営業のK

此処では創作ホラーや長編ホラー、そしてジャンルに縛られる事なく好きなものを書いていきた…

営業のK

此処では創作ホラーや長編ホラー、そしてジャンルに縛られる事なく好きなものを書いていきたいと思います。 たとえ需要が無くても・・・・。 だから、有料でお読み頂く事は全く考えておりません。 全て無料で・・・・。 あしからず・・・・。

最近の記事

お墓から聞こえる・・・。

知り合いの霊能者であるAさんから以前こう言われた事がある。 亡くなられた方がお墓の中でじっと動かないなんてある筈ないでしょ・・・と。 確かにそうなのかもしれない。 魂だけになりある意味自由になった故人が愛する家族や友人に会う為にお墓の中に鎮座してひたすら待っているなどとは考えにくい。 ではお墓参りは時間の無駄なのか? それは否だと思っている。 お墓は大切な人を亡くした方にとって心の拠り所であり支えになっている場合もある。 いつでもお墓に行けば亡くなった人を感じられる・・・。

    • 新世界

      夫婦と2人の娘、そして義母の5人暮らしで暮らしている星野さんの家に異変が起こり始めたのは昨年の夏。 ちょうど、それまで同居していた義父が亡くなりつつがなく葬式を執り行い先祖代々のお墓に納骨して10日程経った頃だった。 昼間、午後2時~3時頃の間に家の中からクラッシック音楽が聴こえてきた。 最初は外から聴こえてくるのだと思っていたがそれにしては音量が大きい。 だから試しに外へ出て聴こえるかどうかを確認してみたところ、家の外ではクラシックどころか音楽など全く聴こえなかった。 それ

      • エレベーターの隣の部屋

        俺も大学時代には旅行の添乗員のバイトをやっていた時期がある。 今ではツアーコンダクターとも呼ばれるのかもしれないが・・・。 友人からの紹介でバイトをやり始めたがその頃の旅行社が企画するツアーというのはホントに豪華で添乗員の俺もそのご相伴に預かったものだ。 そもそもバイト代はそれほど高額でもなかったがお土産屋に立ち寄れば帰りにこっそり謝礼という名の袖の下を渡してくれたし参加客に親切にしただけでチップのつもりなのかお小遣いと呼べない程の高額なお礼を手渡してくれた。 その中でも宿泊

        • 生き返る日

          人は死ぬとどうなるのか? これは永遠のテーマでもある。 何しろ死んでから再びその姿でこの世に戻って来た者など1人もいないのだから。 よく臨死体験をした者があの世を見て再びこの世に戻って来たという話を聞くがその方は本当に一度死んだのだろうか? 死にかけただけで死んではいないのだとしたらあの世など見て来られる筈がない。 いや、そもそもあの世というもの自体が存在している保障など無いのだから。 つまり情報が何も無いという事は死んだらどうなのか?は誰にも分からない。 そして人というのは

        お墓から聞こえる・・・。

          回転寿司

          津坂さんは30代の独身女性。 WEBデザイナーとして仕事に追われる彼女は彼氏もおらず結婚する気も無い。 取り立てて趣味と呼べる事もしておらず休みの日は基本的に自宅マンションで映画を観ながらのんびり過ごすだけ。 そんな彼女の唯一の楽しみがお寿司屋さん巡りなのだそうだ。 ただやはりそれ程の高給取りでもない彼女にとって寿司といえば回転寿司になってしまうまは仕方のないところだろう。 彼女は大手チェーン店の回転寿司も好きなのだが一番好きなのは自分でネットで検索し新たに回転寿司店を開拓す

          回転寿司

          ハムスター

          ハムスターには霊感や霊的な能力は無いと思いますよ! これは俺の知り合いの霊能者Aさんから何度も聞いた事がある言葉。 確かに犬や猫、狐や狸に纏わる霊的な話や怪異譚はよく耳にするがハムスターに関するそれは一度も聞いた事が無いしハムスターの幽霊も視た事が無い。 ハムスターの寿命は約2年間ほど・・・。 それに対して猫や犬は何も無ければ10年以上は生きる。 そしてキツネや猫は長生きすればするほど妖怪化すると思っている。 という事はあまりにも寿命が短すぎるのが要因なのかもしれないが。 そ

          ハムスター

          ロンダリング

          フリーターをしている佐戸さんは決まったバイトには就かずその時その時で一番割の良いバイトをするようにしていた。 その方が思いもよらず高収入なバイトに出くわすチャンスがあったから。 確かにそれまで彼女がやって来た治験や葬儀関係のバイトは他のバイトに比べて格段に時給が高かった。 しかし、やはり物事には程度というものが存在する。 だが知り合いを通じて打診してきたそのバイトの報酬に目が眩んで彼女はそのバイトを引き受けてしまった。 バイトの内容はルームロンダリング。 借り手がつかない瑕疵

          ロンダリング

          第11章 首くっくりの山へ・・・。

          あの女性が来てからというもの恐怖も怪異も何も起こらなくなった。 あの時渡された包みの中にはビリヤード球くらいの水晶とA5サイズの護符らしき和紙が入っていた。 きっとその力が凄いという事なのだろう。 お陰で心安らかに山での時間を過ごし無事に下山する事が出来た。 この状態が続いているうちにすぐに動き出さなければ! 最初に向かうべき神社は既に迫田が調べ上げていた。 俺は体力を温存する為にバスではなくタクシーでその神社の近くへとやって来た。 そして丑三つ時になるまでは近くの食堂で晩飯

