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第1回/指導する基本を知って驚いた自分

「マンガ家ぐるぐる回り道」の続編にあたる「マンガ講師としての道」のスタートです。
「マンガ家ぐるぐる回り道」は「自分がマンガ家になるための」・・・がテーマでしたが、今回は「マンガ家志望者を指導するための」・・・がテーマとなります。

「マンガ家ぐるぐる回り道」でのその後の私は、ある「連載」を最期にマンガ家としての引退を迎えることになりました。
「マンガを描く事の楽しさ」を感じられない「マンガもどき」の作品でした。
私から全ての意欲が消滅してしまったという「残酷な出来事」が起きたわけです。


その後、依頼も無くなりマンガの仕事は皆無となりました。
本来ならば「営業に走り回るべき」なのですが、「年齢の高い売れもしない無名なマンガ家」は「お断り」扱いとなるものなので、気力も意欲も消えたわけです。

専門学校での講師を続け、フェーマススクールズで通信講座のインストラクターとして活動を始めました。
「マンガ家」としての「経歴が役に立つ」職場として、まだ利用していただける場所だったのです。

しかし、私が歩んできたマンガ道で「新たな世界」に巡り合ったのがこのフェーマスでの仕事でした。
「マンガの描き方を指導する」仕事としては、「マンガ専門学校」も「フェーマス」も同じ内容のように思えるかもしれませんが、かなり異なるものでした。

マンガ専門学校の「マンガ講師」の仕事については「ノウハウ」が皆無だったわけですから、「何をどのように教え指導したらいいのか」という「指導要項」がありません(マンガに関してはそもそも存在していなかったのです)。

「教える・指導するとはどういう事なのか」が分からないまま、ほぼ全てのマンガ家は専門学校で「自己流の講師」をしてきているはずです。
マンガ家としての実績は十分に持っていますが、マンガを指導する講師の経験はありません。

マンガ家の先生には「アシスタントを指導した経験」はもちちろんあるはずですが、「アシスタント」と「マンガを1から学び始める人」とはまるで異なりますから、同じように指導できるわけがありません。
「自分流のマンガ論とノウハウ」を伝え「先生の作品を仕上げる事」が目的ですから本来の「教育」とは次元が異なるものなのです。

マンガを描くには「共通するマンガ制作の基本」を身に付けてないと描けるものではありません。
その「基本・基礎を指導する」には「共通する指導基本」が必要ですが、残念な事に存在していませんでした。

新しいものが見えてきたので、面白くてたまらなくなってきたのでした。
この「楽しさ」は、「マンガを描き始めてワクワクした楽しさ」に似ていたのが嬉しかったのです。

つづく


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