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「自分はもう年だから」と言い訳していると、高齢になって本当に何もできない自分になってしまう

介護を受けることに対して「他人の手を借りて楽ができる」なんて思っている高齢者はほとんどいない。

それは介護の仕事をしていて実感する。

高齢者の多くは「自分のことは自分でやりたい」という意思に溢れている。下手に手を出そうとすると怒る人もいるが、それは当然だろう。

逆に心身の低下によってできないことが出てくると、本人の落胆や自信喪失は凄まじい。今まで自分のタイミングで歩いて外に出ていたのに、自分の足で歩けなくなると、外に出たいと思っても他人の手を借りたり、その他人のタイミングに合わせる必要が生じる。これはかなりストレスだと思う。

高齢になっても、なるべく自分の足で歩きたいし、自分の手で何かを作りたいし、いつまでも自分の口と歯で食べたいし、自分の意思をもって生きていきたいのだ。

よく「自分はもう年だから」と言って新しい物や挑戦から一歩引く中年がいるが、そのまま長生きすると本当に何もできなくなってしまうことを覚えておいたほうが良いと思う。

「もっと色々やっておけば良かった」
「もっと勉強しておけば良かった」

これは「若いときに~」という枕詞をつけることが多いが、これは若いころを視点にしなくても同じだ。

30代のころは20代以前に「こうしておけば良かった」と思う
40代になると30代のころに「アレをしておけば良かった」と思う。
50代になると40代のころ、60代になると50代のころ・・・というように今の時点の自分よりも若いころの自分を見ては後悔するのだ。

高齢者と呼ばれる区分になると「今さら」「手遅れ」と思ってしまう。

もちろん、高齢者であっても新しい物に触れたり、挑戦することは可能だ。いつだって楽しむことはできる。

しかし、自分が期待する成果を出そうとすると、やはり心身状態や脳機能から考えると現実的に難しいと言わざるを得ない。周囲からも「いい歳こいて何言ってんの?」と嘲笑されるかもしれない。

それでも構わないければ、どんどんトライすればいい。個人的には年齢問わずにやりたいことがあれば、他人なんて気にせずにやればいいと思う。

しかし、ある年齢になってから「自分はもう年だから」を言い訳にするようになって生きてきた人たちは、挑戦以前に行動すること自体が億劫になっているため、年齢を重ねているほどに動きが鈍くなる。

年齢を言い訳にせず、常にやりたいと思ったら行動することが癖になっているならば、どんなに高齢になっても、自分の可動範囲内で行動するだろう。それはときに周囲の力を頼ることだってあるはずだ。


――― 「自分はもう年だから」と言い訳するのをやめよう。

そのような生き方をしていると、高齢になってから本当に何もできない自分になってしまう。

「何もできない」というのは、肉体機能だけの話ではない。
「何もできない」というのは、何かをやろうとする意志がないのだ。

年齢や肉体、そしてお金だって実質的には関係ない。

実際、フットワークの軽い高齢者は元気だ。タブレット端末を活用して農業を営んでいる方だっている。観光業においても、英語を勉強して外国人観光客にバリバリ売り込みしている高齢者も多数いる。

もちろん、「やるぞ」と思ってもやれるものではない。意思の力だけではなく、とりあえず1%でも行動に起こすことだと思う。

ときには「やはり自分はもう年だから」と言い訳したくなることもあろう。
しかし、この手の話は大抵の場合、他人や世間と比較する必要はない、あくまで自分課題のことが多い。

だから、自分のペースでやればいいし、自分が理解できる範囲をゆっくり広げればいいのだ。焦る必要なんて全くない。

もしも比較するならば、自分と同じ年齢またはそれ以上の年齢で行動している人を見つけて、「同じ年齢(以上)でこれだけやっているのだから、自分もできるかも」とモデルケースとすればいいだろう。


――― ちなみに私は、昨年より数学の勉強を毎日している。
きっかけは統計学を勉強し始めたことだが、やはり数学の知識が必要だと痛感して中学校から勉強し直して、今は高校1年生の数学に取り組んでいる。

ありがたいことに、現代においてはWeb上に様々な情報や問題集があるし、分かりやすいテキストだって販売されているので活用している。

しかし、そのようなツールを用いても分からないときは、本当に嫌になる。ときどき「もういいか」と思うときもあるが、一方で「別に誰かと比較しているわけでないからいいか」と思うことで気楽に取り組めている。

このような思考の癖があるおかげか、日常においても「こうしようかな」と思ったらとっとと行動できる自分がいる。「今さら数学なんて」とか「介護に数学なんていらないだろう」とか思っている自分だったら、きっと行動力も乏しかったかもしれない。

数学自体が役に立っているかどうかは別の話として、それ以上に年齢とか仕事とかを気にせずにやりたいことを行動することは重要だと実感している。


なんだか説教くさいが、別に大袈裟なことをしろと言いたいわけではない。
興味ややりたいことがあれば、とりあえず手元のスマホで検索することから始めてみてはいかがだろうか? くらいの話である。

スマホで検索することすら「自分はもう年だから」と言うならば、もはやそれ以上は何も言うまい。


ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。

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