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【法人営業】優秀な営業は、「時間軸」の長い仕掛けができる

●優秀な営業とそうでない営業の時間軸の違い

優秀な営業は時間軸が長い。そうでない営業は時間軸が短い。

優秀な営業は、目先の売上だけではなく、1年後2年後と継続的に売上を上げる再現性のある営業戦術を構築することができる。
継続的に一定以上の売上を上げることができるから、優秀な営業と言える

そうでない営業は、目先の売上、即ち当月と精々翌月までしか見ていないので、必然的に毎月一喜一憂自転車操業となる。当然、売上構造が不安定となるので、当月の売上数字すら中々見えず、毎月末が辛くなる。


●時間軸が長い営業になるにはどうすればよいか

1年後2年後と継続的に売上を上げる再現性のある営業戦術というのは、目先の売上を追うだけではなく(これはこれで非常に重要)、さらに2回目3回目と発注をいただけるよう仕掛けを作ることだ。
つまり、「継続的に発注したくなる理由」を作ることである。
そして、継続的に自社の強みと自身の強みを発揮できるパッケージを作ることでもある。


●「継続的に発注したくなる理由」とは何か

継続的に売上を上げる再現性のある営業戦術を成功させるには、クライアントが「継続的に発注したくなる理由」を見つけることだ。その理由に、自社の強みと営業自身の強みを発揮できるパッケージをマッチさせればよい。
ここでいう「パッケージ」とは、顧客の課題を解決するための勝ちパターンのこと。

「継続的に発注したくなる理由」とは、クライアントにとって「課題を解決し続けてくれる・解決に繋がり続けること」であり、例えば、ネット系施策の場合は、大体何らかの「良い数字」の結果を出し続ける・出し続けてくれそうなこととなる。
ここでいう「良い数字」とは、クライアントの担当者が求める数字であり、具体的には、集客数だったり、スケジュールの速さだったり、生産性だったり、正確な運用だったりする。

もちろん、解決したい課題が良い数字とは限らないが、大元の部分を突き詰めていくと、結局はシンプルなものである場合が多い。


●「継続的に発注したくなる理由」に「自社の強み」をマッチさせるにはどうすればいいか

「マッチさせる」には、まず「課題を解決しやすい」クライアント・案件パターンに注力する必要がある。
例えば、一般的なネット系営業職が行くべき営業先は、基本的に大手事業会社と言われているが、自社の売上を上げるためには、その選択が必ずしも正しいとは限らない。

では、マッチしないクライアントならどうするか。答え。マッチするクライアントへの営業に注力する。
マッチするクライアントは、クライアントのビジネス構造、業界動向や業界内での自社の立ち位置、クライアントにとっての商品カテゴリの意味などを分解していくと見えてくる。

つまり、「マッチさせる」とは、自社の強み(提案価値)とクライアントの解決したい課題(ニーズ)を噛み合わせることであり、
「マッチするクライアント」とは、自社の強み「提案価値」が、クライアントのニーズ「解決したい課題」にハマる=解決できることを意味する。
(商材に提案価値がある=解決できる課題が明確、という定義化の前提が必要だが)


●継続的に売上を上げるために重要なこと

継続的に売上を上げるために必要なのは、現在進行形の案件の話をしながら、次回の案件の話、できれば年単位での実施計画の話をすること(もちろん、商材によってはもっと長い時間軸が必要な場合もある)。
つまり、年単位で予算感とスケジュール感を確認してしまうことで、この時間軸の把握が最も重要となる。

こうすることで、クライアントの予算規模といつ各施策への予算を決めるのかのスケジュールを把握でき、いつどれくらいの規模の提案をクライアントにしに行けばよいのか、事前に分かるようになる。

要するに、年単位で、適切な時期・適切な予算感でもって、マッチするクライアントへのパッケージ(勝ちパターン)をプロットする=自社の強みとクライアントの解決したい課題を噛み合わせる、年間計画を立てた上で、この年間計画ごとクライアントに提案することにより、「継続的に発注したくなる理由」を作る。

これが、「継続的に売上を上げる」ための基本。

なお、理由作りの年間計画は、商材や売り方によっても異なり、同じパッケージを定期的に実行するAAAAのようなプロットもあれば、段階的にステップアップしていくABCDのようなプロットの場合もある。


(余談)

・時間軸が短い営業は何故マズいのか

時間軸の短さの何が問題かというと、目先の売上しか考えていないこと。私見だが、精々当月と翌月程度のことが多い。
なので、2〜3年単位で継続的に売上を上げる取り組みというのは全く考えていないし、酷いと焼き畑営業をやる。

焼き畑営業とは、クライアントの課題の解決に繋がらないと分かっていて後先考えずに受注してしまうことだ。
当然、クライアントは二度と発注してくれないが、時間軸の短い営業は、目先の1度の受注さえ取れればいいと考えていて、後のことは考えていない。後のことまで考える時間軸がないから。


・営業の時間軸が短くなる理由

ネット企業の営業職で時間軸が短い人が多いのは、ネット業界のスピード感や受注までの期間の短さによるところも大きいが、結局のところ経営者やマネジメント層の時間軸が短い現れでもある。

経営者やマネジメント層が2〜3年後の業界動向や自社の向かうべき方向性すらあんまり考えていないので、当然現場の営業も目先しか考えなくなる。
口癖は「まずは目先の売上」。年中この口癖を言っている。
また、これは観測範囲での私見だが、目先しか見ていない企業・営業は、大体企業倫理(モラル)が低い印象が強い。


・時間軸の短い営業の特徴

目先の売上しか考えていない時間軸の短い営業職というのは、変化に弱いし変化を嫌っている。
当月と翌月程度の売上のことしか考えていないので、今売れている・自分が知っている、要は今売りやすい商品・サービス以外は営業したくないし、新しく学びたくもないのだ。目先の売上に繋がらないから。

なので、企業側からすれば、特に変化し続けることを重要視している企業であれば、例え若くて売上実績があっても時間軸の短い営業は採用すべきではないだろう。

もちろん、営業側も同じで、目先のことしか考えていない時間軸の短い企業はできるだけ避けた方がよい。就職・転職の意味でも、長期的で深い取引の意味でも。

なお、営業自身の現時点の時間軸が短いかどうかは、「1年以上の単位で継続的に売上を上げる営業活動」を行ってきたか、を自問すればすぐに判断できる。短いと答えに詰まるから。

#営業 #法人営業 #ビジネス #マネジメント #新人教育 #組織論

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