祈願上手《毎週ショートショートnote》
「二礼二拍手一礼…」
最後の高校生活が始まる前、僕は友人と神社に来ていた。
特に部活に入っているとか何か近い大会があるとかじゃない。
ただなんとなく、来たら思い出になるよなという思いがみんな一緒だっただけ。
「そんな緊張すんなって。」
「いやー、神様の前じゃミスれないっしょ…。」
彼はどうやら神社に来るのが初めてらしく、ずっとルールを唱えている。
「二礼二拍手一礼…」
ぞろぞろと動く列、いつの間にか目の前には賽銭箱。
「…鈴!?」
「最初にならせばいいよ。」
「さすが祈願上