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ふるさとの話

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随分 長く生きてきた。 思い出を徒然なる ままに書きました。 読んで頂けると 幸いです。
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メンテナンス日

メンテナンス日

昨日
高知から帰宅したが
今日はメンテナンス日だ。
街中に出る…..
曇り空で蒸し暑い。
だんだんと嫌な季節が
近づいてくるな….
福岡市の中心地天神
平日でも流石に人が多い
衰退する地方都市とは
雲泥の差だなと
実感した。

高知は"飲んべえ天国"で
飲食店は沢山あり
旨い酒と新鮮な魚介類を
肴に議論好きな
人々が賑やかに集い
陽気を辺り一面に
振りまく場所だ。
今も昔も変わらない
暮らしぶりが

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帰路につく

帰路につく

弟と一緒に列車に乗った。
二人であれこれ話して
あっという間に岡山に
つき
弁当を買って
気ぜわしく食べる。
なんせ広島は直ぐにつく….
弟の背中を見つめる
広島駅に列車が滑り込む
ホームに立つ弟と目を
あわせて名残りを惜しむ。
にっこにっこの笑顔で
ずっとずっと
手を振る姿に涙が….
やがて
列車が動き出して
弟が視界から消えていく。

かろうじて涙をこらえる
お互いに
もう
今生の別れかも知れ

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荷造りをした。

荷造りをした。

慌ただしく
今日が過ぎていく。
早くも荷造りをした…..
帰省する前の弾む心は
無くなり
ずっと居たかったという
思いが心に広がり
哀愁に覆われそうになり
折れそうな気持ちを
引き立てる。
やっぱり遠いなぁと
実感している。

後悔はしないが
  反省はしている。
しかし
弟が家族のいる広島に
行くので一緒に出る。

大人になり
久しぶりに一緒に
列車に乗って出かける。
お互いにめったに
会う事も

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墓参り

墓参り

山の上にある墓に
お参りに行く。
昨日とうって変わり
晴れになり日差しが
強くて暑い。
見張らすと遠くに海が
光っている。

太平洋が見えている….
キラキラと輝ききれいだ。
博多の街の海は
日本海だから暗くて
深い群青色だ。
冬になると一層暗く
鈍い色の波が打ち寄せる。

夜は
母が信頼していた
ヘルパーさんが来て
弟と3人で食事をした。
生前の母のユニークな
人となりとエピソードで
話題が絶え

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友だちに会う

友だちに会う

私たちは
6年間女子校で学んだ
友だちだ。
ベビーブームの時代
女子ばかり1クラス65名
しかも13クラスあった。
何でも競争の世界では
あったが私たちは
仲良くて……
いつも賑やかだったし
思春期を迎えた私たちは
箸が転げても可笑しい
お年頃で絶えず
キャーキャーと
黄色い声をだし
笑い転げていた。
ちょっとの事を
針小棒大に話して
"ホンマ?"と云いつつ
何でも真剣に受け取った。
純情可憐だっ

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祭事が終わった

祭事が終わった

母の1年祭が終わった。
大夫さんが来て
ゆかりのある方に
きて頂き無事に終わり
母がいよいよ神様になった。
神道らしく簡素で
シンプルなやり方で
小さな頃から
見馴れた形式美…..
聞きなれた祝詞が
単調に流れて
母の御霊が父の待つ
天界に駆け上がっていく。

いつの日か
二人の待つ場所に
辿り着けるかなぁ。

真面目に一心に日々を
いきていたい….
沢山の愛情を与えられて
今がある。

忘れない

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故郷

故郷

駅からの道を歩いて
いたら
“こんにちは~”と
元気な声がする。
振り返ったら
ランドセル背負った
小学生女児が
"おばちゃん
 どこから帰ってきたの?"
と声をかけられ驚く。

田舎だなぁ!と嬉しい。

"誰かいるの?"と聞く
"弟がいるよ"
"なんさい?"
"70才かな?""ふーん?"

