杉原 学

校正で日銭を稼ぎながら書いたり歌ったりしてます。単著に『考えない論』、共著に内山節編著…

杉原 学

校正で日銭を稼ぎながら書いたり歌ったりしてます。単著に『考えない論』、共著に内山節編著『半市場経済』(第3章「存在感のある時間を求めて」執筆)。哲学専攻。「高等遊民会議」世話人。日本時間学会会員。過去の仕事や作品は→https://sugihara.my.canva.site/

マガジン

  • 絶望の処方箋

    絶望した時の処方箋として。

  • 伝説の親父

    はちゃめちゃだけど憎めない、図太さの権化である「伝説の親父」の奇行録。

  • ほうれん草を育てながら哲学してみた

    野菜を育てる過程は、人間が生きる過程に通じるものがあるのではないか。どうせならその気づきをここで書いていくのもいいのではないかと思い書き始めたプランター栽培日記。農家さんや家庭菜園の経験者からすれば、「何を今さら……」と思われるようなバカバカしいことばかりだと思いますが(笑)、自分のためのメモのような感じで書きました。

  • お役立ち

    ものづくりに生きる人たちの参考になりそうな記事を集めています。

最近の記事

  • 固定された記事

プロフィールなど

◾️略歴文筆家。1977年、大阪生まれ。コピーライターを経て社会人大学院へ入学。自殺予防をテーマに修士論文を執筆。現在は「人間にとって時間とは何か」をテーマに研究・執筆を続けている。世界で最も非生産的な会議「高等遊民会議」世話人。かがり火WEB共同主宰。日本時間学会会員。趣味はどうでもいいエッセイを書くこと。純喫茶によく吸い込まれます。 お仕事のご依頼、お問い合わせはこちらよりどうぞ。 オフィシャルサイトは下記より。 ◾️杉原学オフィシャルサイト https://sugiha

    • 「俺がやらなきゃ誰がやるんだよ」

      ふと思い立って、朝から下北沢にある老舗喫茶店に行ってみた。 人あたりのいい女性の店員さんが席を案内してくれる。 店内は年配の常連さんで大いに盛り上がっている。常連ばかりのお店は基本的に苦手だが、ここは不思議と居心地がいい。 ブレンドとチーズトーストを注文。 やがて別の常連さんが入ってきて、店内の常連さんと挨拶を交わす。 「どう?相変わらず競馬やってるの?」 「俺がやらなきゃ誰がやるんだよ」 「いや、けっこうみんなやってるよ」と、僕は心の中でツッコミを入れる。

      • 軽井沢ひとり旅の記録(1泊2日)

        2024年5月のゴールデンウィーク開け。 ふと思い立って、ずっと行きたいと思っていた軽井沢へ。 1泊2日のひとり旅。 図書館で『るるぶ』と『まっぷる』を借りて、YouTubeで軽く予習。 JR東日本の「びゅうトラベル」で新幹線と宿を予約。15,100円也。 と、そんな軽井沢ひとり旅の記録です。 よければ新緑の軽井沢を一緒に味わってください! 【1日目】日曜日の朝、9時28分発の新幹線あさまに乗って、大宮から軽井沢へ。 10時10分に軽井沢駅着。 駅の観光案内所のお姉

        • 【開催報告】「【人生のピンチ生き延びメソッド】をシェアしよう!」@湯島サロンを終えて

          2024年5月11日、「【人生のピンチ生き延びメソッド】をシェアしよう!」を湯島サロンで開催しました。 当日は思いがけず15名もの方が参加してくださり、うれしい誤算(笑)。 まず参加者のみなさまに簡単な自己紹介をしていただき、そこから計11個の「杉原流生き延びメソッド」をご紹介しました。 ここで最も強調したいのが「⑪湯島サロンに参加する」であることは言うまでもありません(笑)。 その後に、参加者全員にそれぞれの「生き延びメソッド」を発表していただきました。 これがま

        • 固定された記事

        プロフィールなど

        マガジン

        • 絶望の処方箋
          75本
        • 伝説の親父
          14本
        • ほうれん草を育てながら哲学してみた
          14本
        • お役立ち
          1本

        記事

          【イベント】「【人生のピンチ生き延びメソッド】をシェアしよう!」@湯島サロン(5/11)

