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日本代表のジャージを着崩して怒られるアスリートの価値

今年のパリ・オリンピックで、スポーツにおける美的感覚的なもの、なにが美しいとされるか、何がかっこいいとされるか、何がメインストリームとなるか、が一方向性を持って定まっていくような気がしています。タイミングもあるし、パリという街で行われるということも手伝うと思います。2019年の女子ワールドカップ フランス大会もそのような役割を担い、あそこから女子サッカーのムードが決まった印象があります。パリという街は、ファッションの聖地ですから(知らんけど)。

スポーツというものが、裸で行われない以上、全プレイヤーが同じウェアを着ることを義務付けられない以上(国やグループによって違うウェアを着ていいというルールである以上)、それらには「差異」が生まれます。人はそこにアイデンティティを感じる。「私たち」と「あなたたち」を分けるのです。はるか昔から、人間は、社交の場でも、戦闘の場でも、そのようにアイデンティティを形成してきた。

スポーツが、それを無視して言い訳がないというところが議論の出発点として、では、どうすればそこに「強いアイデンティティ」を感じさせることができるか。そのようにして人は身につけるものの「差異」に対してこだわりや伝統を持つことを覚えたのだと思います。

視覚的にアイデンティティを感じるのか。意味的にアイデンティティを感じるのか。つまり身につけることの「誇らしさ」をどのように私たちは醸成することができるか。

国際大会は、その主たるプラットフォームとなります。

パリ・オリンピック2024の、フランス代表の種目を一貫したコレクションの一部がすでに発表されていますが、その一連を手掛けるデザイナーのSNSにポストされていたものです。

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スポーツを題材としたクリエイティブやデザイン、ブランディングやキャンペーンなどの中から印象に残ったものを選択し、それらについて考察や感想を…

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