世の中にはいろいろな人がいるのだなという話

女と言ってもいろいろ違いがある。

頭では分かっているつもりでいたけど、でもどこかで「同じ人間なんだし」と共通の概念を持っていると信じているところもある。

もちろん「人のものを盗むのはいけないことだ」とか、「おいしいものを食べるのは楽しい」みたいな比較的大人数で共有している概念もあるのだけれど(それも全員じゃないけど)、もっとゆるい部分では人は本当にいろいろと違うのだなあ、ということが、来年40になろうとするこの歳になってようやく腹落ちしてきた気がする。

最近それを感じた出来事を今回書きます。

男性1人と女性2人でカフェに行った。
私たちは普通に友達で、おそらくどの矢印も恋愛ではないようなそんな関係。

女の子は冷たいラテを頼んだ。私ともう一人の男の子は温かいブラックコーヒーやカプチーノを頼んだ。
(ここに出てくる登場人物は全員30代後半〜40代前半なので、男性・女性に統一するか男の子・女の子と書くか悩む。個人的には、年齢ではなく、後者の書き方のほうがカジュアルさが上がる気がしています)

温かい飲み物には小さなクッキーがついてきた。
冷たい飲み物にはついてこなかった。

女の子は「ねえ、**くん、そのクッキー美味しそうだなあ…」と言い出した。

私は『えっ?』と思ったのだけど、男の子の方はそういう女性に慣れているタイプで、「はいはい」とクッキーをまるごとあげてしまった。
(「ちょうだい」とも言われてないのにすごい!)

私は『わーこれが女子か、女子力かー』と思いつつ見ていたのだけど、
自分のコーヒーが少なくなるにつれて私のクッキーもまるごと残っていたことを思い出し、『せっかく出てきたのに味を知らずに帰るのは**くんも可哀想だな』と思って無言で自分のクッキーを割って半分男の子のプレートに載せた。

男性にかわいくねだって手に入れてしまう女性。
無言で自分のものを半分あげてしまう私。
同じ女性でもぜんぜん違う。
(もしその女の子にクッキーがついてきて、我々にはついてこなかったら、彼女はどういうアクションをしただろうか?それはわからない)

これは別に恋愛テクニックとかの話ではないと思う。
彼女は別に男の子に好かれていたから甘えたわけでもないだろうし、
私も別に男の子に好かれたかったからそうしたわけでは全くない。
(むしろその男の子は甘えてくるタイプの女の子を好きそう)

ただ彼女にとってそう行動するのが楽で自然なのであり、
私にとってはそう行動するのが楽で心地よいものだったから、そうしただけで。
得とか損とかでもないし…、
甘えられてキュンと来る人もいれば、きっと私の行動を好む人もいるんじゃないだろうか。(どうだろうか)
目の前の人がどういうタイプを好きかを察知して、それに沿った行動を出来る高スキル型女性もいるけれど、私たちは(少なくとも私は)そういうタイプではなかったと思う。

私の行動は単に
『全部じゃないけど50%の自己犠牲は平気』
『私は色々なものを経験したいし、だから他人もきっとそうなはず』
『そもそも全部食べたら私も太るから』
という私の中のさまざまな要素から織りなされたものなので、
そこで「いや、そんな気遣いする女はおかんみたいで好かれないし、むしろ男を甘やかして駄目にするし、かわいくおねだりする女性のほうがモテるよ」と言われても、
「ふーんそれはそうだろうな、だから私はモテないのか」と納得するだけで、多分次回も同じことをすると思う。

それが性格というもので、みんなが同じように動くわけじゃなくて、人によってそれはさまざまなんだなあと思った出来事でした。

私の好きになる人が私のような性格の人間を好きだったらいいのにな。


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