見出し画像

逆噴射小説大賞2019:震えたパルプ26選(+)

24日間に渡るドンパチ祭りが終わった。

開幕前、ワシは考えた。
「(ネタも無いし)3発撃てればいいほうかなぁ・・・そもそも強烈な1発で仕留めりゃ弾数なんて・・・」と。そして開幕。初日0:00時に渾身の2連発、そして2日目の朝に1発。
やり切った感でいっぱいになっていたが、(まだ書けるかも)とアレコレ考え、18日の時点で5発を撃ち終えた。その後はメキシコ荒野のバーで・・・黄金色の液体・・・焼酎コーン茶割りを飲みながら・・・参加者のブツを読んだ。早めに撃ち尽くしたので、イチからひとつひとつ読んだ。最終日の勢い(初日超え)は特にゴイスーで、読んでも読んでも次が投稿されるから必死のパッチで楽しく読んだ。これは祭りだ、とコーフンした。

・・・で、ワシが放った5発。どういうことを考えながら、どういうふうに弾丸をつくり、磨き、どんな角度で発射したか・・・そんなワシの話はさておき、今回は他者の作品、「震えたパルプ」について書きたい。


■前提:”震えた” とは?
(前置きが長いのは嫌われるが、少し長い。カンニンしてほしい)

パルプ二年生への進級を控えていたワシは、撃つ前に考えた。

「ワシが書きたいパルプはこんなやつで、得意とする書き方はこう。そのうえで、レギュレーションに従うならこういうポイントは必ずおさえて、あんな要素も意識しておきたい。そんなこんなでワシの考えるヤバイ、スゴイ・・・ ”ヤバスゴ・エキス” をまんちくりんに充填した弾をブッぱなせば・・・審査員の心臓を撃ち抜けるのではないか」

具体的な話は省くが、そうやって試行錯誤したうえで5発撃った(最後の1発はチト方針から外した)。
参加者はみな、そういった「自分なりのヤバスゴ・エキス」を込めてブッぱなしており、当然、エキスにはそれぞれ違いがある。色や臭い、他、細かい性質モロモロ・・・。どれが正解とかそういうものではないし、実際に、いろいろな「ヤバイ」「スゴイ」があった。

そんななか、今回取り上げる26作品は、「ワシが弾丸に込めようと試みたものと近い種類(超主観。一緒にすんなと怒らないでほしい)のエキスがMORI-MORI・BIN-BINだと感じちゃった作品」だ。ワシも「大賞を獲ってやっぞ」という気持ちで書いたわけだから、負けるつもりはない。だが・・・そりゃあ、そんなゴイスー弾(DAN)があちこちからBAN-BAN飛んできたらブルリと震えて当然、ってワケだ。
実際はもっとあったけども多すぎるので、三回くらい脳内トーナメント戦を繰り返し、ワシが目指したエキスがより多く/濃く含まれている作品に絞った。それでもこの数になってしまった(どんだけ震えてんだ)。
※書き終えてから画面右上を見たら15000字を超えていた。超短スクロールバーで申し訳ないので、初めて「見出し機能」を使ってみる。

ここで誤解のないように書いておきますが(ここは決断的に丁寧語)、今回載せていない作品・・・ワシが目指したものとは ”異なるタイプのエキス” がたっぷり詰まった作品にも、「めちゃくそ面白いヤン・・・お願い、続き書いて・・・」「なにこの奇想天外な作品・・・ヤバイ・・・」「ゾクリとくるこのワザマエ・・・」とコーフンしたパルプがいくつもあります。当然ながら、そういったエキスに満ちた作品が賞を獲る可能性だってアリアリですから、大賞予想しようなどとはコレっぽっちも思っていません。

長くなった。では投稿された順にいく。


01.殺意の掟

前回チャンプだ。開幕0:00にブッ飛んできたこの1発に、ワシは震えた。日本を舞台にしてきたのは少し意外(HIP HOPや中国・香港アクションに対する造詣が深く、それらを武器に殴ってくるイメージが強い(勝手))だった。しかしさすがチャンプ、意外な視点からはじまってワシの脳も岩で潰されそうになり、極限までカリカリにされた文章と渋みのある語り口で敵同士のやり取りが進む。ひとつひとつのセリフや動きが決まりまくってる。そしてカリカリなのにジットリと汗をかくような男二人の熱量と、荒い息遣いが聞こえてきそうな距離感。泥臭さ。腹の探り合い。その先を読みたくなるシメ。読み終えると、この男同士のやり取りは日本が舞台、刑事(デカ)モノで正解なのだと納得した。しかし24日もあるのに初日にこんな弾が飛んでくるなんて・・・。

