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至高のフェス飯 #1 【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2023 in EZO】(藤沢チヒロ)

野外フェスの楽しみ、それはもちろん開放的な空間で浴びる音楽。
…というのは建前で、本当はわたしは、野外で罪悪感なく浴びるほど飲むビールと美味しいごはんがあってこそのフェスだと思っている。

今年も
来たわよ

だいたい毎年お盆かお盆前、東京の有明でまんがの祭典が行われている日程で、北海道の石狩では「RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO」(RSR)が開催されます。石狩湾に面しただだっ広い牧草地に、金曜の昼から日曜の夜明けまで、ロック好きのための街が爆誕するのです。

もう何度も足を運んだRSRですが、昨年初めて、「テントサイトでBBQする」という夢がかないました。一緒に行った仲間に、キャンプスキルがめちゃくちゃに高い御仁がいたのです。フェスってフードエリアも充実していて、それを買い食いするだけでも楽しいんですが、周りのパリピやファミリーみたいに、肉を焼きたかったんです、わたし。ずっとやりたかったんです、BBQ。
それはもう、炭火焼のコンロに立派な焚火台も持ち込まれ、BBQ充ここに極まれりな2日間を過ごした思い出。(もっとも、去年はコロナ禍を挟んだ復活開催だったからか出演アーティストが充実していなかったため、ずっとBBQに興じていたともいえる)

そして2023年。今回の野外調理には一点懸念がありました。
そう…去年八面六臂の活躍で私たちの腹を満たしてくれたキャンプの師匠が不在なのです。キャンプの経験値が人並みかそれ以下のメンバーだけで、なんとかしなければならない。肉は焼きたいが最低限にして、足りない分は好きなものを屋台で買ってこようかという話になり、今年は「カセットコンロ式ホットプレート」を調理の要に据えることにしました。

それがこれ、イワタニの「焼き上手さんα」です!

電源いらずで鉄板料理ができるという焼き上手さん、もちろん炭火も起こさなくていい。めっちゃ楽! プレートを外すと五徳があって、やかんでお湯を沸かしたりもできるのだ。
野菜や肉は、カット済みのものメインで購入してきました。
拠点にテントやタープを張り、いそいそとテーブル椅子を設置して…

アルパカの箱ワイン(3リットル)と焼き上手さん。
このワインは半分以上私が飲む
とりあえずオフィシャルビールを買ってくるでしょ

カンパーイ!
RSRと言えば黒ラベルよ!

イオンで買ってきたホタテと牡蠣

最初に焼くのは貝! 鉄板は傷むかもしれないけど、小さいことは気にしない。今日はフェスだから。

プリップリ! 牡蠣プリップリ!

イオンのホタテと牡蠣、大満足のサイズで味も良い…生ビールと焼き牡蠣最高! イオンやるじゃないか…見直したわ…
ここで私が使い慣れないバーナーで友人のレジャーシートを溶かして穴をあけあわや大惨事みたいになりつつ、ステージの方でも演奏が始まります。サンステージのトップバッター、Creepy Nutsは、貝を焼きながら聴きました。伸びしろしかない!

このくらい伸びしろしかない。
高所作業車。ステージの合間に乗りました。高いところが好き(700円)
20メートル上空からみた、サンステージ周辺
にく

夜には肉を焼きました。
今回持ち込んだ調味料は
・ほりにし
・ヨシダのステーキソース(スパイシー味)
・エジプト塩(クミンとナッツの入ったスパイス塩)
・あらびき味塩コショウ
・ジャワカレーパウダー
です。まず皆さんご存じの「ほりにし」が抜群においしくて、タン焼いてこれつけたらもう言うことないですね。レモンを買いわすれたことだけが悔やまれる。
エジプト塩は、雑貨屋さんで見つけて買ったものを自宅から持ってきたんですが、賞味期限がけっこう…過ぎてて。それを知らせたうえで皆うまいうまいと食べてくれて、私は仲間に恵まれているなと思いました。

しばしテントでひっくり返り、引きずられるようにして観に行ったスカパラで感動し、しばし飲みながら歓談して、いや、けっこうディープな話を長々として、一日目の夜は更けていきました。

そして翌朝。早朝から営業しているスーパー銭湯に車で行き、さっぱりしてから朝ごはんを支度します。朝から焼き上手さんは大活躍するのです。

これがやりたかった
これだよ!