"ここがおうちだからねー"
"バイバイ"って別れた。

可愛いな….知らない人にも
今だに挨拶するんだ!と

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荷造り

荷造り

いよいよ
帰省の準備をする。
荷物は先に送っているし
お土産も購入して先に
到着している…..
しみじみ思う…..
「女ってめんどくさい」
って…..化粧品等の
日用品 服装計画。
そんなこんなを
考えても
誰かが
してくれる訳でもない
ので頑張った。

新幹線で岡山で
1度乗り換えすれば
田舎の町に着く。
連絡船に乗り
何度も乗り換えて
丸1日かかっていた時代を
思うと
本当に隔世の感がある。

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さぁ切り替えて

さぁ切り替えて

帰省して
母の1年祭をする。
準備をしないとねー
昨日は
ワンダーランドに
3人の王子様が降臨して
沢山のエネルギーチャージをしてきた。
勢いを保って
週末からの怒涛の日々を
乗り切らないと…..と
なんか氣が焦る…..
お土産は
博多名物
"明太子"が喜んで
貰えるので早めに
購入して実家に送る。
なるべく荷物を軽く
身軽に帰りたいと
ひたすら
そう願って
小さなカートに
最低限の物を詰める。

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暑いがな

暑いがな

今日は
ぐんぐん気温が上がる。
着ている物を1枚ずつ
脱いでいく…..
やな感じの暑さだ。

コロナの家人は
今日は
元気そうで良かった。
昨日は
ふよふよと寝ていたので
ちょっと心配した。

そんなこんなで
うちの中であれこれと
用事を済ませていく。

帰省の準備がある….
下着等は
古い物を捨てる…を
前提に持っていくとする。

田舎の駅は
エスカレーターなんぞ
氣の利いた物は何もない。

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雨の音

雨の音

明け方に
激しい雨音に氣づいて
起きたが時計はまだ6時
もっと寝ようって
布団にもぐり込む…..
とても細やかだけど
大きな喜びだ。

今日は少し肌寒い….
そうはいっても
こたつは片付けようかな。
5月が目先にみえる

帰省の準備をしなくては

気持ちばかりが前に
進み….いかんいかん…
持ち物リストを作成…..
しないとなぁ….
今回は新幹線を使って
帰省する。
何といっても乗り換えが

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晴れたよ~

晴れたよ~

高速バスに乗車して
街中に出る。
いつもより1つ早いので
乗車率高め……
平日でも人が多いな。
連休中は街中には
出ないスケジュールに
してやり過ごす…
あけたら怒涛の日々が
始まり
帰省して
母の1年祭をする。
親戚の少ない家で
母家も代替わりして
ますます身内が少なく
なってきた。
2人いた従姉妹も
1人は亡くなり
1人は関東住まいで
もう20年以上会ってない。
お互いに
大学を遠く離れた場所

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みかん

みかん

生まれ育った高知は
日照時間と日差しの
強さが関係してるのか
果実が美味しい場所だ。
冬のみかん女王は
何といっても文旦かな….
土佐の小みかんも甘くて…
しかし
小夏が大好きだ。
3月下旬から4月上旬が
旬で短期間でなくなる
貴重なみかんだ。
皮をペティナイフで
剥いて薄皮と共に
食べる。
甘くて爽やかなみかん
私の中では1番だ。

母が生きていた頃は
それぞれに時期がくると
"ご近所の方やお友

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雨

"木の芽おこし"の
雨が降る…..
春めいてきたな…..
今日は
ふと子どもの時分に
野山で春を感じた事を
鮮明に思い出した。

まだ寒い時期に
ふきのとうをみつけたり
少し暖かくなると
小さな花が群生している。
シロツメクサで
器用なお姉ちゃんが
花かざりを作ってくれる。
タンポポやかたくりの花…
素っ気なかった野山に
素朴な彩りで春だよ….と
知らされて….
暗黙の了解があったかの
ように子ど

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