02.海鳴〈いの〉りの祝祭

「貴様が居石さんのSFエキスを選ぶ・・・とは?」そう思われるかもしれないが、ワシはジャンルにこだわっていない。ワシらが生きている「いま」とはかけ離れたSFの世界において逆噴射先生のいう3種のR・E・A・Lを表現してゆくのは、今のワシにとって至難の業。だが居石さんはその知識量、語彙力、文章力、発想力、信念で、バチコンとやってのけてしまう。そこに震える。ワードセンスも、話の構成もスゴイ。スケールの大きい衝撃的な冒頭にズドンとやられてつつ、800字の先に待っている厳しい ”里帰り” に向けた主人公の決意、強い意志が静かに伝わってきて、最後にまたズドンとやられる。一瞬「エッ?」となり、意味を理解し、ガックンガックン足が震える。早くオープニングの続きを・・・! という気持ちでいっぱいになる。そして、これも初日の0:00に飛んできた。なんなんだ一体。


03.ネイキッド・チャーチ

爽やかなシーンから一転するタイミングが早く、まったくもったいぶっていない。数行でグッと心を掴む攻撃的なやり方に震える。会話もふくめテンポの良さがスゴイ。説明くさくなってしまいそうな内容なのに、自然な会話と主人公の思考でトントンと進んでいくからグイグイ引き込まれる。そして少し世界に慣れてきたあたりで、ドキリとするもう一転が待っていた。気にならないわけがない。ちなみにヤバイ集落、ヤバイ神父、裸の人が集まる場所、このあたりは自分も(書けたらなあ)なんてちょっと思っていたくらい好きなんだけど、こんなクオリティで初日の0:00にブッ飛んできたらもう・・・。あとエキスに関係ないけどペンネームがかなり好き。

04.千夜一夜【逆】

逆噴射において異世界転移/転生モノはなかなか難易度が高いなあ、と個人的に感じているワシなんだけども、コレには後頭部をブン殴られた。どこか自分と重なるような主人公(とう腐さんは小説書きキャラとの掛け算がいつもうまい)、短いけれどワザマエな開幕描写で伝える全体の雰囲気、そしてそこからは会話でグイグイと話を転がしていくやり方に、すっかりワシはこの世界に入り込んでいた。だのに、だのに。突き落とされるスリリングな状況。千日・エブリデイ・プラクティスだけでも眩暈がするのに、先人がいるという厳しい条件をもうひとつつける・・・エグイやり方だ。読み手が小説書きかどうかに関わらず、この絶体絶命な状況には震えるしかない。だが、主人公はやるしかない。しかも最後の一言はなんか前向きだぞ。果たして千日やり遂げるのか、何か別の手立てを考えるのか。類を見ないタイプのハラハラが新鮮。続きが気になる。ちなみにワシが2発目に異世界転移風味の女ドワーフを出したのは、とう腐さんとのやり取りがキッカケになっている。感謝。

05.マグマに咲く花

現代モノが多いワシだけれど、それはこの作品のように魅力的かつ幻想的な新しい世界(+その先への期待)を生み出し、表現するスキルに自信がないからだ。だからもう、こんな冒頭(とその先の物語)を思いついて書けちゃうって一体なんなの? とバビる。さらに言えば、こういう世界を書こうとしても、だいたいR・E・A・Lにならず、なんかフンワリしたり、どこか「冒頭だけ考えた感」が隠しきれなかったりしそうなのに、そうならないのはディッグアーマーさんの確かな想像力と奥深さ、でもって過不足なく緻密に表現できる文章があってこそか。冒頭文の時点で「ああ独創的でヤベぇのきたぞ」と膝がプルプルする。謎めいていながらも長老の教え、旅に出る子供たち、他村の存在など、物語のベースもバッチリ。細かい部分だけど、「岩壁の地図前に立ち、節くれだった指で引っかき傷をつける」とかもうアアアー! こういうとこスキー! てなるセンスが光ってるし、ラストの花びらつまんで唱和してる時にはもうこの謎めいた世界にどっぷり入り込んで一緒に唱和して旅に出る気MAN-MANだった。これも投稿日は初日の0:06だ。みんな殺傷力の高い弾を準備しすぎだ。


06.スノー・ザ・プリンセス

コココグァイ……でもうやられた。(なにが?)ってなる出だしから、おおーと唸る見事なやり方。どんな視点で何を見せるか、どう切り替えるのか、工夫がスゴイ。ここで立派に育った主人公の腕前を実際に見せている(あとあと響く)あたりもニクイ。そして床に臥す父と娘の質素な生活。互いを気遣う会話。娘の澄んだ心。ただ者ではなかったことが伺える父の涙。そして育ててくれた父との別れ(ここを簡素な墓で端的にあらわすあたりもゴイスーだ)。心動かされる幼少期から別れまでの出来事を800字で読めるなんて・・・情報がたくさんあるのに詰め込み感がまったくない・・・ワシ満足de満足de震える・・・だけでは終わらず、決意に満ちた旅立ち、そしてその先に待っている決して平坦ではなさそうな人生を追ってみたいと思わせるシメになっている。こういう、静かながらも胸を熱くさせる文章はスゴイ。墓で挨拶を終えたあと、切り立った崖の上から広い世界(一面に広がる森とか長大な川とかその向こうに人里が、とか)をしばらく一望し、「よし、行こう」と呟く情景まで勝手にイメージしてしまい、心が震える。


