりますか?
「やらへんよ、座れ」
失礼いたしました。
「感情露わにしてるやんけ」
おっしゃる通りです。申し訳ございません。
「そんでキミ名前これ書いてないけど、誰やキミ」
私の名前ですか、私の名前は、あなたの名前です。
「は?」
あなたと同じ名前です。
「ふざけんなよ」
これを読んでいる、『あなた』の名前です。
「胸に手を当てて反省してください」
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