浮島 漣

詩やエッセイ、写真などを掲載しています。       PIXTA で写真(画像データ…

浮島 漣

詩やエッセイ、写真などを掲載しています。       PIXTA で写真(画像データ)の販売をしています。         pioggia       https://creator.pixta.jp/@prof1376346

マガジン

  • よしなしこと

    日々の断想を綴ります……

  • 雲の名前

    空に浮かぶ雲 常に変化し、決して同じところにはとどまらない。 雲はたぶん天才などではないと思うが そう思いたくなる人の気持ちはよく分かります。 何はともあれ、雲は、水と光とが生み出す 唯一無二の「宇宙のキセキ」です。

  • 詩の暦

    詩や短歌などを掲載しています。

  • 花の栞

    ガラケーで撮影した花の写真を掲載しています。

  • 旅するレンズ 近畿編

    大阪や神戸などで撮影したものを掲載しています。

最近の記事

  • 固定された記事

詩集 薔薇と夜光杯

第1部  リラの花、五月の誰彼に……  リラの花―――五月の誰彼に似合いの  映画のように 落日の馨りを埋め  優しさと憧れに 心は盈ちていなかつたか  望みと祈りのようには 恋する人であつたのか  ひとりのままで生きてきたから―――  露台にはさびしい歌を口遊む いつものように  拒まれたままで 誰も振り返りはしなかつた  さみしさは多分音楽のようには響かない  小さくうなづいたか細い肩を抱く  孤独な企みと 夜は深く同意する  やはり 家族を眠るのか  

有料
200
    • ドラマ劔 その7 秘密の花園

       彼岸とは、この世とあの世との離隔を越えようとする悲願の花なのか。  テレビドラマは最終回を録れ!  最終回は、すべての伏線が回収され、テーマ(主題)がくっきりと明示され、謎めいた謎が解かれ、事件っぽい事件が解決する(はずだ)。  癒し、慰め、赦し、励まし、歓喜、悲哀、流石に怒りと嘆き、落胆と失望は(業界では)禁句だろうが、兎にも角にも、見事なまでに大団円が用意される。新たなシーズンの再来を予告して終わる思わせぶりなものもときにはあるが。  名残りを惜しむ間もなく、余韻を存

      • ドラマ劔 その6 ウチカレ夢想

         親が毒親になる前はいったい何者だったか、そして、そんな親を早いとこ厄介払いしたいと思わない子はいったい……  「ウチの娘は、彼氏が出来ない‼」喪失の物語かと密かに目論んでいたが、どうやらそれは勘違いで、何も失うことなく、ドラマは円満に終息した。  誰もが少しずつ何かを手に入れ、生きてゆこうと確かに心に誓う。  その(誰も大切なものを手放さなかった)代償は、捨てること、親を、子を、いずれ来るその時に。  このままの現在が永遠に続くことを碧は夢見、それはほとんど適おうとしてい

        • ドラマ劔 その5 歌の記号論?

           あいみょんの「桜が降る夜は」を聴く。  ひとは、自分の幸福には鈍感だが、その分、他人の不幸には敏感なものだ。  あいみょんは、多分、自分に対する嗅覚が、多くの人よりも優れているのかもしれない。  であるから、人の幸せを願ってやまない、人が傷つき、苦しむことが耐えられない。  あいみょんは、美しい記号論である。  語るものと語られるものがひとつがいの蝶のように、降る桜花のように、気まぐれに、赴くままに、舞い、揺らぐ、都市の夜会を名残り惜しむかのように。  失われる愛の残像、

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        詩集 薔薇と夜光杯

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        • よしなしこと
          20本
        • 雲の名前
          106本
        • 詩の暦
          19本
        • 花の栞
          11本
        • 旅するレンズ 近畿編
          18本
        • 旅するレンズ 中部編
          13本

        記事

          ドラマ劔 その4 歌の化身、ウィル・ユー・ダンス?