07.悪神遷し

会話力がヤバイ。ほとんど会話しかしていないのに、ひとつの物語の冒頭を読んだ満足感を得て、その続きが気になって仕方がない自分がいる。時折挟まれる地の文もキレがあって、鬱屈した重い感じの話しなのにどんどん読み進めてしまう。会話中心であっても、村の公民館に集まる老人たちの境遇や心境や所作がR・E・A・Lに伝わってくるあたりがゴイスーだと思った。ワシも会話を軸に話を次へ次へと転がしてゆくタイプなので、このエキスの濃さにはめちゃんこ唸った。あと「カッと笑った」がチョー好き。


08.ダンジョンバスターズ!

へるまさんは普段から発想力がヤバく、今回の5発も例に漏れずやっぱりどれも発想がヤバイ。さらに、そのどれもが「エッ!?」と驚く仕掛けがあってバビるんだけれども、今回のエキステーマ的に本作が一番ゴイスーと感じた。まず一行目、横並びに提示される人名。なかなか無いやり方だし、この圧縮一発で伝わることも多い。スゴイ。(4人組の主人公たちか)(ははーん、ゲームの中か?)(もしくはVRサバゲー的な?)と心を掴まれつつ、楽しくテンポよく進む序盤から一転、A5のあたりで(?)となり、まさかの舞台に尿漏れする。さらに、ここで一発ネタぽく終わらせず、読み手が先々のイメージを膨らませて楽しめるつくりになっているのがまたうまい。ワシの妄想は、現代を軽く皮肉ったような自治体内のグダグダな揉め事、過激な競争、政府の混乱、ドタバタ衝突、一般プレーヤーと選抜チームの対立などを絡めながら、地方によって特色がありそうな集客のアレ(おらが丼みたいなノリでスキ)がバカスカ登場する感じだ。妄想するだけでワクワクする・・・ああ続きが読みたい。47都道府県ぜんぶ。さらに市区町村版とかも。そう思ってしまうワザマエに震える。


09.復讐するは今にあらず

地の文がメインで台詞はたったの3つ(しかもどれも端的で、独り言が2つ)しかないのに、とにかく文章が乾いていて、短めの文章がスパンスパンと頭に入ってくる。そしてその順番や言い回し、ワシが重視する「リズム」がすごく自然で、これが「テンポがいい」ってやつか・・・と脱帽する。ひとつの文が短くても長くてもリズムは作れると思うけれど、これは短文の方でキレ味がハンパないタイプだ。読んでいるだけで気持ちよくなってくる。序盤にワシが植え付けられた積年の恨みと復讐計画がまさかの形で崩れ、決断できない状況に追い打ちのピンチが加わって来る。(どうするんだこれ。どうするんだ!)とワシは気になって仕方がない。どうか続きを書いてほしい。


10.御筆一筆、仕りて候

これは相当きている。今回、和風の作品はいくつもあるし、めちゃ面白いものは他にもあるけれど、これは例のワシが目指していたエキスをガッチリ実現していて「はぁー(ウットリ)」とため息がでた。とにかく渋く(これ大事)、不気味で、張り詰めていて、引き算した強い色が鮮やかに目の前に浮かび、もうめちゃくちゃカッコイイ。言葉選びひとつひとつのセンスがすごく、無駄なくバチィっと示されてゆくその場の雰囲気や言い回しは触れたら血がでそうなくらいキレがあって、左右でアレコレ言ってくるジジババとかもう大好物で、得物が ”筆” ときた。ワシの脳内にはキメ台詞が出るまでのBGM(無音~静かに~最後はイヨォーーッ・・・)まで出来上がっている。小説からはじまってテレビアニメ化決定、劇場版公開決定だ!


11.反倫理委員会

前回チャンプがまた登場だ。『大麻拳』も道場、散弾銃、美ケツ(たぶんデカイ)の大統領夫人と三拍子揃って勢いもハンパなくてサイコーに好きなんだけど、エキス的にはこちらの作品がより震えた。冒頭の「映画」「漫画」「小説」で(あれ、ちょっと違う感じで攻めてきたのかな?)と思うんだけど、4行目からいきなりチャンプが襲い掛かってきた。ワンアクションで心を掴んでおきながら、独特な舞台の説明を一文。そこから引き締まった会話でドライブさせていく展開にワシは夢中になり、時折挟まれる一文で世界を理解してゆく。銃を使わせない仕掛けも好きだし、ガスマスクで表情を描写しないのも好き(そうしながらも滲み出る感情が伝わるワザマエがあってこそ)。そんなこんなですっかり後半には無口なKとナンバー77の対峙にゴクリと唾を飲み、シメの決意に満ちた構えとセリフのかっこよさに尿漏れした。Kの心境、今後も次々繰り広げられるであろうアクション、委員会の末路・・・などなど勝手に先を想像してワシは楽しんでいる。


