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パワハラ訴訟で勝利的和解

 22年10月に、パワーハラスメントでコンサルティング先の、その取引先に勤める女性幹部氏から某地裁で訴えられるという珍事がありました。

 しかも、ついでにくっついていた求める賠償というのがそこそこビッグであり、福永活也200人分だったうえ、刑事告訴も辞さず的な内容だったので馬鹿じゃねえのと思っていたわけです。

 そのコンサルティング先は私にとってはダイレクトにクライアントになりますが、幸か不幸か長年のお付き合いの中でずっと起用してくださっているのもあって、今回の件では法務部総出で頑張ってくださって助かりました。

 結果的には先方にとってはゼロ回答で、私の完全なる勝利での和解であったものの、その道中は「え、女性がパワハラと感じたらパワハラだって認定を裁判所が心証で出しちゃうの」ってこともあり、こりゃ大変だぞと思ったわけですね。私もそういう会議では振り返りや議事録作成のために録音していることも多かったので、結果的に、それが我が身を助けた面はあります。

 そして、和解に至る顛末では以下の事実が原告と被告双方で認定されました。なんなんだこれは、ってのが一番大きかったですね。

22年4月以降、5回の会議や視察に被告・山本一郎がクライアント側で出席し、合計約18時間の面談の中で、山本一郎がその取引先の責任者である原告女性をマスク越しに凝視し、耐えがたい威圧感を与えた。そのもっぱらの間、山本一郎は原告女性に対して言葉を発しなかった。

原告女性のプレゼンテーション中、山本一郎は一言も発しなかったが、終了後、(略)討議になった際に原告女性のプレゼンテーション内容に対して品質管理上の問題は原告女性勤務先工場からの輸送に問題がある点を列挙した。

議論が進展する中、訴外・管理職氏らに対し、山本一郎が「それはさすがにふざけた対応と言われても仕方ないんじゃないですかね」「(略)に繰り返し起きていた問題をもう一度起こしてしまっていることになりますから、今回はそちらで着地を検討していただく必要があります」「やりようが他になかったのですか」「状況的にそのようなことは起き得ず、御社側の対応に課題があるのであればそちらで解決されるべきだと思います」「日程的に無理であるならばそのように最初に提案するべきではないですか」「できないことを問題視しているのではなく、できないならできないとはじめに言うべきでした」「無理なのは分かりましたから今日はもうお帰りいただいて構いません」「素朴な質問ですが、いったいこれは何の会議なのですか。大勢でこの確認をやる必要はありますか」などの発言を通常より大きい声で発し、原告女性および所属先に対して強く威圧した。

後日、訴外・クライアント社から原告女性に対し「山本一郎の話も一聴に値するので、関係業務に関する取引については引き取り可能な半製品以外の受領をキャンセルし、(中略)追加の予算や発注については再契約を行い解決する」とする趣旨の通達があった。しかし、実際には追加の発注は行われず、山本一郎は原告女性とその勤務先に損害を与えた。

原告女性と訴外・管理職氏らは、山本一郎に対し22年8月以降数度にわたりメールを出し、面談を求めたが、「愛知県および京都府をしばらく訪問する予定がなく、貴殿らが東京都にもしご用事があるようでしたら調整いたします」と返答があったものの、内容を鑑みるに極めて威圧的であり、(略)不測の事態を怖れた原告女性と訴外・管理職氏らは東京にいた期間はあるものの山本一郎に個別の面談は求めず会うことはなかった。

 個人的には、大勢の出席する会議でマスク越しに発言をしただけであって、視線が威圧的だからパワハラだと言われても知らんがなという話で、しかし途中まで原告女性が主観的に威圧的と感じたんだから威圧したんだろう的に裁判が進みそうになったので困っておりました。座ってる姿がパワハラなのだと言われ、これがうっかり認容されたら大変なことになるぞと思いましたし、世にあるコンプライアンスの問題的に、かなり受注側、女性側の主観に裁判体も引っ張られることがあるのだとしますと冤罪やいちゃもんの類も多いんじゃないかとも感じました。

 私としては、単純に座ってただけですし、見解を求められたので全員に聴こえるようにほんのり大きめの声で申し上げただけです。あくまで業務の一環として必要とされることをしたまでなんですよね。

 また、コロナ期間もあったため、1回を除いてすべての会合後のご宴席やお食事のお誘いについてはすべて辞退し、日帰りをしています。その1回も、ちょうどクライアントのグループ会長が帰国されるので、ごく少人数で会食を行ったのみであって、原告女性は同席されていません。

 原告女性とのメールのやりとりも仕様や納期に関することで、teams会議は複数の参加者がおり録画済みなうえ、電話などでの連絡もしておりませんから、これで(地裁とはいえ)パワハラなんだと言われたら世にある会議は全部パワハラになってしまうんじゃないかと思いました。

 割とビックリ体験でしたが、書いてよいというので検閲を済ませてここに墓標を遺します。お読みいただきありがとうございました。

 画像はAIが考えた『会議中、メガネ・マスク越しにパワハラビームを放ちあたりが焼け野原になるナチュラルボーンパワハラ野郎』です。


ほとんどサイクロプスみたいな状況に


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