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マレーシアに色濃く残るインド系の文化

以前の note で紹介しましたが、マレーシアにはマレー系、中華系、そしてインド系の3つの主要民族の方が暮らしています。
その中でも、インド系の方は人口に占める割合は約1割と一番少ないのですが、海外におけるインド系の移民の人数では、世界で3番目の規模を誇ります。
最近、日本語の生徒さんに、新たにインド系の19歳の青年が加わりました。そこで、インド系移民の文化をよく知るために、あらためてインド系の移民の歴史などについて調べてみることにしました。

勝機を求めて移民

マレーシアのインド系移民の歴史は、19世紀後半に始まります。
20世紀の初頭にかけて、イギリスの植民地時代、マレーシアには、ゴムや砂糖のプランテーション、鉄道建設などで労働力の需要があり、インドから多くの労働者が勝機や商機を求めてやってきました。
マレーシアに移民してきたインド人の多くは、タミル人やテルグ人などの南インド出身の方で、多くはヒンドゥー教を信仰しています。

インド系移民の特徴

現在300万人近くいるとされる、インド系のマレーシア人の特徴を見てみましょう。
インド系マレーシア人は、彼らの起源であるインドと、マレーシアの文化をうまく融合しています。文化的な特徴をいくつか紹介します。

「言葉と宗教」
インドは「言語の博物館」と呼ばれていますが、インド系マレーシア人は、一般的には、タミル語やテルグ語などを話しています。
この2つの言語は、それぞれ独自の文化的背景を持っていて、インドの映画産業でも重要な役割を果たしているそうです。
宗教は、ヒンドゥー教を信仰する人々が多いです。
ヒンドゥー教の神々を崇拝していて、その中でも重要な行事が、『光の祭典』とも呼ばれる「ディワリ」です。
タミル語などが使われているマレーシアやシンガポールでは、「ディーパバリ」と呼ばれています。

「料理」
インド料理は、マレーシアの食文化にも大きな影響を与えています。
菜食主義の方も多い宗教的な背景もあり、ムスリムが多いマレーシアとは、食文化の点で非常に親和性が強いです。
ロティやカレーなどが代表的な料理で、これらの料理は、マレーシア人にも親しまれ、広く愛されています。
詳しくは、以前、インド系の方のご飯を紹介したこちらの記事をご覧ください。

「音楽やダンス」
インドの音楽やダンスは、その独特のパワフルさや音楽性、きらびやかさのため世界からも注目されていて、特にインド映画は「ボリウッド」と呼ばれ、今や大人気です。
インド系マレーシア人は、伝統的なタミル音楽や、「バラタナティヤム」と呼ばれる伝統的な南インド舞踊を楽しんでいます。

「結婚式」
インド系の結婚式は非常に特徴的で、豪華で派手な儀式や装飾に目を奪われます。会場は鮮やかな色彩で彩られ、美しい花や照明が豊富に使われています。また、金や宝石も多く取り入れられています。
結婚式の会場には、幸せの象徴とされる、大きな金のゾウが飾られています。
式は一般的に非常に大がかりで、数日間にわたることがあります。
準備は、家族全員や友人が協力して、会場の準備から装飾、衣装の準備などが行われます。
私が住むエリアはインド系の方が多く住んでいますが、結婚式があると、通常、その方の自宅前の一般道にテントを設営して式場とするため、数日間通行できなくなることもままあります。

マレー系や中華系の歴史や文化に比べて、インド系については、まだまだ知らないことも多いので、新しく生徒になった彼から、いろいろ教えてもらおうと思います。楽しみです!

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