12.悪党の対歌

とにかく会話がうますぎて震える。悪党二人の口から出る単語の順番、種類、音のリズム、過不足の無さ、話者交代のタイミング、ぐつぐつ笑いを含めた間合いなどなどがチョー自然で、ジュンジュンと脳が吸収してゆく。会話を読み進めるだけで、二人がどんな野郎なのか(その片鱗)、どんな世界なのか、すっかりイメージが出来上がり、目つきはこんなかな、歯は黄色いんだろうな、とか妄想しているうちに800字が終わってしまう。「そりゃ会話させりゃサクサクとテンポもいいっしょ」とか思っちゃいけない。こういうゴイスーな熟練者が会話を書くと、薄い/濃い、軽い/重い、どんなシーンでもテンポがよくてストレスフリー、違和感なくイメージが沸きまくる(とワシは思っている)。前回の最終選考作品(不死の日のエドム)も同じで、説明と会話のテンポがゴイスーだった。そして、今回の物語は意外な展開進み、逃げた先に何があるのか、二人の関係がどうなってゆくのか、どんな死に方をするのか、気になるところで終わってしまう。


13.虚空太郎

最初の一文と婆さんの一言で、(お、桃太郎で攻めてきたか・・・いろいろと使い古されて・・・ガチでやるには難しいテーマだぜ・・・?)とか斜めに構えていたワシだが、その直後、予想外の内容に頭をブン殴られてからラストまでコーフンしっぱなしだった。これは桃太郎のパロディではなく、虚空太郎のR・E・A・Lな物語だ。そう感じるゴイスーな表現力と、理解の及ばぬ不気味な展開、そして老夫婦の悲劇。ここで終わったか、と思わせて、まさかの老剣士!(渋くていい)。さらには・・・。虚空太郎、このあと一体どうなってしまうのか、どういうラストを迎えるのか。さっぱり先が読めず、モヤモヤしまくりなので続きをお願いします・・・!


14.殺し屋ノボルのでたらめ暗殺術

あのときのときさん、ふたつめだ。『おかしな仕事とおかしな奴ら』も、脳内トーナメントで最後まで残っていたけれど、ノボルに決めた。まずタイトルで「でたらめ?」となり、読んでみればいきなりジジイのざっくりした助言があり、シーンが変わってパンツ一枚のノボルが台所に立っている。この時点ででたらめ感がゴイスーなんだけれど、『09.復讐するは今にあらず』でも書いた通り、やっぱり文章の絶妙なキレがキレッキレでスパンスパンと頭に入ってくるから(どうなるの。次、どうなるの、ほう、そんでもって? そういっちゃうか! こりゃ面白い!)とグイグイ読み進めてしまう。三流の殺し屋が成功の見込みのない暗殺を任され、絶望しているという状況。やぶれかぶれになっているが、この時点でもうワシはすっかりノボルを応援している。「でたらめ暗殺術だ! 占いだぞ! いけノボル! あきらめんな!」と。そして、ちょっぴりノボルがその気になったところからラストまでの行動がめちゃくちゃ面白い。この行動が実際にどう ”でたらめ暗殺術” として成立してゆくのか、暗殺はどうなるか、その後はどうなのか・・・成功だろうと失敗だろうと、ラストまでノボルを見守りたくて仕方がない。


15.死の翼ふれるべし

昨年より探偵をテーマにした作品が減ったように思う第二回。だがグーで殴ってくる作品は、ある。冒頭、煙突から流れる煙の動きを追うように景色が描写され、どこかの工業地帯がみえて・・・出だしのワザマエに唸っていた矢先に「探偵たちが葬られたピラミッド群」というワードで殴られ、ワシは崩れ落ちた。これを冒頭の冒頭で出し惜しみなくバチっと決めてくるのがゴイスーだ。その後はワシの大好物タイプの語り口で会話がどんどん交わされる。膝を震わせながらヨロヨロと立ち上がったワシは、読み進める。テンポがよくて一気に話が進んでゆく。さっそく計画に含まれていない男が加わり、今後が危ぶまれるなか、教団、迷路、財宝・・・そして祖父の名と、魅惑のキーワードが次々飛び出す。なのに世界はちぐはぐしておらず、これまたバチっと決まっている。・・・なのに、「さあここからだ」というところで終わってしまう。夢中になっていたワシはどうしたらいいんだ。続きはないのか。ワシの、ワシのノリにノッたミステリーアドベンチャー気分をどうしてくれるんだ!(知らんがな)


16.106つ、または107つ、ないし108つのジョー・レアルの生首

多くのパルプスリンガーが「これはすごい」と唸っているであろう作品。カラッカラのウェスタンパルプ臭とパルプ味がヤバイ。どこを読んでも(こういうのがいわゆるパルプなんだろうな・・・)て要素に満ち溢れている。語り口や地の文の乾き具合だけじゃない。なによりも「賞金やるから首もってこい」て話しからここまで「なんなのこれどういうこと」と気になる物語に仕上げてしまう発想力もヤバイし、それを活かしたタイトルセンスもヤバイ。同作者の他作品でいえば、だいぶ違う角度でブチ込まれた『海へ来なさい』もかなりキテる。


