海老で鯛...
隣家の工事のためわが家の駐車スペースをお貸ししたら、施工業者さんに地元のはちみつをいただいたという話を書いた。
すっかり顔なじみになり、毎朝、挨拶を交わすようになった。
だいたい毎日8時半ごろやってきて16時すぎに帰っていく。
棟梁(マイスターか)と日によって中堅の2人か3人、実直な仕事ぶりに感心する。ドイツ、のイメージだが、実はこういうケースはそう多くはない。
ちなみに棟梁は、舘ひろしさんと柳葉敏郎さんを足して二で割ったような方だ。だいたいフランネルのチェックのシャツを着ていらっしゃる。
先週、夫と息子で道路側に伸びすぎた枝を高枝切りのこぎりで切った。
おそらくゴミ収集車など車高の高い車両の通行を妨げないためだと思われるが、市役所から「条例で地上から4.5m以下のスペースに張り出した枝は切ることになっています。2週間以内に遂行してください」との手紙が来たのだ。
高いところの枝を切る作業も難航したが、その後、太い枝と枝葉を分別するにもかなりの労力を使う。
小型ののこぎりを使い回していたら、棟梁が「これを使ってください」と、道具箱から一本を貸してくださった。なんと親切な。(ちなみに日本製。大型バンもトヨタ。そこもポイント高し。笑)
こういう親切な人に往々にしてあるのが、「あれこれアドバイスしたがる」なのだが、そんなこともなく、ただたまにこちらをニコニコと伺っているだけ。
過不足ない親切に助けられた。見習いたいものだ。
と、その夕方、お隣の奥さんがいらした。
彼女もキッチンの窓の向こうから満面の笑みでワインのビンを掲げている。
玄関にアクセスする人はみなキッチンの窓の前を通ることになるため、料理や洗い物をしているときには目が合うことになるのだ。
「このスペースを貸していただいて、本当に助かってます」と言って持ってきてくださった。
右はフランスの赤、左は珍しいコソボの赤だという。
ご主人が味見して選んでくれたとのこと、ありがたい。
空いているスペースを使っていただいただけなので、海老で鯛…どころか、海老すら差し出していない。…恐縮しきりである。
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