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森晶麿ホラーマガジン

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記事一覧

ホラー掌篇「となりの家の子」

 出勤前の朝のゴミ出しは憂鬱な仕事の一つだが、今日はそうでもなかった。なにしろ、連れがい…

森 晶麿
4か月前
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怪談「しめさば」

 死んだ兄の恋人の香苗に聞いた話である。  故郷を離れて3年、兄はずっと真面目な銀行員だ…

森 晶麿
8か月前
43

怪談「ねことおおやと祭りの夜」

「もうそんな大きぃなったかぁ、坊主、すごいのう、おじちゃんびっくりや」  大家さんは、我…

森 晶麿
8か月前
19

【ショートショート】魔物

「勇敢だな、みずから森に入ろうと志願したんだって?」  老人は酒臭い息を吐きかけながら言…

森 晶麿
1年前
13

ホラー掌篇「鵜凪のいる夏」

「まゆみはもう宿題は終わったん?」  篭野のばあやはいつもそう尋ねる。まだ夏休みも始まっ…

森 晶麿
9か月前
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【ショートショート】かき氷だった女

「かつて私がかき氷だった頃の話よ」とその女は唐突に語りだした。 知人のパーティーの二次会…

森 晶麿
1年前
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ショートショート『ゴミ置き場の茜ちゃん』

 帰り道に、京子はまた茜を見てしまった。茜は大抵ゴミ置き場にいる。いない日もあればいる日もあって、だから学校の子たちも茜を見た子と見ていない子がいる。でもたぶん、京子がいちばん茜を何度も見ている。  浅野東町のゴミ置き場は、川沿いにある。川には鷺がいて、いつも早朝は狩にいそしんでいる。夕方にもやっぱり鷺はいる。相変わらず狩をしているが、ただ日が沈むのを待っているだけのもいる。  ぎぃいいいい、と鷺が啼くのが、だいたい茜の現れるサインだ。鷺が一声上げて飛び立ったのに気をとられ、