17.放課後ダークロード

まず(む?)となる魅惑的なタイトル。放課後。学生か? ダークロードというのはアレかソレかコレか・・・センスも響きもいいなあ、と、タイトルの時点でワシは震える。そして生唾を呑み込んで読み進めると・・・ひたすらミニチュアに色をつけているだけで終わる。会話も無いし、主人公は一歩も動かない。なのにスゴイが極まっている。読んでいるこちらも呼吸を忘れるような緻密な描写の連続、たぶん逆噴射イチ動きが少ない&小さいのに、話しの続きを追うワシの目が止まらない。作者の好きと、主人公の好きや性格までもが詰まった内容・・・思考、専門用語や暗黒ワード、邪悪なミニチュアの精緻な表現に、この分野に疎いワシもウットリクラクラしてくる。そしてだんだん、(あれ? これただの人形じゃないんじゃね・・・?)と思わせる不穏な空気が加わってワシはダークロードを覗き見た気持ちになる。逆噴射的お約束掴みシーン無しで心を掴まれながら最後にもう一度タイトルのことを考えてみると、800字の先にパルプ味あふれる展開も(勝手に)想像できたりして、恐るべしワザマエにゾクリとくる。

18.上海ギャングスター

前回ファイナリスト、深瀬ねむみさんが10月20日に放った1発目は強烈だった。その後の2発目『Re:vengeance Tower』もハンパないけれど、今回のエキス基準でいうと、やはりこの『上海ギャングスタ―』だ。タイトルの通り、去年の最終選考作品とはまた趣の違う作品で、読み終えたワシは「くぅー!」と言ってしまった。ゴイスーだ。目指していたエキスの多くがブリンブリン詰め込まれた弾丸だ。ヤバすぎて腰が抜けた。一人称で徹底的に「俺」が語る。上海の殺伐とした舞台。暗黒街でのしあがる前の俺。少年の俺。まるでその場にワシもいるかのような、精緻な描写。街。人。臭い。音。こういうものを書こうとすると、表現が長ったらしくなってしまいそうなのに、絶妙なバランスでテンポを損ねず・・・徹底的に俺が、淡々と、乾いた口調でスラスラと語ってゆく。最後の投げやりな感じの一言も好き。この後どうやってこの世界を生き延び、上り詰めてゆくのか。続きをぜひ読んでみたい。


19.終末、駆けるは番の刃

個人的な好みで言うと『ダニエル探偵助手の怪奇事件調査ファイル』の先生の所作(げぇっ、のジェスチャーが特に好き)とかダニエルくんの困りっぷりがいいなあと思うんだけども、エキス的には本作の圧倒的なスピード感がハンパなくて大コーフンした。バイクを使った作品はいくつかあったけれど、開幕からのブッ飛ばしぷりに加えて、敵側の超速ビーム攻撃、その回避、さらにそのバンク的な ”抉れ” を活かした超かっこいいバイクアクション・・・からの、バイクブレード切断で鼻血ブー。さらにさらにそこで減速することなく、強大な敵に向かってゆくところで800字が終わる。でもワシの中で主人公は爆速のまま。ここがスゴイ。カッコイイをクールに決めながら「駆けた」、じゃなく、「駆けている」、に満ちている。それがまたカッコイイ。


20.根源のヴィリャヴァーン

しゅげんじゃさんの5発目。しゅげんじゃさんは、ワシがふだん「もっと込めないといかんのだがなかなかうまくいかないなあ」と感じている『熱』を込めるワザマエが特別ゴイスーで、この作品は特にそれがBIN-BINだった。熱には、熱血!みたいな熱もあるし、胸の奥底でアレする熱もあるし、凶悪で赤色じゃない炎みたいな熱もあるし、凍えるような世界に負けない熱もあるし、熱にはいろいろある。今回の熱は「憧れ」と「反抗」の熱量がヤバイ。いかなる困難を前にしても決して消えぬであろう熱を心に持つ少年。そして、どこか宗教的な圧力が支配する異様な世界や謎めいたキーワード(タイトルも好き)を、ヤバイ級の誰かが朗読しているかのようにスッと頭に浮かべてくれる端的な語り口。シメは「これから」の展開にもうひとつの『熱』が加わりそうなところで終わっていて、ワシは溜息をつく。『東京城、血煙り。』の色彩や動きの表現(メリハリ)も相当にヤバイいし好きなんだけど、震えるエキス軸では本作がヤバかった。


