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【法人営業】教えることが下手な営業が教え上手になるための3つの基本的な考え方

目次
⚫︎営業職で教えるのが下手な人が多い理由
1.営業職における言語化の重要性
2.細かく段階的に成功体験を得てもらう
3.褒めるとは、相手を注意深く見て、何が正しい行動かを示すこと

●営業職で教えるのが下手な人が多い理由

営業という人種は、それはもう「教える」ことが下手な人種である。

何故下手かと言うと、「行動」だけで結果を叩き出してきた人や、売上が大きいという意味では優秀なのだが感覚派で何となくできちゃう人が多く、自身のノウハウや経験を言語化・体系化している人が少ない(必要がなかったからやっていない)からだ。
営業職というのが、業界・商材にもよるが、感覚的でも割と実績を出せてしまう職種という点も大きい(いわゆるセンスのある人や行動量がものすごい人)。

また、そもそも「教える」ことを重要視しておらず、興味もない人も多い。
一言目には、自分で考えてやれ、と言い、二言目には、やればできる、と言う。
そう言う人が、どうやればいいのかは大体は説明できない。大抵は、それまでの経験で言語化の必要がなくとも上手くいってきて、自分で考えて言語化していないから。

「大きく売上を上げてくる優秀な営業」が「教える」こともできるとは限らない。むしろ、下手過ぎる場合も多い。
教えるのが下手の人に多い最たるものは、自分が見えているものと教える相手が見えているものの差を理解していないこと。
そして、工夫の土台となる基礎を教えないこと。学びの先のあるべき姿と、学びのステップを教えてないこと。

教え上手になるためのキーとなるのは、
「言語化」「成功体験」「褒めること」の3つ


1.営業職における言語化の重要性

営業職における「言語化」は、特に新人に教える際は、学校のカリキュラムのように、土台となる基礎・学びの先のあるべき姿(目標)・学びのステップが重要となる。ここでいう言語化とは、文書化されるまでを含む。
また、言語化は、ノウハウと教育過程の体系化・可視化の面だけではなく、「検証」という点でも非常に重要である。

特に、オフィスワークとは異なり、放っておくと口頭だけで終わってしまいがちな訪問の際の目的や得るべき情報を達成できたかのチェックには、言語化するのが一番だ。
抜け漏れにすぐに気付ける。そして、案件実施後に結果を言語化することが、ノウハウの蓄積に繋がる。

「教える」という行為で重要なことは、「言語化」と「反復練習」だと考えている。
なので、例えば新人に営業訪問で同行する際は、事前に「目的」「得るべきもの」「手順」を必ず言語化させて、訪問直後に必ずチェックするようにしている。

これを毎回毎回しつこく繰り返す訳だ。 そして、この事前の確認事項が「議題設定」となり、事後の確認事項が「議事録」となる。
この「議題設定」と「議事録」は、一連の営業フローの根幹の一つと言えるもので、これを身に付けるか身に付けないかで、その後の新人営業の伸びは大きく変わってくることだろう。


2.細かく段階的に成功体験を得てもらう

「教える」行為には、「成功体験」をある程度コントロールすることが重要だと考えている。

新人にいきなり難易度の高過ぎる絶壁を登らせるなんて無理な話。
千尋の谷に突き落とせば百獣の王でも死ぬ。
まずは、事前に共有して合意した学びのステップに基づき、低いハードルから始めて、乗り越える「成功体験」を得てもらう。
乗り越え方を覚えて、乗り越えられると自信を得ることができたら、後は自分の手と足で登れるようになる。

また、新人営業を育てる際に重要なことは、「リソース管理」である。

最初の時点では、難易度の低いメイン商品・サービスの案件に絞って割り振るべきで、メイン商品・サービスでの一連の営業フローを覚えるまでは、他の仕事を振らない方がよい。
慣れない新しいことばかりによる学習コストの高さにより、新人の頭のリソースはあっという間にオーバーフローを起こしてしまうからだ。
次々から次へと新しいことを教え続けると、新人のオーバーフロー状態は悪化するばかりで、最も肝心な基礎となる一連の営業フローの習得がいつまで経っても進まない。復習する時間(リソース)が取れずに、自身で咀嚼することができないからだ。

なので、基礎は、数を絞り、ゆっくりと、段階的に教えていき、一つ一つの学びのステップごとに復習時間を確保して習得するのを確認してから、次のステップに進めていく。
基礎である一通りの営業フローを習得するまでは、応用段階には入らない。

この一連の営業フローこそが、営業における基本の「型」であり、「型」こそが仕事の土台となる。土台なくして、学びの次のステップへと昇ることはできない。


3.褒めるとは、相手を注意深く見て、何が正しい行動かを示すこと

「褒める」ということを知らない人は、他人に教えることは止めておいた方がいい。「褒めない」人は大抵相手に関心がない。そういう人の褒め言葉は著しく軽く、それが相手に伝わってしまう。

「褒める」ためには、相手の性格や行動をちゃんと見る必要がある。
相手の性格や行動に合わせた褒め方が重要だからだ。だからこそ、難しい。
そして、教えられる側にとって、褒められるということは、承認欲求を満たすインセンティブであると同時に、自身の行動(仕事のやり方)が正しかった、という裏付けになることも意味する。
つまり、「褒める」ことで、自身の行動の正しさを実感し、より自信を持って行動できるようになる訳だ。


(余談)自分で考えろ×放置プレイの負の破壊力

「仕事ができる人」で「教えることが下手の人」によくあるパターンは、放置プレイ。

自身が色々と工夫して壁を乗り越えてきたこともあり、相手に手取り足取り教えることはせず、いきなり自分で工夫しろ、と言う。

工夫の基礎となる土台も教えずに。そして、新人は失敗を繰り返し詰められ続けることでやる気は粉砕され、場合によっては心が折れる。新人営業の離職率が高くなるのは、大体このパターン。

#営業 #法人営業 #ビジネス #マネジメント #新人教育 #組織論

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