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福岡に拠点をおくコンサルティング会社「Local Knowledge Platform」の公式noteです。 HP:https://www.chengshi-jp.com/

マガジン

  • LKP eye

    世界の都市・地域の最新事例を紹介するマガジンです(平日毎日更新)。 「case」では海外記事を抄訳して海外の都市計画関連の最新事例を紹介しています。「insight」では海外の最新事例から得られる示唆を私見としてまとめています。

最近の記事

カーフリーな生活がもたらす健康および社会的な利点

case|事例 バース大学の気候変動と社会変革研究拠点(CAST)は、オックスフォードの市民を対象にした3週間のカーフリー生活における行動変容や意識変容を分析し、カーフリーな生活がもたらす健康上の利点や社会的な利点を明らかにした研究を発表した。研究は気候変動対策に取り組むLow Carbon Oxford North(LCON)と共同で実施された。 研究結果では、参加者の12人のうち10人が今後も自動車の利用を控えたいと考えていること、12人のうち3人は自動車を完全に手放

    • 世界各都市の持続可能な交通データを可視化したオンライン地図

      case | 事例 世界中の都市との協力のもと、都市をより住みやすく、公平で持続可能なものにするための質の高い交通システムや政策ソリューションを計画・導入する非営利団体である「交通開発政策研究所(ITDP)」は、世界1,000以上の都市圏、40,000以上の自治体を対象に、持続可能な都市交通を計画する上で必要なデータを集約・可視化したオンライン・ダッシュボード「持続可能な都市交通アトラス」を公開した。 持続可能な都市交通アトラスは、人口密度、街区密度、自転車専用道路周辺人

      • NZオークランド交通局は手話をデジタルディスプレイの案内に統合

        case|事例 オークランド交通局(Auckland Transport)は、ニュージーランドの手話をワイテマタ駅のデジタルディスプレイに統合し、手話での案内を可能にする。これは、オークランド交通局がインクルーシブな交通環境の創出を目的に取り組んでいる公共交通ネットワークのアップグレードの一環で、聴覚障害者のアクセシビリティの改善が期待される。 手話での情報提供については、公共交通アクセスグループとの協議によって検討され、特に避難が必要となるような交通ネットワークの混乱で

        • NYで開発されたBID向けの「the New York Places Data Hub」

          case|事例 NYのBIDや中小企業の支援を目的に民間3社が共同でデータハブシステムを開発した。開発を行ったのは、都市イノベーションや気候変動に関する幅広いプログラムを提供するCiv:Labと都市のデータ分析のスペシャリストであるUrbanLogic、データプラットフォームの構築を行うGingkoの3社で、開発にはニューヨーク市の中小企業サービス(Small Business Servive)からの補助を受けている。開発されたデータハブによって、BIDや中小企業は重要なデ

        カーフリーな生活がもたらす健康および社会的な利点

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        • LKP eye
          198本

        記事

          ドバイのクオリティ・オブ・ライフ戦略

          case | 事例 ドバイは、世界一住みやすい都市を目指す取り組みの一環として、野心的な「ドバイ・クオリティ・オブ・ライフ戦略2033」を発表した。戦略では、ドバイを歩行者にも環境にも家族にも優しい都市に変貌させることに焦点を当てた200のプロジェクトとイニシアチブが含まれ、2024年から2033年まで3段階に分けて、地域社会のあらゆる層のウェルビーイングの実現に向けて取り組むとしている。 戦略では、環境保全・生物多様性保護、クリーンエネルギー推進、公共サービスの充実化、

          ドバイのクオリティ・オブ・ライフ戦略

          ブルームバーグが構築した世界30都市を対象にしたデータダッシュボード

          case|事例 ブルームバーグは、都市開発を推進するツールとして世界30都市を対象にした新たなデータダッシュボード「Dynamic Cities Dashbaoaed」を構築した。都市の生活に関わる重要な項目を強調し、都市や企業のリーダーの意思決定を支援する。またデータを時系列で見ることもできるため、ポジティブな変化や改善も追える。今後、ニーズに基づいた政策立案やその成果の確認などに活用されることが期待される。 このダッシュボードは2021年に立ち上がったWGの3年間の集

          ブルームバーグが構築した世界30都市を対象にしたデータダッシュボード

          メルボルンの持続可能なMICE企画ガイド

          case | 事例 メルボルン・コンベンション・ビューロー(MCB)は、MICEなどビジネスイベントを企画するプランナー向けに、持続可能性に焦点を当てた新しいインタラクティブなデジタル版ガイドブックを更新した。このガイドブックでは、MICE実施の際に調達対象となりうる環境に配慮したサプライヤー、製品、また、MICE実施期間でのメルボルンでの持続可能な体験を紹介している。 昨今イベント・プランナーの間では、MICEにおいて持続可能な観点を重視する傾向が高まっていることから、

          メルボルンの持続可能なMICE企画ガイド

          NYCとダブリンで始まったパブリックアートを通じたリアルタイムコミュニケーション

          case|事例 ダブリンとNYCの街かどにライブストリーム機能が備わった公共彫刻「the portal」が設置された。the portalは、24時間年中無休でライブストリームを行うことができ、ダブリン市民とニューヨーク市民、各都市への来訪者がそれぞれリアルタイムに交流することが可能となる。 ダブリン市のthe portalは、オコーネル通りに設置され、有名なGPOビルと尖塔が画角におさまっている。スマートツーリズムの2024年の欧州首都に選ばれたことを契機に設置され、7

