世の中の素人が、たとえ、間違った事を言っても、誰も、不思議に思わず、何が起きても、その程度のことと聞き流していますが、電力会社の関係者が、世の中に向かって、間違った事を言ったならば、アウトであり、その具体例(北陸電と東京新聞記者のデタラメ)を示す

webに掲載された「東京新聞」(2024.2.4)の記事には以下の記載がありました。

北陸電の広報担当者は、地震の揺れの強さを示す加速度(ガル)を持ち出し「原子炉建屋は基準地震動600ガルまで耐えられ、今回の地震による地盤の揺れは600ガルよりも小さかった。さらに2号機については1000ガルまで耐えられると新規制基準の審査に申請している。原子力施設の耐震安全性に問題はない」と話す。

世の中の素人が、たとえ、間違った事を言っても、誰も、不思議に思わず、何が起きても、その程度のことと聞き流していますが、電力会社の関係者が、世の中に向かって、間違った事を言ったならば、アウトであり、「原子炉建屋は基準地震動600ガルまで耐えられ」とありますが、600 gal.(定義では振動周期0.02秒の値)は、原子炉建屋地下二階の床面の値で、上の階に上がるにつれ約20 %大きくなり、四階の床面では、二倍の1200 gal.、屋上では、四倍の2400 gal.になり、地下二階から地上四階までの各階には、機器・配管が設置されており、各階の地震加速度で、耐震設計と耐震対策が施されており、実際には、機器・配管の大きさや形状や種類によっては、影響を受ける振動周期が異なるため(多くは0.5-3秒)、地震加速度応答スペクトルの形状から、さらに、二倍になり、そのため、地下二階から地上四階までの各階の機器・配管の設計用地震加速度は、600-2400 gal.の範囲にばらついており、実際の耐震対策では、設計許容値(塑性変形領域)まで四倍の工学的余裕度、破壊限界値まで七倍から八倍の工学的余裕度が確保されています。
北陸電の広報担当者は、原子炉建屋内の三次元的地震加速度分布の意味も知らず、とんでもなくデタラメなことを言っており、耐震設計のイロハも知らない素人。
新聞記者も意味も分からずデタラメ記事、間違いを正す能力なし。
私は、AIに対し、上記記事の書き直しを求めましたが、多少の表現上の差異はあるものの、AIには、誤りを正す能力は、備わっていませんでした。

参考文献
耐震設計理論は『原子力耐震工学』(鹿島出版、2014)参照。
私の「耐震論」についてはnote本欄バックナンバー記事・写真参照。

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