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アニメーションを作ったり、アニメーションについて書いたりしています。また、面白かった本や映画についても書いたりします。

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【随想】文体について

三島由紀夫は文字が宝石のように硬い 理知的でカチカチである 人工物に対する美意識 谷崎潤一郎の場合 人間の自然美への執着 直情的な文章で大変流麗ではあるが艶かしくはない 美でいえば よほど坂口安吾の方が妖しく艶かしい 夏目漱石は観念と道徳 一文は短く、一切の無駄がない 厳選された文字の連なりが格式高い 江戸川乱歩も研ぎ澄まされた 無駄のない文章 しかしおどろおどろしい、毒々しい内容をも 淡々と描くことでさらに薄気味悪さが増す 村上春樹はモダン、文字は軽やか 文字が存在から離れ

    • 【随想】映画『悪は存在しない』濱口竜介

      『悪は存在しない』を観た。 視聴してから1週間経つから、もう忘れてきているけど。 いや、でも、1週間も経っているのに、目に焼き付いているシーンが数多くあり、やはり、傑作だったことは間違いない。 自分の中では、ドライブ・マイ・カーとこの2作だけでも、現代の日本で一番の映画監督だと感じる。 この映画は、色々と考察できるようになってるから、どれが正解とかなくて、きっとどれも正解なんだろう。 『悪は存在しない』というタイトルの意図は何か。 一見タクミのラストの行動は、悪に見える

      • 好奇心は脳内麻薬

        世界はもう新しくならない。そう考えた時未来はつまらないものになる。常に新しいものを追い求める感覚は、好奇心によるものだ。好奇心は世界をまだ理解できていない若い時にこそ鋭敏だ。大人になればなるほど、その体験は過去に経験したことのある確率が上がる。常に若い感覚を持っている人というのは、日常が刺激に満ち、新しいことだらけで、好奇心旺盛の状態だ。それは感覚が鋭敏であるか、もしくは知らないということをよく知っているか、はたまた欲深いか、それとも多動性があるか、とてつもなく忘れっぽいか、

        • 映画は心地よい洗脳だ

          映画館で何百人が静かに大スクリーンに向かってじっと目を向け続ける、こんな異常な状況、よくよく考えたらおかしい。いやだから、映画館に行くのだ。心地よい洗脳を受けたくて。感動したり、泣いたり、映画は自分の感情をコントロールしてくる。洗脳されて、興奮して、おもしろかったなどと感想を書き連ねようものなら、そりゃあ監督はうれしいだろう。自分の作品でうまく洗脳できたのだから。

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        【随想】文体について

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        • Hint(まどろみ文庫)
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        記事

          世界をより良く認識するために

          日々の忙しさに流されて生きていると、ふと自分が何を理解して何を理解できていないのか不安になる瞬間がある。そうならないために、きちんと理解できたことを言語化しておこう。いや、言語化できることが理解したことになるのか。世界を言語で理解することが、正しく世界を認識しているかどうかは怪しいが、やはり人間のコミュニケーションにおいて、言語の占める割合はいまだに大きい。ビジュアルを共有するコミュニケーションもだいぶ発達したが、そのビジュアルを生成するのにも、言語を使うことが多いわけだから

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          【アニメ】ドア信長

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          【随想】ラジオ『オールナイトニッポン0(ZERO)』ヤーレンズ

          M-1で、令和ロマンより個人的には好きだったヤーレンズ。 二人の口からとめどなく溢れ出る固有名詞の数々。 圧巻の連想ゲーム。 ただただ最高の時間でした。

          【随想】ラジオ『オールナイトニッポン0(ZERO)』ヤーレンズ

          【随想】小説『ハサミ男』殊能将之

          ハサミ男読み終えた 正味2週間ほど 長く感じた 仕掛けには程々に驚いたがそれ以外の点では あまり心に響くものはなかった どんでん返し小説に飽きてきてしまったのだろうか やはり 過程というか道中が大切だ そう考えてみると よい小説とはなんだろう キャラクターが魅力的か ストーリーが魅力的か 心理描写に共感できるか 世の理が描かれているか そう考えると 魅力的な警察、探偵役は出てこなかった そして主人公はシリアルキラーなので そもそも共感は難しい ストーリーはミスリードするための

          【随想】小説『ハサミ男』殊能将之

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          【アニメ】バタフライ

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          【アニメ】Coming Soon ~仮眠してすぐ~

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          【随想】小説『殺戮にいたる病』我孫子 武丸

          とうとうね。 殺戮に至る病読みました。 いやーどんでん返し系の名作は一応一通り読もうと 去年から 十角館の殺人 葉桜の季節に君を想うということ イニシエーションラブ と読んできたけど、 これだけは躊躇していた。 体調が悪い時には読めない。 立ち読みしてそう判断した。 しかし 時期が来てしまった。 内容については 特に触れることができない。 一つ言えることは 文章がとても読みやすいということ。 癖がなく、無色透明。 するすると読める。 読み終わって見事どんでん返しされたことは

          【随想】小説『殺戮にいたる病』我孫子 武丸

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          【アニメ】スプーンの筋トレ

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          【アニメ】ティーバッグの刑

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          【随想】小説『満願』米澤穂信

          第27回山本周五郎賞を受賞した米澤穂信の「満願」を読む。 短編集である。 買ったのはだいぶ前だ。 米澤穂信という作家は、あまり聞き馴染のない言葉を使う作家なのだな。 梁、マタボール、及時雨、墨痕、矍鑠、筵、長押、林冠、隘路、眦、霏々など。 知らない単語が出てくると少し躓いてしまう。 海外小説や学術書で注釈を逐一読まないと分からない状態と同じだ。 するっと物語に没入できない。 意味がきちんと理解できていなくても、物語を読むのに特段支障が出るわけではないが、読みながらちょっとずつ

          【随想】小説『満願』米澤穂信

          【随想】ドラマ『侵入者たちの晩餐』バカリズム

          バカリズム天才だなぁと。 素直に感心してしまった。 コントやネタには、なかなかはまることがなかったけれど、 まさかバカリズムの本領が、テレビ脚本にあるとは思わなかった。 一時期の三谷幸喜や内田けんじや伊坂幸太郎のような作劇を彷彿とさせる。 しかも一人語りのナレーションという 自分のスタイルもある。 そのスタイルは他に類を見ない。 『ブラッシュアップライフ』は、その中で最高傑作である(他のドラマは見てないけど、きっと)。 そんなノリに乗っているバカリズムが 新春のスペシャルドラ

          【随想】ドラマ『侵入者たちの晩餐』バカリズム

          【随想】ドラマ『ロングバケーション』北川悦吏子

          28年前の月9。 ようやくロングバケーション観終わった。 途中何話か見逃した。 たぶん結構いいところを見逃したような気がする。 瀬名と南がいつの間にか急接近していて焦る。 とにかく山口智子が素晴らしくて 木村拓哉は今の方がカッコいいんじゃないか、 松たか子はHEROの前にここで共演してたんだねキムタクと 竹野内豊はだいぶ野性味があった。 そういえば、登場人物たちの家族は一人も出てこなかったな。 ずっと久保田利伸のLA・LA・LA LOVE SONGが頭の中をリフレインする。

          【随想】ドラマ『ロングバケーション』北川悦吏子