minimalist masao

自分なりのミニマリストを追求する。読書感想文を書いたりします。おすすめの本があれば教え…

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自分なりのミニマリストを追求する。読書感想文を書いたりします。おすすめの本があれば教えてください。

最近の記事

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 -箒木蓬生-

偶然立ち寄った書店で目にしたこの本は、あるラジオ番組の一節を思い出させてくれました。 「人は事象を物語に当てはめ、わかった気になる」という話でした。この言葉が引き金となり、ネガティブ・ケイパビリティ――すなわち、簡単には理解できないことを受け入れる力――について学んでみようと思いました。 日々の生活の中で、私たちはしばしば複雑な事柄を単純化し、表面的な物語をその上に被せることで、全てを把握したと錯覚します。 ビジネスの世界では、速やかな判断と行動が求められるため、この方

    • 頬に悲しみを刻め -S•A•コスビー

      この感想文はネタバレを含まないよう注意して書いていますので、ご安心ください。 ちょっとした時間つぶしの予定で立ち寄った本屋で、この本と出会いました。一緒にいた友人が「次に読む予定で、小島秀夫も絶賛していた」と話していたのを聞き、興味を持って購入しました。 本書は単なるミステリー小説ではありません。LGBTQの問題と、それに対するアメリカ社会の反応が深く絡み合っています。登場人物たちが異常者扱いされるシーンは見ていて辛いものがありますが、これが彼らにとっての日常なのでしょう

      • 自分を受け入れるスヌーピー -チャールズ・M・シュルツ

        前作「心をととのえるスヌーピー」の続編が発売されたと聞き、早速読んでみました。 今回の作品は多様性をテーマにしており、ピーナッツのコミックと禅の教えを組み合わせた独特の形式で、さまざまな考え方を紹介しています。 この本は、自己反省の言葉や物事の見方に関する洞察を通じて、日々の生活をより充実させるための哲学が散りばめられています。タイトルが示す通り、読むことで心が整う感覚を得られるでしょう。 特に印象に残った禅語が二つあります。「山僧活計茶三畝 漁夫生涯竹一竿」と「枯木裏

        • 変な家 -雨穴-

          マンガアプリで「変な家」のコミカライズ版の試し読みを手に取りました。その試し読みが予想外に面白く、続きが気になり、原作を購入することにしました。 この本の最大の魅力は、典型的な「事件が物語を推進する」方式を取らず、独自の流れで物語が展開する点にあります。一般的には、呪われた物件が舞台となり、そこで起こる超自然的な現象を探求するというパターンが多い中、この作品では異なるアプローチを見せています。 特に、霊的な要素が一切登場しないため、物語全体を通じて、人間自身の持つ不気味さ

        ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 -箒木蓬生-

          スマホ脳 -アンデシュ・ハンセン

          私は何週間か前から、SNS断ちをしていました。 本を読み進めたいのに、ついついXやInstagramを開いてしまい、読書に対する集中力が落ちていたからです。 そんな折に目に入ったのが本書でした。 以前デジタルデトックスに関する書籍を読み、スマホの影響はある程度知っていたわけですが、人間のメカニズムの検知からも学んでみたかったわけです。 本書の中で私が最も興味を惹かれたのは、人間のとある特性でした。 人間は根源的に知識を得たいという欲求があり、それに対して報酬系が機能すると

          スマホ脳 -アンデシュ・ハンセン

          メンタル脳 -アンデシュ・ハンセン-

          アンデシュ・ハンセンさん新作?という事で読んでみました。 結論から申し上げると、ストレス脳を10代向けに読みやすくしたものです。 ストレス脳は素晴らしいけど、ティーンエイジャーや本が苦手な方にオススメしたい!という場合に、ピッタリです。 私にとってはおさらいでしたが、自分自身について学び、知る事の重要性を改めて実感しました。 皆さんは夜中にクローゼットから物音がしたら、どうされますか? 何か得体の知れないものが息を潜めているかもしれない…なんて考えてしまい、恐怖で眠れ

          メンタル脳 -アンデシュ・ハンセン-

          水曜日は働かない -宇野常寛-

          散歩がてら隣駅の路地裏にある、こぢんまりとした書店に入り、本屋っていいなぁと思いながら店内を彷徨いていると、気になるタイトルが目に飛び込んできました。 「水曜日は働かない」 私が願ってやまない生き方が示されたタイトルに心奪われ、購入しました。 いわゆるパケ買いというやつで、内容は一切知らぬまま買ったため、読んでみて初めて本書がエッセイというジャンルに括られるものだと知ったのです。 私は所謂自己啓発本みたいな書籍を読む事が多いため、正直どうなのだろうと思っていたのですが、

          水曜日は働かない -宇野常寛-

          小説 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(上) -後藤リウ-

          先日映画の機動戦士ガンダムSEED FREEDOMを観てきたのですが、大満足でした。 そして小説版には、映画で出しきれなかった、細かな設定が楽しめるとのことだったので、読んでみました。 結論から言うと、裏話だけでなく、キャラクターの心理描写がしっかり描かれており、また映画を観に行きたくなりました。 本書の感想からは外れますが、SEEDの放送当時、中学生だった私は、人間ドラマガン無視でモビルスーツの戦闘シーンが観れれば満足でした。「くよくよしてないで、早よ戦え」と思っていた