藤原伊織さんの永遠の傑作小説『テロリストのパラソル』に登場する、ソーセージと一緒にカレー味のキャベツ炒めを挟んだホットドッグ。
このホットドッグのファンは多くて、こちらの記事をみると、関西ではメジャーなレシピなのらしい。

これを生ビールとともに、青空のもとで食べたら最高でしかないでしょ!
しかも午前中に! この時点で、今年のわたしのフェス調理の目標が果たせたと言ってよい。ありがとうございました!

まだ焼くけど
チーズとトマトとバジルをのせたパン。小さいマルゲリータ風
朝スパ銭に行ったついでに、イオンで牡蠣を追加購入。今回はサイズをすごく吟味した
もちろんジンギスカンもやるよ。味付きラム、柔らかくておいしい
ピンク色の夕焼け美しい

実は例年のRSRで、ずっといい感じに天気がいいことってほぼありません。だいたい大雨に見舞われるか、前日の雨で地面が田んぼみたいになってるか。晴れていても乾燥しすぎて砂ぼこりがひどい。牧草地なので、田んぼも砂埃も牛の…牧場のニオイがしてツライ。
今年はそんなことなく、日中は2日間とも快晴で、そこらじゅうの人々がうれしそうに空の写真を撮りまくっていた。

おやつ。焼き上手さんのプレートを外して網をのせてパンを焼いてみたり。
この2日間は運動量がハンパないので、普段の倍くらい食べられる
カッコイイ風車

2日目のステージはUnison Square Gardenを夕方に見て、日が落ちてからのNovelbright、夜中のSUPER BEAVER→DYGL→Vaundyはノンストップで、老体が悲鳴を上げ始めていたけど、今年は朝まで完走するって決めている。
夜中の雨予報に備えてテントは早めに片付けてしまい、私たちの拠点はタープと椅子とレジャーシート、BBQセットと食材たちだけになりました。ようするにここはダイニングキッチンだ。まだもうちょっと焼くわよ。

Misiaのステージの前には恒例の花火も上がった
夜中ちょっと雨が降った
最後。残っているものを全部焼く。
差し入れのチーズにソーセージ、トマトがワインに合いました。

午前4時半。大トリのマカロニえんぴつを聞きながら東の方を振り返る。

朝焼け!
アンコール中に、少しの間陽がさしたそうです。

お疲れ様でした!
自力で野外調理、焼き上手さんのおかげで、大満足に終えることが出来ました。結果的には、差し入れをたくさんいただいたこともあり、買い食いに走る余裕もなかった…BBQ充! キャプテンスタッグの焚火台と炭も一応持って行ったけれど、最後まで出番はありませんでした。消費したガスボンベは意外と少なくて、2本。6本買っていったのに。あまったガスの消費のために、これからも、お家でお外でどんどん使っていかなきゃ焼き上手さん!

考えてみると、テントサイトでBBQしながらメインステージの演奏がしっかり見えて聞こえるロックフェスって、たぶんRSRしかないと思うんです(ほかにもあったら教えてください…!)。ライジングサン、唯一無二のフェス。それを実感しながらのフェス飯、至高でした!
また来年!

解散後の朝食はガッツリすき家
生ビールのカップは硬くて立派なプラスチックなので、持って帰って洗って使っている。
今年は5人で31杯飲みました。私は8杯は飲んでいる。10杯飲んだかもしれない。

文・写真:藤沢チヒロ(漫画家)
https://twitter.com/uwabamic


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