幸運の笛吹き

北海道出身。3大趣味は「読書」「旅」「レトロゲーム」 大学時代読んだ本は400冊以上(…

幸運の笛吹き

北海道出身。3大趣味は「読書」「旅」「レトロゲーム」 大学時代読んだ本は400冊以上(哲学・思想→西洋文学→日本文学の順) 現在はまちづくり関連の本を読んでいます。 ひとり旅も好きで、JR北海道全線完乗(2016年時点の路線) 主要ゲーム機 「PS2」「ドリームキャスト」

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【挫折した大作に再挑戦】プルースト『失われた時を求めて』の読み方

1.完読が難しい理由文学好きであれば誰もが一度は完読を夢見る『失われた時を求めて』。しかし完読はかなりハードルが高い。まずはその理由を説明しよう。 (1)物語の時系列が複雑だから (2)比喩表現が多彩かつ複雑だから (3)登場人物が多すぎるから (4)知らない言葉がたくさんあるから 2.完読するためにできること(1)入門書を読む (2)引用文献、参考資料を読み込む (3)第1部 コンブレーを精読する 3.読もうと思ったきっかけ 大学時代、図書館で見つけた

    • 【自由詩】灰色の世界

      「灰色の世界」 かつて過ごしたふるさとが 急に恋しくなったから ぼくは帰ることにした 幼き日々の 思い出求めて けどそこにあったのは 変わり果てた ふるさとだった 蝶を追い 走り回った 野ばらには 一輪の花も 咲いていなかった そこには代わりに 高速道路が 走っていた かえると親しみ 苗を植え 収穫が 待ち遠しくて 待ち遠しくて しかたなかった 広い田んぼは とても大きな 駐車場だった ちがう ここはぼくの ふるさとではない そうだ 学校へ行こう あそこなら きっ

      • 【連載】第4次本州紀行~苫小牧→仙台→上野→大洗→苫小牧~ 第4話「冷淡」 ※ホテル禁止

        (2)仙台駅~上野駅「冷淡」 こまち号に乗車し、上野を目指す。 車窓は期待できないが、一応窓の外を眺めて終点まで過ごすことにした。と、いうものの、ここで睡魔に襲われ、夢現を反復横とびすることになってしまったが…。 桜が綺麗に咲いている。北海道ではまだ咲いていないので、一足早く桜を見させていただこう。春は南から訪れる。北の大地の春は、いつもひと足遅い。だが、JR北海道の社歌にもある通り、 「春待つ心を 大切にして  生きてる命の暖かさ」 の精神で行こう。といいつつ、私は「花よ

        • 【連載】第4次本州紀行~苫小牧→仙台→上野→大洗→苫小牧~ 第3話「行列」(本州上陸編) ※ホテル禁止

          3.本州上陸編(1)仙台港~仙台駅「行列」 朝食を済ませ、出発準備を整える。定刻通り仙台港に着岸。例によって出口が混むため、しばらく待ってから降りる。 バス停へ向かうと、行列になっていた。 しまった。バスに並ぶために早く降りたのか…。てっきり殆どクルマだと思っていたのに、誤算だった。 仙台観光をするだけならバスなど待たず、中野栄駅まで歩けばいいだけの話だが、今回は大洗を目指し、フェリーで帰還しなければならない。つまり、このバスは避けて通れない。かといってタクシーもいない。他

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        【挫折した大作に再挑戦】プルースト『失われた時を求めて』の読み方

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          【連載】第4次本州紀行~苫小牧→仙台→上野→大洗→苫小牧~ 第2話「優雅」(洋上編) ※ホテル禁止

          2.洋上編~「きそ」にて~「優雅」汽笛が鳴り、出航。南からやってきた船が東港方面へ向かっていく。おそらく、敦賀を出港した船であろう。西港と東港は人工的に区切られており、乗り入れ路線も雰囲気も全く違う。不思議なものだ。 街を出ると濃霧が発生し、何も見えない漆黒の闇をただひたすら進んでいく。風も強く、寒い。 本来、夜とはこうあるべきなのかもしれない。灯りがなかった時代、夜とは何も見えない闇の世界で、人々はそれに畏敬の念を抱いていたはずだ。何もできず、どこへも行けないから、おとなし

