介護エッセイお笑い芸人経験者@寿(ことぶき)

デイサービスの介護職員として働く元よしもとの芸人経験者。介護・介護現場で起こる出来事を…

介護エッセイお笑い芸人経験者@寿(ことぶき)

デイサービスの介護職員として働く元よしもとの芸人経験者。介護・介護現場で起こる出来事をもとに、介護の気づき・介護の楽しさを伝えるエッセイを描いています。40代・母70代、実家暮らしの中、母の介護を見据えて介護職へ転職。前職はWebエンジニア

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介護のキャッチコピー公募で賞をもらってぼくはちょっとだけ覚悟を固めた

これをミッションに掲げています。作品とはこのnoteに書いているエッセイだったりコラムだったり。はたまたキャッチコピーや作文だったりします。 全国老人福祉施設協議会・第14回 介護作文・フォトコンテスト「キャッチフレーズ部門・最優秀賞」 を受賞しましたこのキャッチコピーは、ぼくがデイサービスで高齢者介護をする中で生まれたキャッチコピーです。 ぼくは必死に利用者さんの名前を覚えて。 利用者さんはぼくの名前を少しの間だけしか覚えていない。 何度も自己紹介をするうちに、心の中

    • 介護職員のスイッチ

      今、どっちだと思う? そう、完全にOFF。 ぼくはわかりやすーくテンションのスイッチがあるタイプ。 今は白目をむいて口をカポーンと開けて、観葉植物のようにただそこに佇んで呼吸しているだけ。なーんにも考えてない。いわゆる省エネモード。パソコンの前に座っていただけ。 そういえば芸人も、わかりやすくスイッチがある人がいたなぁ。舞台袖では一言も喋らないのに、出囃子が始まって舞台に出て行った瞬間に「はいどーもー!」って馬鹿でかい声で出ていく芸人。テンションを内に秘めるタイプの芸人

      • かまいたち

        「かまいたち」っていると思う? 違う!芸人のかまいたちじゃなくて、妖怪のかまいたち。 芸人のかまいたちが居ない世界線も気になるけども。最近、世界線って言っておけばいいみたいな風潮、どう思う? これね。イメージが湧かないなら「かまいたち 妖怪」で画像検索してくれ。いっちゃん怖い絵のやつね。 ぼくね、こないだ「かまいたち」に切り付けられたんよ。っていうか、今まで、かなり切り付けられていたみたい。 血ぃでないし傷もないし、かまいたち自体見えないもんだから、わからなかったんだけ

        • 無題

          やっぱり、ペンを持つってことは恐ろしいことだ。 身の回りのことを書いている以上、批判めいたことも出てくるし。そりゃぁ自分の意見を正当化しようとすると、相反するものごとを否定して意見の先端を尖らせることだって出てくるでしょ。 やっぱりだめか。いついかなる時でも批判してはダメ、否定してはダメか。そんな綺麗な文章がぼくに書けるのだろうか。 ただひとつだけ言えることは。自分の吐いた言葉がすべて自分に返ってくる。お前はそれに耐えれるのかってことだけだよ。 今書いているこのエッセイ

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        • 介護を一緒に考えよう
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        記事

          見えていなかったことが見えるようになってきた

          「どーもー。またよろしくねぇー」 2階にあるぼくの部屋の窓から聞き覚えのある声が聞こえる。窓から駐車場を挟んで隣のアパートの1階が見える。 ベランダに出て手を振るおばちゃん。送迎を終えた介護職員に向かって挨拶している。 ぼくがおばちゃんの声に聞き覚えがあるのは、ぼくが勤めているデイサービスにもきているから。要するに2箇所の介護施設に通っている利用者さんだということ。 ぼくの家の向かいに、生活道路を挟んで10階立てのマンションがある。 朝8時半、勤め先のデイサービスに出勤する

          見えていなかったことが見えるようになってきた

          介護にはキャッチコピーが必要

          再熱してきた。 キャッチコピーの熱が沸き起こってきた。 好きなコピーは挙げ出したらキリがない。 コピーには、常識をひっくり返す醍醐味がある。アイデアがありその人の思想がある。 たった10文字程度の言葉だが、価値観を見事にひっくり返してくれる。 ぼくは芸人だったから、どうしても大喜利的な写真でひと言的な見方をしてしまうのだが、もとを辿れば思考過程の本質や源流は一緒だと思っている。 悲しみを笑いに変える発想も、すでに世の中にあるものの価値観をひっくり返すことも同じこと。

          情けない。そして暖かい。

          下水道の工事があった。 母親からLINEで写真が送られてきた。 ぼくは用事が重なってしまい、工事に立ち会うことができなかった。 ありがとう。 工事の内容、わかったよ。 わかったけれど、これは業者の施工事例並みですね。 素材として業者に渡してあげたら喜ぶと思うよ。 天気もいいし構図も悪くない。スマホでの撮影だけど画質的には問題ない。 これを息子に送ってどうする? 工事前と工事後だけの写真でいいよ。 そんな冷たい受け答えはしないのだけれど、 「おお!こんなに深くま

          ぼくらはいつも岐路に立たされている。

          騙し合いは2回まで。 案内した先は風呂場。風呂場を見た瞬間、その方の表情は曇る。そして後退りして踵を返そうとしたとき、ぼくは声をかける。 「お風呂用意したので、まず座ってもらえませんか」 「風呂はいい、お家で毎日入っている」 「まぁ、いったん座ってから考えませんか。無理に入れとは言わないので」 渋々その方は風呂場の席に座る。 申し訳ないとは思いつつも、風呂場に来る前に「風呂行きましょう」と声をかけてしまうと、その時点で拒否されてしまう。席を立ってもらうことすら難し

          ぼくらはいつも岐路に立たされている。

          コスト?生産性?介護ってなに?

