牧野節子(児童文学作家)

日本大学芸術学部卒。NHK文化センター(青山教室・町田教室)、毎日文化センターなどで講…

牧野節子(児童文学作家)

日本大学芸術学部卒。NHK文化センター(青山教室・町田教室)、毎日文化センターなどで講師をつとめています。 お笑い大好き❣️ 著書に『童話を書こう!完全版』など。お気軽にフォローください♪ YouTubeチャンネルで「朗読」もしています📚

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山川方夫「ロンリー・マン」

本日は山川方夫「ロンリー・マン」を朗読しております。 作家である主人公は、明朝に編集者がくるまでに済ませておかねばならぬ仕事のことを思い出し、焦りまくります。 そしてあれこれ考えるのですが…。 作品前半の、「仕事をするのに、そうぞうしさは禁物だ。そいつだけは、どうしたっておれは許すことができない……」というのが伏線。ストーリーの意外性はあまりないので、それよりも、主人公のサイコな感じを味わう短編です。 山川方夫の作品はほかに、「十三年」「トンボの死」「朝のヨット」「箱の

    • 竹内浩三「町角の飯屋」

      本日は竹内浩三「町角の飯屋」を朗読しております。 「いつくしみ深い」とか「おごそか」とかいう語を、それらとはミスマッチ感のある沢庵の表現に使っているのがカッケー(*^^)v しかもあの色が浮かび、あの音がまざまざと聴こえてくるではありませんか。 竹内浩三の詩はほかに、「金がきたら」「横町の食堂で」「夜汽車の中で」「十二ヶ月」「雨」「五月のように」も朗読しております。 あわせてお楽しみいただけましたら幸いです。

      • 「ミキ以外コント寄席」

        ジャルさんの「でも、可愛いですよ。」のちょうど1週間前の日曜日、「ミキ以外コント寄席」にいってきました。 ミキさんだけが漫才で、他の出演者は全員コント師。 会場は、ジャルさん単独でも行き慣れた銀座ブロッサム。 時間に余裕があったので、「ちょっと違う道から行ってみよう」と銀座をぶらぶらしていたら…あれ?あれれ?…と迷ってしまい、結局、開演ぎりぎりに到着笑 豪華出演者の面々は、ミキさん、5GAPさん、ライスさん、コロコロチキチキペッパーズさん、男性ブランコさん、kento

        • ジャルジャルさん「でも、可愛いですよ。」

          「2024春夏のジャルジャル-でも、可愛いですよ。」のことを書きますね。 (ネタバレ含みますので、ご注意) 今季の単独は東京と大阪での集中Live。私は東京の最終日、子どもの日🎏にいってきました。よみうり大手町ホール。前から5列目の席でした。 =オープニングコント(ハトのフン)= 公園のベンチにいる男性(後藤さん)。 近くを通りかかる女性(福徳さん)。 「あぶない!」 男性は、落下してくるハトのフンがかかるのをよけさせようと女性の体にぶつかっていくのですが、タイミング悪

        山川方夫「ロンリー・マン」

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        • YouTube朗読〜青空文庫編〜
          133本
        • YouTube朗読〜おとなの童話編〜
          35本
        • はじめまして、牧野節子です。
          1本

        記事

          小川未明文学館「童話創作講座」で上越市に

          5月6月7月の全3回、小川未明文学館「童話創作講座」の講師を担当させていただいています。 会場は、新潟県上越市の高田図書館で、昨日26日はその1回目「童話の基礎と基本的な書き方」。 ご参加のみなさま、たいへん熱心に受講してくださいました。 今回の講義を参考に、2回目には作品を提出していただく運びになっています。 それぞれの方がどんな作品を書いてくださるのか、とても楽しみです! 講義の前後の時間に、同館内の「小川未明文学館」を観覧させていただきました。 「出会いのロビー『郷

          小川未明文学館「童話創作講座」で上越市に

          太宰治「小さいアルバム」

          太宰治「小さいアルバム」を朗読しております。 訪ねてきた友人に「私」(D=太宰)は、「生憎お酒も無ければお金も無い」ので、せめてものもてなしがわりの「窮余の一策」として、自身のアルバムを見せながら半生を語っていきます。 その明暗入り混じるエピソードに、心奪われる作品です。 作中、Dがある友人に「俳優のダグラスに似ている」と言われたという話が出てきます。 時代的にたぶん、ダグラス・フェアバンクス(チャップリンの親友だった人。息子も同名の俳優さんですがお父さんのほうね)だと私

          太宰治「小さいアルバム」

          ロバアト・ブラウニング「魔法の笛(ハーメルンの笛ふき)」

          本日はロバアト・ブラウニング「魔法の笛(ハーメルンの笛ふき)」(楠山正雄・訳)を朗読しております。 多くの被害を町中にもたらしていたねずみたち🐁🐀 それをすっかり退治してくれたヒーロー笛ふき男🎶 だのに約束破られて払われなかった契約賃金💴 怒った笛ふきピーヒョロロ町の子たちを連れ去った👦👧 と、あらすじを私なりに書いてみました。 …そう、取り返しがつかない、ということは、あるものですね…。 ところで『ハーメルンの笛ふき』といえば、私が持っているのは、こちらの本です。

          ロバアト・ブラウニング「魔法の笛(ハーメルンの笛ふき)」

          古川緑波「氷屋ぞめき」

          本日は古川緑波「氷屋ぞめき」を朗読しております。 名エッセイストでもあった喜劇役者古川ロッパが、夏のひんやりした食べものについてシャキシャキと語っています。 黄色いアイスクリンのことや、東京と大阪の氷の違いなど。 ところで、「ミルキン」「すいと」って、なんのことか、あなたはご存じですか~? 古川緑波の作品は他に、「うどんのお化け」「色町食堂」も朗読しております。 あわせてお楽しみいただけましたら幸いです。

