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ちはるのファーストコンタクト

ファーストコンタクトは相互理解への第一歩。このマガジンでは、私が考えていることの第一歩をできるだけそのままの形で公開していきたいと思います。話題は、アドラー心理学、教える技術、研… もっと読む
毎週月曜と金曜にブログを書いています。それ以外の曜日では、過去記事の切り抜き、質問受け付け、本の紹… もっと詳しく
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#ライフスタイル

【ブログ】早期回想を入り口にしたナラティブ

2024年5月31日(金) エクステンションセンター・アドラー心理学ゼミナールの2回目があった。参加者26人。今回の3コマはライフスタイル。ライフスタイルとは何か→ライフスタイル類型→早期回想と進む。以前は、最優先課題によるライフスタイル4類型が盛り上がった記憶があるけれども、今は、早期回想が面白い。自分の関心が物語やナラティブというところに重心が移っているからかもしれない。 アドラー心理学を研究する人にも、共同体感覚尺度や勇気づけ尺度を開発する人がいる。研究者としてその

【アドラー教科書】(5) 21世紀のアドラー心理学の教科書の構成

2024年5月14日(火) ここまで、アドラー心理学の入門書の構成をいくつか示しながら、その特徴を紹介してきました。それを踏まえて、21世紀のアドラー心理学の教科書を書くとしたら、どんな構成が考えられるでしょうか。以下に私のアイデアを提示してみました。 1) イントロ:よく生きるための科学 第1部:ライフスタイル(自己覚知) 2) ライフスタイルの形成、所属、劣等感 3) ライフスタイル類型、家族布置 4) 早期回想によるライフスタイルの推定 5) ライフスタイ

私たちは相手の性格を知りたいのです。なぜならそれが相手と付き合っていくために役に立つからです。(ライフスタイル論#01)

2017年3月31日 月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。 前回は「自分の関心をコントロールすること」ということで勇気づけの方法について書きました。 今回から、これもアドラー心理学の中心的なアイデアである「ライフスタイル」について書いていきたいと思います。 現代は普通の会話で「性格」「パーソナリティ」「キャラ(キャラクター)」といった単語を使っています。まわりの人をその性格や行動パターンでタイプ分けすることは、昔から行われてきました。おそらく、そうすること

【アドラー教科書】(3) 教科書とコースの構成を考える

2024年4月30日(火) 前回は、「アドラー自身の著作から理論の全体を探る」と題して、アドラーの代表作と言える『生きるために大切なこと』(The Science of Living, 1928, 桜田直美訳, 2016, 方丈社)の構成を見てみました。 そこに登場する重要な概念を次のようにまとめました。 アドラー心理学のキー概念 劣等感 その変形としての劣等コンプレックス その変形としての優等コンプレックス ライフスタイル その類型 それを知るための幼少期

台本ストーリーはどのように書かれているのか(ライフスタイル論#05)

2017年3月27日 月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。 前回は「ライフスタイル論」の4回目として次のことを書きました。  1. 私たちは日々ライフタスクに直面するたびにライフスタイルを参照して、取りうる行動の選択範囲の中から決断して選んでいる。  2. その決断は自然に、そして瞬時になされるため意識されない。しかし長い目で見ると、それは自分が作り上げた自己理想に沿うようにされている。 さて、ライフスタイルとして書かれている台本ストーリーはどのように書か

【アドラー教科書】(2) アドラー自身の著作から理論の全体を探る

2024年4月23日(火) 前回は、「アドラー心理学の本の構成からその特徴を知る」と題して、アドラー心理学の入門書の構成をいくつか示しながら、その特徴を捉えようとしました。

日々のライフタスクでの決断の選択肢は自己理想に沿うように決める(ライフスタイル論#04)

2017年3月13日 (月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 前回は「ライフスタイル論」の3回目として次のことを書きました。  1. 自分の行動を決めるときに(無意識に)参照するライフスタイル辞書は、ストーリーによって記述されている。  2. そのストーリーには「自分がこのように行動すればうまくいくだろう」という目標が書かれていて、そのストーリーを実現したいと思っている(目的論)。 私たちは日々生きていく中で、多少なりとも決断しなくてはならないような課題に直