          【連載】第4次本州紀行~苫小牧→仙台→上野→大洗→苫小牧~ 第2話「優雅」(洋上編) ※ホテル禁止

          【読書記録/書籍紹介】『都市と地方をかきまぜる』(光文社新書) 著

          高橋 博之『都市と地方をかきまぜる』を読みました。 著者は岩手県花巻市のNPO法人・東北開墾の理事を務めています。 現代の食は生産者と消費者が切り離されているせいで、お互いの顔・状況が見えないことを問題視しています。そのつながりを取り戻すためにできることは何だろうか、ということを本書で考察し、提案しています。 ・都市か地方か、の2択ではなく、両者の価値をパラレルに享受する方法 ・都市と地方の関係人口を増やすことで、コミュニティを作っていく ことなどが書かれています。 まち

          【読書記録/書籍紹介】『都市と地方をかきまぜる』(光文社新書) 著

          【読書記録/書籍紹介】『四季の自然科学』(岩波新書) 尾池和夫著

          0.はじめに尾池和夫『四季の自然科学』を読みました。 著者は地震学を専攻し、2008年より日本ジオパーク委員会の委員長を務めています。他の著作には『日本列島の巨大地震』『変動帯の文化』などがあります。 【本書の構成】 第一章 太陽と地球と月と 第二章 地震と噴火の日本列島 第三章 森と里と海の国 第四章 日本海と日本列島 終章 ジオパークの愉しみ 参考文献 ※途中コラムとして日本のジオパークが紹介されています。 1.一口感想「大地の公園」である「ジオパーク」では景観を楽

          【読書記録/書籍紹介】『四季の自然科学』(岩波新書) 尾池和夫著

          【書評】『下流同盟-格差社会とファスト風土』三浦展 編著

          三浦展『下流同盟』(朝日新書)を読みました。著者は消費社会研究家で、ほかの著作に『吉祥寺スタイル』『難民世代』などがあります。アメリカのウォルマートや日本の大型ショッピングセンターを例に、人々の暮らしや社会について論じています。アメリカの話題が多めなので、ジェイン・ジェイコブズの『アメリカ大都市の死と生』に通じる所も感じます。 ウォルマートが地元の産業を破壊し、しかも従業員を搾取している事実、そうした巨大資本の魔の手が日本に迫っている危機感、大量の商品がうず高く積まれた店舗

          【書評】『下流同盟-格差社会とファスト風土』三浦展 編著

          【読書記録/書籍紹介】『東京に暮す』(岩波文庫) キャサリン・サンソム 著

          キャサリン・サンソム『東京に暮す』を読みました。著者は外交官の妻で、夫の赴任に伴い、昭和初期、東京にやってきます。金融恐慌や世界恐慌で日本の経済が大混乱に陥っていた時代で、その時の見聞録となっています。当時の日本人の生活の知恵などが観察・記録されており、挿絵も多数あります。 ベネディクトの『菊と刀』とはまた違いますが、日本の風俗・生活習慣を知るのに良い本だと思いました。 興味のある方は一度手にとって読んでみてください。 紹介は以上となります。 ご精読ありがとうございました。

          【読書記録/書籍紹介】『東京に暮す』(岩波文庫) キャサリン・サンソム 著

          【自由詩】三月

          「三月」 雪が解け 曙光が眩く 差してきた 春だ 三月が来た 面倒な除雪も 凍える朝も ようやく終わりだ 希望が花開く 春の始まりだ そう あの頃までは ワクワクしたものだ 新しい教科書を手に 次の学期を待つのは そこでは何があるのか 誰と出会うのか 楽しみで仕方なかった 「情熱」が確かに そこにあった だが今は違う 退屈で 無為な日々が ただ 続くばかりだ 過去を捨てろと 言われても 思い出すのは あの時ばかり 消そうとしたとて 消えはしない それが思い出だ それ