          生きていれば誰しも経験するであろう「人生のピンチ」。 借金、孤独、失業、離婚、困窮、うつ、失恋……。いろいろあると思いますが、そんな時こそ、人は自分なりの「生き延びるための技や考え方」を編み出すのではないでしょうか。 「あの時、どうやって乗り越えたんですか?」 そう聞かれたら、みなさんどう答えるでしょうか。 ひとまず話題提供として「杉原流生き延びメソッド」をいくつかご紹介し、みんなのメソッドを交換し合えたらいいなーと思っています。 かつてピンチを乗り越えた人も、いま

          【イベント】「【人生のピンチ生き延びメソッド】をシェアしよう!」@湯島サロン(5/11)

          利き手だから上手に使えるのではなく、ずっと使ってきたから上手になったのだ

          僕は左利きだ。だからボールを蹴るときも左足で蹴る。 「何で左足でそんな上手に蹴れるんですか?」 と聞かれたら、「左利きなので」と答えるだろう。 でも、これは半分合っているけれど、半分間違っている気がする。 たぶん本当は、「左利きだから、左足で上手に蹴れる」のではなく、「左足でずっと蹴ってきたから、左足で上手に蹴れる」のである。 たとえば、僕は左利きだけど、鉛筆と箸は右手で使う。これは子どもの頃に矯正されたのである。こういう人はけっこういるのではないか。 矯正したの

          利き手だから上手に使えるのではなく、ずっと使ってきたから上手になったのだ

          鉄板土産「ひよ子」の末路

          久々に大阪の実家に帰った。 お土産に買ってきた「東京ひよ子」を親父に渡す。 僕の中で「ひよ子」は、誰もが喜ぶ「鉄板土産」である。 夕食のあと、親父とおかんと三人で「ひよ子」を食べることになった。 「ひよ子って、福岡のやつちゃうんかい」 と、怪しむようにパッケージを上から下から眺める親父。 「そうなん?でも東京って書いてるで」と僕。 一応ネットで調べてみると、確かに発祥は福岡らしい。 「それ見てみい!」と勝ち誇る親父。なぜかこれ見よがしに、「ひよ子」のパッケージ

          鉄板土産「ひよ子」の末路

          「いるべき場所にいること」(どんぐり同士の会話から)

          去年(2023年)の秋ごろに拾ったどんぐり。 二つのプランターに植えてみたけど、いっこうに芽が出ない。 「やっぱりそううまくはいかんよなあ」と、そのまますっかり忘れていた。 ところが今年(2024年)の2月末に、プランターのひとつから、ピョコンと芽が出始めた。そうすると後は早いもので、いまでは15センチくらいにまで生長している。 だが、もうひとつのプランターのほうは、うんともすんとも言わない。なんだかんだでまだ寒いので、土から出るのを恐れているのかもしれない。 そこ

          「いるべき場所にいること」(どんぐり同士の会話から)

          ついにコロナに捕まった。〜新型コロナ感染記〜

          「ここまで来れば、もう逃げ切れるだろう」と、知らず知らずのうちに油断していたのかもしれない。 ついにコロナに捕まった。 せっかくなので、コロナに感染してから回復するまでのプロセスを、「新型コロナ感染記」として、適当ながら残しておいた。というのも、僕自身が、他の人の「感染記録」をネットで見て、いろいろためになることが多かったからである。 恩送りではないけれど、これからコロナにかかる予定のある方(?)に、少しでも役立てていただければ幸いである。 【0日目】若干の吐き気前日

          ついにコロナに捕まった。〜新型コロナ感染記〜

          自分のホームポジションを持つ

          パソコンで文字を打つとき、「なんとなく今日は速く打てるな……」という時と、「なんかうまく打たれへんな……」という時がある。 「その日の調子の問題かな?」と思っていたのだが、やはりそこには明確な要因があるようだ。そのことに最近ようやく気づいた。 速く打てている時は、手の「動く部分」が少ない。いわゆる「ホームポジション」に手が固定されていて、指だけが動いている感じ。 速く打てなくて、しかもタッチミスが多い時というのは、手がホームポジションに固定されていなくて、手ごと動いてい