【アドラー教科書】(1) アドラー心理学の本の構成からその特徴を知る

2024年4月16日(火) アドラー心理学の教科書を書いていくときに解決しなければならない課題はその本の構成をどうするかということです。具体的には章立てをどうするかということです。章立てには、そのテーマ、つまりアドラー心理学の体系や理論を、どのように見ているか、そしてそれをどのように表現するかということが直接的に現れるからです。 そこで、今回はこれまでに出版されたアドラー心理学の入門書がどのような章立てになっていたかということを見ていきたいと思います。

ライフスタイルは物語=ストーリーとして頭の中に書かれている(ライフスタイル論#03)

2017年3月6日 (月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 前回は「ライフスタイル論」の2回目として次のことを書きました。  1. ライフスタイルとは私たちの動き方(Movement)である。それは、(a)対人関係の作り方についての方略、(b)自己・他者・世界についてのスキーマ、(c)自分で作り出した自己理想の追求の仕方、を参照しながら決めていく。  2. それが書かれたものを「ライフスタイル辞書」と呼ぶとすれば、私たちはその辞書を意識することなく参照して日

自分のライフスタイル辞書によって感じ方、考え方、行動の仕方を決めている。(ライフスタイル論#02)

2017年2月27日 (月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 前回は「ライフスタイル論」の1回目として次のことを書きました。  1. 性格やパーソナリティを捉える方法には、類型論と特性論がある。  2. 類型論の例として「ユングのタイプ論」、特性論の例として「ビッグ・ファイブ」が挙げられる。 こうした特性論的な性格の捉え方は現代心理学が取っている立場ですが、アドラーのライフスタイル論はこれとは一線を画しています。アドラーが考えたライフスタイルとは「その個人に

私たちは相手の性格を知りたいのです。なぜならそれが相手と付き合っていくために役に立つからです。(ライフスタイル論#01)

2017年2月6日 (月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています) 前回は「自分の関心をコントロールすること」ということで勇気づけの方法について書きました。 今回から、これもアドラー心理学の中心的なアイデアである「ライフスタイル」について書いていきたいと思います。 現代は普通の会話で「性格」「パーソナリティ」「キャラ(キャラクター)」といった単語を使っています。まわりの人をその性格や行動パターンでタイプ分けすることは、昔から行われてきました。おそらく、そうすること

【質問】最優先目標とライフスタイルの違い/退職されたあとのゼミはどうなる

2022年12月1日(木) 質問は「マシュマロ」からお送りください。匿名で送ることができます。 質問1『最優先目標』と『ライフスタイル』の違い、相関関係について教えていただきたいです。以前私は、性格=ライフスタイル=最優先目標だと捉えていましたが、最近はライフスタイル≠最優先目標と考えるようになりました。最優先目標までのプロセスや手段が下手(競合的)だった人が経験を経て上手に使いこなせるようになることはあっても、最優先目標自体は生涯変わらないと考えて良いですか?

バケットリストにはその人のライフスタイルが現れそう

2021年9月14日(火) バケットリストというのは、死ぬまでにやりたいことをリストに書き出したものです。英語の言い回しに「kick the bucket」というのがあって、これが「死ぬ」という意味であることが由来だそうです。 さらに、なぜ「バケツを蹴る」が「死ぬ」という意味になるのかということについては、もう少し由来があって、次の記事を読むと理解できます。 バケツを蹴るとなぜ死ぬのか(旭川工業高等専門学校教授 十河克彰) さて、もうすぐ年金をもらえる歳になる私も、そ

[m197] ライフスタイルの形成は隠された生涯教育である

2021年6月7日(月) ハローマンデー! 向後です。 6月26, 27日(土・日)に開催予定の放送大学沖縄学習センターでの面接授業は、Zoom開催に変更されました。テーマは「アドラー心理学の理論と実践」です。沖縄に行くことを楽しみにしていたので、残念ではありますけれども、コロナの状況では仕方ないですね。 そう考えると、4月に高知学習センターの面接授業がギリギリ開催できたのはラッキーでした。 高知といえば、先週の土・日に、高知アドラー心理学研究会が主催となって、アドラ