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新しい詩集

 ポストに、新しい詩集の最終ゲラを投函し、何とも言えない喪失感に苛まれている。私の詩集は、もうじき、一人歩きを始める。
 私のもとに、ゆくりなく舞い降りてきた言葉を組み立てて、詩の原型を作り上げる。推敲、放置、推敲、放置‥‥の過程を、嫌と言うほど繰り返す。そうするうちに、詩が勝手に歩き始める。作者の私自身、想像もしなかった世界に誘われることもしばしばある。詩作は、子育てに似ているかもしれない。
 あっちやこっちを向いている身勝手な詩篇を、「水栽培の猫」という1つのテーマのもとに、切なく美しく、整列させたつもりだ。活字になって、世の中に出してしまったら、私は私の詩を、もう庇ってあげることはできない。100%、読者に委ねる他ない。どうか皆様のお心に届きますように。

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