見えていなかったことが見えるようになってきた
「どーもー。またよろしくねぇー」
2階にあるぼくの部屋の窓から聞き覚えのある声が聞こえる。窓から駐車場を挟んで隣のアパートの1階が見える。
ベランダに出て手を振るおばちゃん。送迎を終えた介護職員に向かって挨拶している。
ぼくがおばちゃんの声に聞き覚えがあるのは、ぼくが勤めているデイサービスにもきているから。要するに2箇所の介護施設に通っている利用者さんだということ。
ぼくの家の向かいに、生活道路を挟んで10階立てのマンションがある。
朝8時半、勤め先のデイサービスに出勤する