          古川緑波「氷屋ぞめき」

          アポリネール「青い眼」

          本日はアポリネール「青い眼」(堀辰雄・訳)を朗読しております。 修道院の廊下で、こちらを見つめている青い眼とは…? フランスの修道院で暮らす少女たちが、塀の向こうの遠くから聴こえてくる角笛の音をきっかけに娘として目覚めていく様子が、あやしく、美しく、瑞々しく描かれている短編です。 ギヨーム・アポリネールといえば、ピカソやアンリ・ルソーとの交流、そしてなんといっても、マリ―・ローランサンとの恋を思い出します。 彼女との恋の終わりをうたった名詩「ミラボー橋」は、シャンソン

          アポリネール「青い眼」

          芥川龍之介「沼」

          本日は芥川龍之介「沼」を朗読しております。 「おれは沼のほとりを歩いてゐる。沼にはおれの丈よりも高い芦が、ひつそりと水面をとざしている。おれは遠い昔から、その芦の茂った向うに、不思議な世界のある事を知つてゐた。いや、今でもおれの耳には、Invitation au Voyage の曲が、絶え絶えに其処から漂って来る」 …作中に出てくるこの「Invitation au Voyage」(旅へのいざない)はボードレールの詩で、アンリ・デュパルクが曲をつけた歌曲。「おれ」は、沼のな

          原民喜「椅子と電車」

          本日は原民喜「椅子と電車」を朗読しております。 ラストの男のつぶやきに、全幅の共感を私は抱いてしまいます。 特に「止まることのない電車」というのはステキ。 比喩ではあるのでしょうが、私なんぞは現実的に、心地よい天気の日に心地よいゆれに体をゆだねていると「このままずっと乗っていたい。どこにも着いてほしくない」(笑)と思うのであります。 小学生のときの夏休み。東京から2時間ほどの伯母の家に泊りがけで遊びにいくことになりました。それ以前に伯母の家にいったときは父か母といっしょで

          原民喜「椅子と電車」

          『魔女やしきのサーカス』

          児童文学創作グループ「ふろむ」編『魔女やしきのサーカス』(国土社)をご紹介♪♪♪ 「屋根の上では、さびた風見鶏が、風にふかれてギュキーギュキー…」 風見鶏の音が聴こえてくる、かわのむつみさんの表紙絵にいざなわれ、足を踏み入れたその世界は…? 小豆沢ゆう子さん「まいごのとおぼえ」🐕  山崎玲子さん「カンタさんの焼きいも屋」🍠 かわのむつみさん「魔女やしきのサーカス」🎪 加藤りょうこさん「落合くん」🦎 ちばるりこさん「黒いリフト」⛷ にしかわとよこさん「行こう! 2525ニコ

          『魔女やしきのサーカス』

          竹内浩三「五月のように」

          竹内浩三「五月のように」を朗読しております。 「なんのために生きている」「どう生きるべきか」…といった自問に、真っ直ぐに、正直に自答し、他にも呼びかけている作品です。 五月の陽光が後押ししてくれるこの理想を、人々は、いったいどれぐらい、実現することができるのでしょうか…。 竹内浩三の詩はほかに、 「金がきたら」「横町の食堂で」「夜汽車の中で」「十二ヶ月」「雨」も朗読しております。 あわせてお楽しみいただけましたら幸いです。

          竹内浩三「五月のように」

          岡本かの子「五月の朝の花」

          本日は岡本かの子「五月の朝の花」を朗読しております。 「お洒落でつつましやかで、おとなしくてお済しで、群っていても実は孤独で、おっとりしていてもなかなか怜悧で。しのびやかにしかもはればれと桐の花」 「うるんみ始めた」五月の空を背景に、ひとつの花をこんなふうに描くことができるかの子の眼に、思わずうなってしまう作品です。 その「眼」で見つめている他のさまざまな花たちの表現も、なんと美しいことでしょう。 岡本かの子の作品はほかに、「巴里のむす子へ」(岡本太郎に向けたものです)

          岡本かの子「五月の朝の花」

          「Moon River」を歌ってみました♪

          今晩は「Moon River(ムーン・リバー)」を歌ってみました。 トルーマン・カポーティ原作の映画『ティファニーで朝食を』💎💍🥐 オードリー・ヘプバーン演じるホリー・ゴライトリーが、宝石店ティファニーのショーウィンドウの前でパンをかじるオープニングシーンは、よく知られていますね。 テーマソング『ムーン・リバー』はオープニングでもエンディングでも流れますが、劇中、アパートの窓辺でホリーがギターの弾き語りで歌うシーンが、なんといってもステキです。 ちなみにオードリー主演

          「Moon River」を歌ってみました♪

          桜間中庸「月夜のバルコン」

          本日は桜間中庸「月夜のバルコン」を朗読しております。 薔薇の家のバルコニーから月を眺める…そんなシーンに私は縁がないワなんて思いつつも、何度も何度も読み返しているうち、なんだか自分も薔薇の香りに包まれて、蟻や蝶や風と話しているような気になってくるからフシギ…そんな、短い、短い詩です。 詩人であり童謡作家であり児童文学者である桜間中庸は、早稲田大学在学中に、故郷で病にかかり、二十代で夭逝しました。 桜間中庸の作品はほかに、「動物列車」「赤い電車」「獏」も朗読しております。

          桜間中庸「月夜のバルコン」