21.奇怪一家

まず鳩尾に強烈な一撃・・・タイトル。「タイトルは重要だぞ」とさんざん言われている逆噴射。スゴイ・タイトルにはいろいろ種類があるけれども、ワシ自身は今回、スパッとしたもの(抽象的で申し訳ない)を意識してきた。だからなおさらこの4文字に膝が震えた。最初に伝わってくる印象はもちろん、800字を読み終えて、その内容、さらにその先に続く内容まで(勝手に)想像してゆくと、この『奇怪一家』という4文字の重みがさらに増す。もちろん文章もスゴイ。前半の独創&幻想的な夢の描写。そして一転、こちらも現実離れしているけれど確かに現実だと伝わって来る『私』の世界。で、急にワシらの世界に馴染みのあるトドメの末文で踏み込んできてフィニッシュ。ワシの脳も、フィニッシュ。

22.令和新撰組最後の事件 古都銘菓騒動

「xx新撰組」というのは他にもあるかもしれないが、令和は始まったばかりだ。なのに「最後の事件」ときた。(ナンデなん?)と心が動く。そして「古都銘菓騒動」。何となく老舗がドタバタしそう。だが新撰組との関係は・・・? 謎めいたタイトルすぎて混乱する。混乱しながら本文に目を走らせれば、一言目が「御用改である!」・・・ワシの大好き(鬼平的な嗜好も混ざる)な台詞。ちゃんとそういう話しなんだ、と安心できる。「古民家風の町家」、なるほど令和だから、上手いやり方。「ダンダラ羽織」、安心できる。高周波ブレード??? 落ち着けワシ・・・「不逞浪士風の男たち」、ホッとする。 エッ、安物サイバネ??? こんな感じでジェットコースターに乗車したワシは、いろいろかき乱しそうなDボディ香子さんや古文書、教授の死など次々にネタを軽快な語り口で浴びせられながら超高速で800字のコースをブッチぎり、その先にレールが無くて落ちて死んだ。
ご本人曰く「小説初挑戦」とのことだが、ワシは疑っている。この新旧ミックスの手腕、ゴイスーな文章力、ノリノリ(死語?)の語り口と急展開によるドライブ感・・・ただ者ではない。滲み出るツワモノの雰囲気がヤバイ。ワシなんて去年の逆噴射一発目は「男が渋谷でコッソリおっぱいの数を28個数えるたびに人が死ぬ」話だ。スキなんて3だぞ? スタートからレベルが違い過ぎる。翌日発射された2発目『みんなの怪物』もアイディアがゴイスーで面白い。


23.セレモニーは終われない!~怪人シンク、三度現る~

突如逆噴射小説界に現れた十二月三十一日 十三さん。27日に放たれた1発目『グッバイ・ペーパーカンパニー』もSF×製本師という独創的な内容&確かな文章力でスゴイなあと思っていたけれども、こちらの2発目はド現実に寄せてきて、ワシの胸倉を掴んで殴り飛ばした。タイトルからは少し軽めの印象を受けたんだけども、本文を読んでガラリと印象が変わった。告別式に現れた不審な青年。受付した男の目線で語られるなんとなしの不気味さ。悲しみと静けさに包まれる斎場。そこで起きる事件。青年が発したラストの一言。それらを、めちゃくちゃ確かな筆力(これがマジでスゴくて震える)、乾いた言葉で語ってゆく。ワシは今回、「続きが読みたくなるか」だけでなく、「確かにこの続きがあると思える800字」を目指してきた。世にも奇妙な・・・的にほぼオチがついてしまわぬように。「あ、続きの無い派手な予告編だなコレ」と思われぬように。「このシーンだけ書きたかったんでしょ?」とか思われぬように。100パーセントバッチリ上手くやりきれたとは思っていない。だが・・・この作品は・・・分厚い本格派小説の開幕2ページを読んでいるような気持にさせられた。ここでタイトルとの噛み合わせに混乱するけれど、それもまた作者の術中にハマっているのだと思う。スゴイ。


24.婦人科医のシズ先生

akuzumeさん再登場。10月最後の金・土・日。一気に投稿作品が増えたなあ。タノシイ・・・よし今日はそろそろ寝ようかなあ・・・などとモニャモニャしながら更新ボタンを押したら本作が表示され、タイトル画像(評価には影響しない)とタイトルに釘付けになり、一行目に目を通し、衝撃の展開にビンタされ、そのまま無我夢中で読み進めてしまった。めちゃくちゃ笑って目が覚めて、焼酎コーン茶割をもう一杯つくった。akuzumeさんのスゴイところは、こういう奇想天外なネタや衝撃的な台詞(懐妊)をシレっと挿入してくるところだと思う。「どうだ! このネタ!」みたいなドヤ感がまったくなく、カリカリかつ味わい深い文章の中に自然に、淡々と、シリアスな顔で組み込んでいる(ようにワシは感じる)からこそ、殴られたときの衝撃が100倍、1000倍に増幅される。そして一発ネタ的な作品に終わらず、すごく真面目な、気になって仕方がない物語に発展する予感を示して800字が終わる。爆笑したワシが失礼だなと反省してしまうくらいに。それがスゴイ。


25.ハンティング・ビトレイヤル(邦題:おれだけの四十九日間戦争)