          【自由詩】三月

          【ゲームソフト紹介】『もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング』

          今回紹介するゲームソフトは『もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング』です。2005年、ニンテンドー DSで発売されました。 前作『脳を鍛える大人のDSトレーニング』から変更点があります。 漢字の書き取りや鍵盤の演奏に加え、落ちものパズル「細菌撲滅」が追加。 タッチペンやマイクなど、DSの性能を生かした作品で、普段あまりゲームをやらないライト層の支持も獲得。しかも非常に廉価だったこともあり、ヒット作となりました。 筆者のお気に入りは「計算問題」です。空欄に+-×÷のどれかを入

          【ゲームソフト紹介】『もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング』

          【読書記録/書籍紹介】『40歳からの肉体改造』(ちくま新書)

          有吉 与志恵 著『40歳からの肉体改造;頑張らないトレーニング』(ちくま新書)を読みました。 医療の進歩で寿命は延びた人類ですが、文明に依存して生活するようになったせいで本来持っていた能力が失われ、それを使わなくなったせいでかえって健康が害される事態も起きています。それを恐れてか昨今は健康ブームというか、健康情報も盛んに喧伝されますが、果たして何を信用すればよいのか、迷うこともあるでしょう。 本書は40歳から無理のないトレーニングをすることで身体を鍛え、健康を維持する方法を

          【読書記録/書籍紹介】『40歳からの肉体改造』(ちくま新書)

          【JRイベント】ヘルシーウォーキング 北広島編

          JR北海道のウォーキングイベント「ヘルシーウォーキング」に参加してきました。今回は北広島駅のショートコースです。 【コース紹介】 駅東口方面から道道46号江別恵庭線を横切り、住宅地を歩きます。住民のみなさんが花の手入れをしていました。良いことなんですが、車に乗っている人ばかりだと、花をじっくり味わう人も少ないのが悲しいところ。歩きか自転車で花を楽しむくらいの余裕は持ちたいですね。 住宅地をしばらく歩くと開拓記念公園があります。スタートから間もないので休憩は不要かと思います

          【JRイベント】ヘルシーウォーキング 北広島編

          【読書記録/書籍紹介】『飯館村は負けない』(岩波新書) 千葉悦子 松野光伸 著

          千葉悦子 松野光伸 著『飯館村は負けない』を読みました。 東日本大震災に伴う原発事故による放射能汚染で被害を受けた福島県飯舘村。そこには苦しみながらも村を復興させようと奮闘する人たちがいました。 本書はそんな人たちの取り組みや生活について書かれた本です。 巨大なエネルギー産業によって大きな利便性を享受している私たちですが、一度事故が起きると取り返しのつかない被害を受けることになる。しかも、そのエネルギーを生み出す迷惑施設は特定の地域に押し付けている…という構造が続いています

          【読書記録/書籍紹介】『飯館村は負けない』(岩波新書) 千葉悦子 松野光伸 著

          【読書記録/書籍紹介】『東北発の震災論』(ちくま新書) 山下祐介著

          山下祐介『東北発の震災論―周辺から広域システムを考える 』を読みました。 著者は都市社会学や地域社会学を専攻しています。他の著書に『地域学入門』『「都市の正義」が地方を壊す』『限界集落の真実 過疎の村は消えるか?』などがあります。 本書では社会インフラを支えるシステムが巨大化しすぎたせいで、一度不具合が生じると甚大な被害が出てしまう、現代のシステムの欠陥について指摘しています。しかもその責任の所在が明確ではなく、問題がうやむやにされてしまうことの問題点も合わせて考察していま

          【読書記録/書籍紹介】『東北発の震災論』(ちくま新書) 山下祐介著

          【読書記録/書籍紹介】『川釣り』(岩波文庫) 井伏鱒二 著

          井伏鱒二『川釣り』を読みました。 釣りに関する随筆や短編小説を集めた一冊。 著者は『山椒魚』や『黒い雨』で有名。 川や魚に興味がある方は読んでみてください。

          【読書記録/書籍紹介】『川釣り』(岩波文庫) 井伏鱒二 著