          結局何のために風呂を30分で終わらせなくちゃいけないのか。 コスト?生産性? いやいや、ケアの時間を増やして満足度を持ち帰ってもらうため。それは、散歩に出て下肢筋力を維持して日常生活に支障がないようにするためだったり、食器拭きやおやつ作りをして、家事や日常動作をいつまでもできるようにサポートすること。 レクリエーションで心と体を動かし、いつまでも清らかな精神を保つこと。 でも、いつしか目的がねじ曲がって「午前中に何人回せるか」などの、よくわからない競争をさせられる。して

          気付きを築く

          知識の幅を広げることは、気づきの多さにつながる。 今日は実務者研修の日でした。4月から週一回通っていた実務者研修の講座も、残すところあと1日。 短い時間だったけれど、一緒のクラスになった人とは何かしら縁があったのかな。 介護という仕事を選んでいる時点ですでに同志であり兄弟のような感覚もあるのだが。現場で苦しい場面を経験している者同士、会話の理解もキャッチボールのテンポも早い。 2年前、初任者研修の講座に通っていたとき。まさか自分がここまで介護の仕事にのめり込むなんて思って

          noteさんから褒められて思い上がるぼく

          書いておきたいことはどんどん溜まっていく。 それが書きたいことなのか、書いて伝えたいことなのかわからないけれど、ふっと頭に浮かんだことを取り逃したくないのだ。 ぼくの頭の中、ぼくの言葉を万引きしていく時の流れ。時の流れの首根っこをひっ捕まえて今、noteに閉じ込めて問いただしている。 しかしながら、noteを毎日書いている。150日を超えたらしい。 「今日投稿すれば153日連続!すごすぎる…」 と表示されていたが、毎日400文字程度と決めている。つまり、原稿用紙1枚分

          noteさんから褒められて思い上がるぼく

          机の上に猫を放とうかどうか

          机の左側には常にスマートフォン。YouTubeを再生している。流れてくる音声。耳に残った音、気になった言葉が聞こえてくれば画面を覗き込む。 パソコンのディスプレイに向かって文字を書いたり文章を読んだり。ディスプレイの縁にはポストイットがいくつも貼られていて、それはもう、ひと言のメモではなくなっている。 右側には読みかけのエッセイが積んである。どの本も中途半端に読み散らかされ、本の頭から紙のしおりと付箋が禿げた芝生のように飛び出している。 スマートフォンからは音楽が流れ、

          セトリ

          Amazonでギターの弦を買った。 久々にギターの弦を張り替えた。 ギターは毎日弾いている。上手くなりたいというよりも、今よりも下手になりたくないために弾いている。結果、ちょっとずつ上手くはなっている。 ギターを始めたのは30歳のとき、同期の芸人がギターの弾けるやつで、酒を飲みながら弾き語りしている姿が楽しそうだったからぼくも真似してみたくなった。 1万円の安ギターを買いジャーンと弾いてみるも、案の定、FとBmにつまづいてギターは置物になってしまう。 帰郷したときは捨てず

          希望はクレームになった

          クレームを受けたことがある。 「お前のところ職員が俺に生意気な口を叩きやがった。」 そう、施設にお怒りの電話が本人から入った。 その職員はぼくだ。 敷地の外に勝手に出て行ってしまったり事務所に入ってきて従業員に絡んだり、他の利用者さんの悪態をつくなど問題行動が目立つ方だった。 認知症があるわけではない。むしろ頭の切れる聡明な方。記憶力も判断力もコミュニケーション能力も高い。聞けば昔は大手企業に勤めていたらしく部下を何十人も従え教育係を兼任していたとのことだった。ゆえに人

          仕事をしないことが仕事

          ぼくが今勤めている施設は地域密着型通所介護、定員18人以下のデイサービスだ。 お風呂が2つ、トイレが三箇所、大きめの3LDKといったところか。キッチンは一般家庭と一緒だし、風呂もリフトが付いていることだけが違うだけで一般家庭の浴室とほぼ同じ。洗濯機、冷蔵庫、テレビなんかも一般的な家電製品だ。その実家のようなアットホーム感が、地域密着型のいいところと言える。 介護施設に行くというより、知り合いの家に遊びにいくような、娘・息子の家にお呼ばれするような感覚、近所の喫茶店に寄ってい

          漫画にして分かりやすく伝わりやすくされていることが、 投稿主の方の想いが伝わってきます。 https://note.com/shu_kaigosha/n/n713c67ca6a55

          漫画にして分かりやすく伝わりやすくされていることが、 投稿主の方の想いが伝わってきます。 https://note.com/shu_kaigosha/n/n713c67ca6a55