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【組織論】会社のノウハウと営業の離職率の関係

法人営業職として色々な会社とやり取りしてきての見立ては、ノウハウがあまりない会社の営業離職率が高いということです。

理由としては、会社としてのノウハウがないので、営業自身が「身体で価値を作るしかない」環境(長時間労働が生み出す柔軟な対応力!)+長く働いても得るものがなくスキルアップに繋がらない+会社に先がない、からと思われます。
そもそも、長く働いても社内で得るものがない、ということは、会社の提供価値のレベルが低いことを意味する訳で、ノウハウがないのですから当然と言えます。

「ノウハウ」は外注すれば対応できる・目の前の商品力だけで兎に角売ってこいという姿勢で、社内で育成する(ノウハウの蓄積・育成コストや採用コストを掛ける)優先度は低い、という考えの経営者や営業マネジメントは多いのでしょう。コストを掛けずにひたすら目先の売上・利益を達成しようとしていると。
しかしながら、よほど商品力が高くない限りは、商品頼み・外注頼みのノウハウを持っていない会社なんて発注する価値(と言うか話を聞く価値)がない訳で、だからこそ、営業個人が「身体を張った柔軟な対応」によって、何とか目先の売上を上げようとするジリ貧が延々と続くことなってしまいます。

つまり、クライアントが発注する価値がない(話を聞く価値がない)会社というのは、営業個人にとっても「(長く)働く価値がない」と言えるのです。自身の提供価値を向上させる余地が2〜3年程度で概ねなくなってしまう上に、ジリ貧故に労働環境が過酷だからです。会社の提供価値というのは、クライアントだけではなく、社員からもよーく見られている訳ですね。

では、どうすればよいかと言うと、まずは、会社の提供価値となるノウハウとは何か、という言語化を行うことが重要となります。ノウハウの定義と言語化です。そこから始めて、会社の提供価値となるノウハウの蓄積と育成が上手くいけば、ノウハウ向上と人材の離職率の低下が連動していく好循環を回せる可能性があり、事業継続性が高まります。営業個人にとっても、自身のキャリアパスを考える上で、会社にノウハウがあるかどうかは、働き続けることを選択する大きな動機となり得ます。

この点で、会社の提供価値と定義・言語化、およびそれに伴うノウハウの定義・言語化というのは非常に重要で、売上利益だけではなく、事業継続性・人材計画など、経営・事業戦略そのものに関わってくる訳ですね。営業のキャリアパスを考えることも、マネジメントのミッションの一つとされる所以です。


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