           静かに夜の篝火を流れるあの歌、ゆらめく炎は人の隠された表情を時折照らし、闇の彼方にそっと帰す。  ジャニス・イアンの「Will You Dance?」、美しい旋律に乗せて歌われるのは、人生の悔恨か、悲哀か、振り回されてばかりで、自分を見失っていた、それでもふたり、朝まで踊りましょうと。ふたりで美しい朝を迎えるために。  1977年は、あまりに懐かしい、過ぎ去った時代と言うには。わずかばかりの喜びとちっぽけな悲しみ、自分が何者であるかも分からず、何をすべきかすら考えずにいられ

          ドラマ劔 その4 歌の化身、ウィル・ユー・ダンス?

          ドラマ劔 その3 季節だって恋をする

           「空と青(ウチの娘は、彼氏が出来ない!! 主題歌)」家入レオは、本当は、宇宙というものを知っているのです。  なぜなら、「星の隠れた夜は そばにいて」と歌うとき、その悲しみを越えてたどり着いた透明な声、その響きは、夜の空に音もなく消えてしまうからです。  まるで、地上の出来事など少しも、気にもしていないみたいに、優しく、人の苦しみや嘆きを受け取り、そっと返してくれます、癒し、それとも、涙する、あなたのために、いつだって、そうつぶやいていたのです、あの星たちは。だから、彼女は

          ドラマ劔 その3 季節だって恋をする

          ドラマ劔 その2 にじいろカルテ 幻想

           「雨が降らないと虹は出ない。」  人は、なぜ、物語を、ドラマを求めるのだろう。  「にじいろカルテ」は、閉じられた村というひとつの社会で、開かれた関係を作る、その見果てぬ夢を雨上がりの虹のように描いたドラマだ。  病気になって初めて健康であることの意味を知る、年老いて初めて若さの意味に気付くように、閉ざされることでしか開かない鍵、扉もあるのかもしれない。この孤独な星が、閉ざされた大気圏の中で、広大な宇宙に無防備に開かれているみたいに。  僕たちは、その星々の言葉に耳を閉ざ

          ドラマ劔 その2 にじいろカルテ 幻想

          ドラマ劔 その1 空と光

           青春とは、既に失われつつある未来、その希望であり、なしくずしの、未決のままの断念である。取り返しのつかないほど、その貴重さに気付かないまま、時間だけが繰り返し過ぎていく。まるで、漂流する流木を抱きしめる、その仕草かなにかのように、洗い落とし、削り取る。  誰も傷つけたくはなかった、その気持ちに嘘はなかった、それが青春の特権、ただ一つの赦された証しなのかもしれない。  特権視された青春というフレームほど、苛立ちと不安を煽る、それが青春というものか。  悲しみが大きいほど、青

          ドラマ劔 その1 空と光

          雲の名前 その106 残照

          雲の名前 その106 残照

          雲の名前 その105 筋目

          雲の名前 その105 筋目

          詩集 晩夏香

             傘 荒れ果てたわたしの草原にも  それとなし風は吹いている  砂丘のまんなかには  ゆうべ吊るされたばかりの月の遺骸が  青い闇の壁に圧し拉がれ黄色く滲んで見える  罅割れた湖底を掘り返す  好色な記憶の尖兵たち  わたしは修復不可能な旗をそれらの港みなとにひるがえし  一切の敗北を認めようとするのだが  風はそのまま吹きすぎる  痛罵の唾を吐き棄て呵責なき専用貨車に詰め込まれ  わたしはひとり荒野に連行されそこで放置される  その夜の夢の中で獅子と女道化師がま

          有料
          200

          詩集 晩夏香

          雲の名前 その104 絹

          雲の名前 その104 絹

          雲の名前 その103 輪舞

          雲の名前 その103 輪舞

          雲の名前 その102 落日

          雲の名前 その102 落日

          雲の名前 その101 収束

          雲の名前 その101 収束

          雲の名前 その100 圧倒

          雲の名前 その100 圧倒