王道RPG風の素材を使うとR・E・A・Lを表現するのはかなりムズイと個人的に思っていたのに、この作品を読んで(ああ、それはワシの発想が足りないだけでした・・・)と反省させられる。混乱→状況理解→敵への怒り→疑問→別の怒り→衝撃→さらに衝撃・・・と、ありえない状況に置かれた主人公の思考の流れ=話の展開が自然&巧妙すぎてワシの膝は震え、グイグイ読んでしまう。魔王、勇者といった単語やその他RPGのわかりやすいフレーズで読み手の脳に根をはっておき、いきなりそれを逆手に取って、乾いた言い回しで「これでもか」と無慈悲な現実を叩きつけてまくるエグいやり方(うまい)に震える。「おれの墓石を打ち負かす」、端的に痛恨のダメージを与える衝撃の墓碑銘、などなどX-GUNに感情を煽る表現のセンスもステキ。ワシはもう完全にシリアスな顔で読んでいた。これは、絶望から這い上がろうとする男のハードストーリーだ。ちなみにグエンさんは第一回逆噴射以降、『ハントマン・ヴァーサス・マンハント』を1話400字で書き続けて連載100回を超えているゴイスーな人だ。HM vs MHで描かれる主人公はただ一人、意味不明な状況に置かれ、ヤバイ奴らを相手にひたすら孤独な思考を続け、ヤバイ奴としぶしぶ交渉しながら生き延びようとする。ユーモアあふれるシーンで油断していると、一気にシリアス路線にスイッチしてくる揺さぶりが面白い・・・この鍛練が今回の作品にもバチコンと活かされているように感じた。邦題つきタイトルというのは人によって意見がわかれそうだけども、HM vs MHの時と同じで、こだわりがあると思ったのでワシは好き。


26.星宿りの産声

最終日にまとめて撃ち込まれた5発はどれもゴイスーな文章力・・・そのなかでガツンとやられたのが、この作品。主人公大パニック、掴みのうまい海外ドラマのようなビックリ・シーンから始まるんだけども、部屋の状況、その際の主人公のセリフ、動き、一人称の文句に不自然さがなく、対する突入部隊の焦燥具合、罵声、細かい発言や行動もR・E・A・Lだ。だから、主人公は激烈年下なのに、どうしたってワシは彼の目線になっていく(うまい)。さらに、時折さしこまれる近未来的な描写は本筋の進行を妨げずにうまく溶け込んでいて・・・怒涛のオープニングのなか、ワシは主人公と完全にシンクロし、突入部隊に怒鳴られていた。この「自然さ」は、次へ次へ次は次はとテンポよくパルプを読み進めてもらう上で特にワシも上達を目指しているエキスのひとつで、表現の長短や難易を問わず重要だと思っている。それを人一倍しつこく自問自答しながら書くタチ(グダグダ長ったらしい感想文を書いておいて何を生意気な! みたいなご指摘が聞こえる・・・)なので、本作のスゴイ・ワザマエに震えた。・・・で、シンクロワシは美人といい思いをして寝ていたのに心臓が飛び出すかってくらいオドロキ、事情を知らされぬままイカつい部隊に激詰めされて茫然自失、だんだん怒りとヤケクソに満ち、最後は「エッ? ちょ、」て背筋が冷たくなって800字が終わる。しかもシメで提示される事実がシンクロ状態で読んでるもんだからヤバイ。そしてタイトルをもう一度読む。スゴイ。続きが気にならないわけがない。


以上です。

さて、おしまい・・・だけども、今回の目線とは違うエキスのなかでも特に違うヤバスゴ・エキスが決断的に込められ、(なにこれヤバッ・・・)と感じた作品をイツツだけ(+)プラス紹介して、締めくくりたい。


カミ様少女を殺陣(タテ)祀れ!

出だしは(神社・・・巨乳の神が居候的な?・・・ふむ・・・酒癖が悪い・・・)てな感じで、個人的にそこまでグググとこなかった。しかし、ジジイの一言で全てが変わった。ここまでやるとは。後述する作品よっつもそれぞれ超ユニークなやり方で読者の心を惹きつけるんだけども、本作は完全にバカで残虐だ(めちゃ褒めてます)。ジジイの台詞(OPに関わるふたつ)をモロに喰らってフラフラしているところにジジイの突然死と再生が加わり、ワシは耐えきれずに崩れ落ちた。超ハイテンションのままガンガン話が進んでゆくお色気コメディに、惨死や大真面目な敵の存在が入り混じる。これだけワチャワチャさせると闇鍋になってもおかしくないのに、美味鍋(刺激物)にしてしまうワザマエ。ドタバタになること間違いなしの急展開を迎えて終わるので、このテンションでどう続いていくのか続きが読みたい(特にジジイ)。