          第11章 首くっくりの山へ・・・。

          第13章 援軍・・・。

          ホントニ・・・セワガヤケマスネ・・・。 そんな声が聞こえた瞬間、俺の身体は静かにゆっくりと降下していくのを感じた。 身体が地面に着いた時、俺は初めて眼を開けた。 そして俺の足元に立っている少女がいる事に気が付いた。 顔を見た俺は思わず悲鳴を上げそうになる。 あの少女が俺の足元に立っている! 最初は確かにそう思った。 顔も髪型も全て同じだった。 しかしどうも少し違う・・・。 着ている物がまるっきり違ったのだ。 アレが古めかしい着物を着ているのに対してその少女が着ているの

          第13章 援軍・・・。

          第12章 決戦へ・・・。

          短いホームの端には木製の階段がありそれを慎重に降りた。 ほんの10段にも満たない階段だと思って降りているといつまで経っても階段が終わらない。 どうやら階段はどんどん増殖を続けており一体どこまで続いているのかすら分からなくなる。 何が目的かは分からないがはっきり言って趣味が悪すぎる・・・。 だがそれ以外にルートも無く俺は仕方なくその階段を降り続けなければいけなかった。 階段の横の壁は最初は古い木の壁だった。 しかし下りていくにしたがって木の板は岩肌に変わりまるで洞窟の中を下

          第12章 決戦へ・・・。

          第10章 孤独な闘い・・・。

          憎しみは何も生み出さない・・・。 恐怖は全てを台無しにする・・・。 命と魂は肉体を凌駕する・・・。 あの男の子から教えられた事だ。 これからはそれを絶対に忘れずに決戦に臨む。 だからといってこのままの俺のままで闘うわけにはいかなかった。 俺には霊能力も無ければ体力や技術でも誇れる部分など何も無い。 それでも仇討ちとして一矢くらいは報いてやりたい。 だからこそ己の精神力を鍛えなければいけないと感じた。 どんな恐怖にも負けない自然体の精神を維持し続けられるように・・・。

          第10章 孤独な闘い・・・。

          第9章 逃避・・・。

          気が付いたらネットカフェで壁を見つめていた。 やはり金沢のスナックであの女性が言った言葉は本当だった。 真剣に戦えると思い込んでいた自分が情けなくて滑稽だった。 そもそも最初から相手になどされていなかった。 あの女の子・・・いやアレは完全に俺を退屈しのぎ程度にしか捉えていない。 あの時、俺だけが風に飛ばされず視界も確保出来ていたのはその場で起こる惨状を俺に見せつけその反応を楽しみたかっただけなのだろう。 俺を恐怖させ絶望させ死ぬまでの滑稽な俺の姿を見て楽しみたいだけだ。 どう

          第9章 逃避・・・。

          第8章 仲間・・・。

          すぐにでも滋賀県の琵琶湖へ向かいたかった。 しかし俺一人では間違いなく何も出来ずに無駄死にするしかない。 俺は急いで最強の霊能者を探す事にした。 高名な霊能者は避けた。 そういう場合は殆どががっかりする結果になると思えたから。 可能ならば実力最優先で5人以上が望ましい。 そうなると自分の足で探すしかない。 俺は人伝に何か情報が無いかと探し始めた。 情報は少なかったから僅かな伝手を広げていくしかなかった。 すると向こうからコンタクトを取りに来てくれたグループがあった。 自分

          第8章 仲間・・・。

          第7章 金沢へ・・・。

          店の外へ出た俺はそのまま東京駅へと向かい朝が来るのを待った。 北陸新幹線の始発に乗り金沢を目指すのだ。 思っていたよりも混んでいたが2時間半ほどで無事に金沢駅へ到着する。 かなり昔に訪れた事のある金沢駅とは見違えるほどきれいに広くなっていた。 観光地化されており朝だというのに観光客で溢れている。 思わず近くのベンチに腰を下ろしまじまじと周囲を見回した。 それにしても不思議な街だ。 新しい建物ばかりなのになにか古い時代の空気感がいまだに残されている。 妖怪でもいまだに出るのでは

          第7章 金沢へ・・・。

          第6章 模索・・・。

          該当する山が見つけられなかった俺は古い文献を片っ端から調べてみる事にした。 しかしどれだけ調べても首くっくりという文字は見つけられなかった。 ただ1件だけ気になる文献があった。 どうやら石川県の金沢に首くくりの坂という場所があるのだという。 すぐにその地に出かけようと思った俺の脳裏にふと「首くくりの町」という書籍の事が思い浮かんだ。 この夜行列車という作家はどうして「首くくり」という文言を書籍に使用したのだろうか? もしかしたら何か手掛かりが得られるかもしれない・・・。

          第6章 模索・・・。

          第5章 手掛かり・・・。

          妻と娘の遺体に小刀に刻まれた文字と同じものが彫られていたからと言って俺の知識だけでは動きようも無かった。 だから誰かに協力してもらう必要があった。 そう思った時、真っ先に思い浮かんだのは伊武という刑事だった。 あまり心象は良くないが間違いなく何かを知っている・・・。 俺は早速、伊武へのコンタクトを試みる。 警察署に何度も電話をかけたが取り次いでさえもらえなかった。 だから俺は伊武という刑事あてに手紙を送った。 自分が体験した事、そして妻と娘を失った事、そしてこれから俺がど

          第5章 手掛かり・・・。