          自分のホームポジションを持つ

          漫画『BLUE GIANT』名言集

          2023年の個人的No.1ヒットとなった『BLUE GIANT』(石塚真一著)。幼い頃に母親を亡くした宮本大が、世界一のジャズプレーヤーを目指して成長していく物語である。 友人に勧められて観た映画で感激し、漫画を全巻買い揃え、一気に2周読み切った。2023年は人と会うたびに「『BLUE GIANT』観ました?」ばっかり言っていたので、周りにはウザがられていたと思う(笑)。 さて、そんな『BLUE GIANT』だが、コミックでは日本編(1〜10巻)、ヨーロッパ編(「SUPR

          漫画『BLUE GIANT』名言集

          「すいません、ポイント貯まったんですけど」

          思いがけず、古いに友人に会った。 「いやあ、まさかこんなところで会うとは。15年ぶりくらいかな」 などと言いながらしばし旧交を温めていると、彼女はふいに笑いだし、「コーヒーのポイントのこと思い出しました」と言う。 はじめは何のことかわからなかったが、すぐに思い出した。 当時、僕は毎日のように、某チェーン店のカフェに通っていた。 いつもテイクアウト用のカップに入れてもらっていて、その飲み口のところに、コーヒーがもれないよう楕円形の小さなシールが貼ってあった。 僕はそ

          「すいません、ポイント貯まったんですけど」

          「“よい”人生ではないかもしれんけど、なかなか“オモロイ”人生やん」(河合隼雄ほか著『こころの声を聴くー河合隼雄対話集ー』新潮文庫を読んで)

          河合隼雄の言葉はスッと腑に落ちる。それは僕が彼の思想に共感しているからというだけでなく、同じ関西の出身ということも大きい気がする。 河合はどんなに切実なテーマについて話していても、スッとユーモアを挟み、場を緩ませる。それは大阪人にとっては、ほとんど「マナー」に近いものである(と僕は勝手に思っている)。 また一方で、河合の言葉からは、その内に秘めている「厳しさ」がにじみ出ずにはいない。そんな一見矛盾するようなありようを端的に表現しているのが、冒頭で語られる「オモロイ」の解釈

          「“よい”人生ではないかもしれんけど、なかなか“オモロイ”人生やん」(河合隼雄ほか著『こころの声を聴くー河合隼雄対話集ー』新潮文庫を読んで)

          「本音がわからず精神崩壊」(映画『翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜』)

          前にテレビで観て面白かった『翔んで埼玉』。その続編が上映されるということで、映画館に足を運んだ。 今回は関西が舞台。大阪出身の僕は、舌舐めずりしながら劇場のシートに腰をかけることとなった。 観て思ったのは、「自分をディスるのは遠慮なくできるけど、他人をディスるのはやっぱり気を遣うよな〜」ということである。 大阪、奈良、滋賀、京都、和歌山、神戸(笑)などを面白おかしくディスるわけだが、やはりどこかに遠慮がある。炎上を恐れてか、「大阪人はほんまは人情の厚い人間なんや〜」みた

          「本音がわからず精神崩壊」(映画『翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜』)

          世界は「偶数的なもの」と「奇数的なもの」でできている

          「世界は数字でできている」 というピタゴラスの思想が正しいかどうかは置いといて、ある時、ふと、こんなことを思った。 「世の中のあらゆるものは、『偶数的なもの』と『奇数的なもの』に分けることができるのではないか?」 たとえば、こんな感じだ。 僕にとって、「8時だョ!全員集合」は偶数的だが、「オレたちひょうきん族」は奇数的である。 ……なんとなく伝わるだろうか(笑)。 ものすごくわかりやすいところで言えば、三角形は奇数的で、四角形は偶数的である。これはまあ、当たり前な

          世界は「偶数的なもの」と「奇数的なもの」でできている

          自分の考えは、常に間違っている可能性がある

          「本を読む」というのは、よく考えてみると不思議な行為である。 読書の大切さを否定する人はあまりいないと思うが、じゃあ「読書だけの人生」があったとして、それを肯定することはできるだろうか。 文字通り万巻の書物を読み漁り、誰にも負けない知識と教養を得る。だがそれらを活かすことなく、一生をただただ「読書する」ことにだけ捧げる。 もちろんこれは極論で、そんな人生は実際にはあり得ないだろう。けれども、ひとつの思考実験として、ついついこういうことを考えたくなる。 ある尊敬する人に

          自分の考えは、常に間違っている可能性がある