サメがいないゴルフ場!!鮫無カントリー倶楽部

繰り返し読んだ回数が一番多かった作品だ。タイトルからしてヤバく、しかもゴルフときた。(ああ来たなコレ・・・ゴルフで四次元殺法とはまた独創的な・・・お望月さんワールドに脳を焼かれないように注意しなきゃ)と身構える。なのに武装キャディ(44)でワシのシールドにヒビが入り、「未知の人類とかは出ます」で盛大にアラートが鳴る。なんだよ「とかは」って。ほかに何がでるんだよ! と。そこからはもうタコ殴りで、犬養滅次郎の決断的行動と鼻息の荒いプレーがヤバく、グレーの粘液が水蒸気をあげるとともにワシの頭からも湯気が出て、隣のコース・太字のセリフ以降はやられるがままにゴロゴロと車輪に巻き込まれてゆく。サメがいるとかいないとか、もうそういうレベルじゃあない。「ブッとんだ話を書いてやろうと試行錯誤して捻り出しました」というより、「スッと、想起した物事を書いてゆくだけでブッとんでいました」みたいに感じさせるヤバさ。一度読んで、ワシの脳は(?)がいくつも浮かんでショートした。理解しようと二度読んだ。三度読んだ。なんとなく意図がわかった。でもまだだ。十回以上読んだ。で、お望月さんの振り返りを読んでやっとすべてが理解できた(気がしている)。


秘境混浴温泉旅館若女将事件簿6

何度読んでも笑ってしまう。インパクトは最強だった。見出しが大変なことになるので大変失礼ながら略させてもらったが、正しくは『秘境混浴温泉旅館若女将事件簿6「結成、若女将アベンジャーズ! 雪に隠した殺意と封印された因習! 涙の真犯人! 拝空温泉存亡の危機をどれかの若女将が救う!』だ。(ふざけてるのか?)と疑ってしまうタイトルで、視界に入るたびに笑ってしまうが、出オチにならず、続きは続きはと読ませる文章はめちゃくちゃ上手い(只者でないのは2発目『シトロエンの孤独』で証明されている)。もう数行読むたびに笑ってしまう。「10人以上の凄腕素人探偵若女将」とかもう何を食べたらそういう一文が捻り出てくるのだろうかと思うし、何をアベンジするのか、言いたいだけなのかとアレコレ想像するだけで何度も笑う。今回ワシは「何か突き抜けた、笑えるものをひとつくらいは」と意識したんだけれども、どうしても自制心が働き、突飛なアイディアも思い浮かばず、なんかこう、天を貫く「なんだこれ」感が出せないまま終わったので、ここまでやれる作者をソンケーする。


横取り

衝撃のダブルパルプだ。「めちゃくちゃキレのあるハードボイルドカリカリパルプがきたぞ!」(実際文章がスゴい)と読み進めていたら、いきなり全く別のパルプワールドに拉致されてワシの脳が爆発した。この場面描写、作者は決断的にぽわわわわわしている。これがスゴイい。もし自分で書いたら下手にかっこつけて中途半端になってしまいそう。このぽわわわわわは、「こういうネタをいきなり入れたら面白いでしょ」みたいなフザけたモノではないと感じる。前半の作風で勝負できるそのスゴウデがそれを証明している。この後、Aパルプコースなのか、Bパルプコースなのか、よくばりABミックスグリルパルプなのか。どういう風に話が転がるのか、気になってヤバイ。先が読めないので、どうか続きを書いてほしい。


匍匐前進処刑人

ご本人のツイートを盗み見たところ昨年は参加を見送ったらしいが、今年は最終日に決断的電撃参戦。1発目の『ホームセンター戦闘員、浅間』もガツンと世間を皮肉ったパルプでチョー面白く文章力もハンパないが、ワシは2発目の本作に衝撃を受けた。もうタイトルからヤバすぎて「これは面白いぞ!」とほぼ確信できる。で、開幕一行目。変態の淡々とした独白に膝が崩れる。(なんだこれは? ヤクでもやってんのか? グググ・・・ッ)と押し殺した笑いが漏れる。その後もツッコミポイントの連続で、主人公の一人称がいちいち謎の義憤とかリアクションをキメまくる。ゴイスーなのは、やはり「どうだ! 面白いだろ! スゴイだろ!」みたいな押し付け感が無く、ひたすらクールに笑かしてくるワザマエ。ハードボイルドばりに真面目で乾いた語り口のくせにシレっと刺してくるユーモアをワシも磨いていきたいと思うし、こういうのにワシは弱いんだ。 



今度こそ、以上です。
(ここも決断的に丁寧語だ。コーフンしてズババっと思うがままに書き、自分なりに一度読み返してはいるのですが・・・もし何かシツレイな表現があったら修正します。ご指摘ください)


※と言いつつ、最後に
昨年は飛び込みエイヤで参加したワシだが、一年間プラクティスし、第二回に参加するからには、大賞を獲ることを狙って書いた。その作品群がコレだ。ワシが審査員の心臓を撃ち抜いてみっつくらい大賞獲ってワシがワシにコロナを山分けする。それくらいの気持ちで書きたいものを書いた。



いただいた支援は、ワシのやる気アップアイテム、アウトプットのためのインプット、他の人へのサポートなどに活用されます。