          NYCとダブリンで始まったパブリックアートを通じたリアルタイムコミュニケーション

          公共空間を人中心に再編し続けている仏リヨン

          case|事例 リヨン市は、リヨン都市圏と協働で、人中心でインクルーシブな公共空間を創出し都市の変革を進めている。中でも、「rues des enfants(school for children)」と呼ばれる学校周辺の街路をより安全で環境に優しく、インクルーシブな空間に再編する野心的なプログラムが特徴的だ。 現在、このプログラムは60以上の小中学校で実施されており、生徒とのデザイン検討や交通静穏化、緑化、歩行者を優先する道路空間の再配分などが含まれている。これまでに延べ

          公共空間を人中心に再編し続けている仏リヨン

          釜山市の15分都市形成に向けた取り組み

          case | 記事 韓国釜山市は、2010年にスマートシティのコンセプトが誕生したときからスマートシティの形成に取り組んできていたが、2021年の市長選挙でパク・ヒョンジュン候補(後の新市長)は、「幸せな近さ」というアプローチで15分都市をつくることを選挙公約に、釜山市における住民サービスの近接性を大幅に改善することを訴えた。その後の市政では、日常生活に不可欠なアメニティを、全ての市民が簡単にアクセスできる範囲に都市空間に充実させる計画を策定し、単にスマートシティ技術を導入

          釜山市の15分都市形成に向けた取り組み

          10年足らずで自動車利用を半減させたゲント

          case|事例 ベルギーのゲントは、モビリティ担当副市長のフィリップ・ワッティーウ氏のリーダーシップの下、限られた資源をうまくやりくりすることで、10年足らずで自動車の利用を半減させた。2017年に変革に着手して以降、自動車の分担率は55%から27%へ半減し、自転車の分担率は22%から37%へ増加するなど著しい効果が得られている。一方で、その歩みは容易なものではなく、時にレイジ―マイノリティからのひどい批判や脅迫にあってきた。 ゲントの都市変革はユトレヒトやアムステルダム

          10年足らずで自動車利用を半減させたゲント

          公共交通の成功における歩きやすさの重要性を示す政策レポート

          case | 事例 歩く権利の確保を目的とする国際NPO「ウォーク21(Walk21)」がこのほど発表したポリシー・ブリーフでは、自動車交通量の削減と都市の居住性の向上には、徒歩と公共交通機関の統合が不可欠であることが強調されている。レポートでは、公共交通機関の成功は、歩きやすさに大きく依存していることが示されている。 レポートでは、公共交通機関は乗客が目指す目的地にピンポイントに到達できないため、本質的には歩きやすい都市環境が必要であるという事実を強調している。歩行イン

          公共交通の成功における歩きやすさの重要性を示す政策レポート

          バルセロナのルーフトップ活用国際企画コンペ

          case | 事例 Reusing Rooftopsは、ミース・ファン・デル・ローエ財団と共同で、バルセロナの屋上を市民の生活の質を高める有用なスペースに変えるための国際コンペを開始した。このコンペティションは、ルーフトップという都市空間を持続可能な形で利用するための革新的なソリューションを提案する参加者を世界中から募るもので、デンマークのビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)、オランダのMVRDV、スペインのポラス・グアディアナといった建築事務所が審査委員を務める。バル

          バルセロナのルーフトップ活用国際企画コンペ

          シアトル市は今後20年間の新たな交通計画を策定

          case|事例 シアトル市議会は、今後20年間を計画期間とする新たな交通計画を全会一致で承認した。この計画は、シアトル市交通局と市長室、市議会が協働し、2年かけて策定された。 新たな計画では、街路や歩道、公共空間の将来ビジョンを示すと共に、公共交通をより高頻度に運行するためのサービス改善や、バス専用レーンおよび自転車走行空間の拡張、80にもわたるインフラの改善ポイントなどを提案している。インフラの改善ポイントには、将来のLRT駅の整備に向けた準備や老朽化した橋の改修、危険

          シアトル市は今後20年間の新たな交通計画を策定

          サクラメント市の2045年までに市域の樹冠を大幅に増やす計画

          case | 事例 サクラメント市は、2045年までに市域の樹冠被覆率を19%から35%まで増やすサクラメント都市森林計画案について、パブリックコメントを開始している。計画によると、市、市以外の組織・機関と市民は、あわせて年間約25,000本の木を植え、100万本の既存の木を保護する必要があり、市単独では目標を達成できないとしている。市は新しい樹木をすべて植えるのに十分な土地を所有しておらず、現在約10万本の樹木を管理しているに過ぎない。市は都市林作りのリーダーであり、公共

          サクラメント市の2045年までに市域の樹冠を大幅に増やす計画

          8km未満の移動の25%を電動自転車に置き換えることは33.8万台分の自動車交通の削減と等しいと試算

          case|事例 ロッキーマウンテン研究所(RMI)は、電動自転車の普及が環境や社会に及ぼす影響を評価するためのツール「E-Bike Impact calculator」を公開した。このツールでは、短距離移動を電動自転車に置き換えた際の効果を2つのシナリオで評価することが可能。ひとつは、現在の与条件の下で都市全体の影響を評価するもので、10年間の累積効果が算出できる。もうひとつは、電動自転車の普及のためのインセンティブを変数として評価するもので、市の予算やスケジュール、車両タ

          8km未満の移動の25%を電動自転車に置き換えることは33.8万台分の自動車交通の削減と等しいと試算