          小説 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(上) -後藤リウ-

          100分de名著 中江兆民 三酔人経綸問答 -平田オリザ-

          タイムパフォーマンスなんて言葉が生まれるこの時代に、名著をわかりやすくまとめてくれているありがたいシリーズがあるということで、読んでみました。(著者のフィルターがかかっているということを頭の片隅に置く事も重要ですが) さて、どのシリーズから読もうかと思いましたが、せっかくなので新めの号からと読み始めたのが三酔人経綸問答でした。 日清戦争よりも前の時代に、ここまで見通していたというのが驚きであったのですが、同時に話し言葉と書き言葉が完全には一致していなかったというのが、意外

          100分de名著 中江兆民 三酔人経綸問答 -平田オリザ-

          ストレス脳 -アンデシュ・ハンセン-

          「ストレス」との向き合い方は、多くの人にとって課題になっているように思います。 かくいう私も、色々な本を読み漁っては、あれこれ試しています。 本書はストレスを、人間の脳の仕組みから紐解いたものです。 メンタルが弱いなんて表現がありますが、実は弱いなんて言葉は適切ではなくて、脳が人を生存させるための機能が正常に働いている証という話であったり、過剰な脳の反応は、徐々に緩和する手段があるなど、仕組みが理解できるだけで、ここまで見方や意識が変わるのだと驚かされます。 ストレスや

          ストレス脳 -アンデシュ・ハンセン-

          近畿地方のある場所について -背筋

          妻から読んでみて欲しいと言われて、購入しました。要は人柱です。 ホラー小説は「残穢」以来久しぶりでしたが、かなり楽しめました。 とある地方に関連するいくつもの怪談話と、メインストーリーが交互に展開される面白い構成となっており、徐々にその全貌が見えてきます。 ネットなどで怖い話を見るような、フィクションを楽しむ感覚と、恐怖が現実のものとなり、にじり寄ってくる感覚の両者を味わえるなと感じました。 怖い話や映画で眠れなくなる方は避けた方が良さそうですが、それ以外で興味のある方は

          近畿地方のある場所について -背筋

          DIE WITH ZERO -ビル・パーキンス

          なかなか刺激的なタイトルですが、過激な考え方ではありません。 私もそうですが、老後に備えて貯蓄を続けるのは、多くの人が持つ価値観だと思います。 本書はその価値観に「待った」を唱えるものです。 「楽しみは老後にとっておき、今は働く。」それって本当にできるの?歳を取れば身体は思うように動かなくなり、やりたい事があってもできなくなっていく。子育てにおいても、仕事にかかりきりで、子どもの成長を日々近くで見守る機会も減る。あなたが死ぬ時、それで後悔しませんか?といった内容です。

          DIE WITH ZERO -ビル・パーキンス

          ユーモアは最強の武器である スタンフォード大学ビジネススクール人気講義 -ジェニファー・アーカー/ナオミ・バグドナス-

          私はユーモアのセンスは持ち合わせていない。 他人から見れば、真面目で面白みのない人間だろう。 そんな私が本書を手に取ったのは、少しは面白い人間になりたいと思ったからだろう。 ※もうこの時点でつまらない書き出しだが… 本書にはユーモアの効果と、取り入れ方が細かに記載されている。 それだけでなく、そこかしこにユーモアが散りばめられているので、クスッと笑わせてもくれる。 そして、全国の寒いギャグを飛ばしている方にとって必読の内容もあったので、是非とも抑えて欲しい。 ユーモア

          ユーモアは最強の武器である スタンフォード大学ビジネススクール人気講義 -ジェニファー・アーカー/ナオミ・バグドナス-

          🎾YONEX PERCEPT100試打記録①🎾

          今回は読書感想文ではなく、テニスラケットの試打記録です。 まず、私のプレイヤーとしての情報は以下の通り。 ・30代週1でテニススクールに通う、初中級プレイヤー ・フォアのグリップは、セミウエスタン ・バックは両手で、両手ともほぼコンチネンタル ・サーブのグリップは、コンチネンタルより薄い ・今使用中のラケットは、バボラのピュアアエロ2022 次に比較条件。 ・ガットはヨネックスのポリツアーレブ ・ポンド数は両方とも47 ・アエロはガットと振動止め(イオミックショックレス)

          🎾YONEX PERCEPT100試打記録①🎾

          世界一やさしい「才能」の見つけ方 -八木仁平-

          今年の上期は仕事で本当に苦労した。 マネジメント職なわけだが、担当部門で思うような結果が出ず、クライアントや上長から詰められ、マイクロマネジメントや恐怖政治をせよと勧められ、その通りにした。 部下との向き合い方も変えたが、本当に辛かった。 マネジメント職になる前は、プログラミングをしており、またやりたいとも思っていたので、転職も考えたが、本当にやりたい事なのか確証が持てず、まごついていた。 そんな中で、仕事探しの一助になるかと思い、本書を手に取った。 結論は、自身の才能

          世界一やさしい「才能」の見つけ方 -八木仁平-

          運動脳 -アンデシュ・ハンセン-

          読みたい本リストに入っていて、ようやく読めた。 どんな脳トレアプリやサプリメントよりも、運動が脳に良いという内容だが、記憶力が上がりますよとか、想像力が豊かになりますよというものだけではないらしい。 どうやら、ストレス耐性もつくのだそうだ。(ストレスを感じるのも脳だから、当然と言えば当然なのだが…) ただ、これはなんとなく実感していたものでもあって、コロナ禍以降毎日徒歩出勤(片道30分程)をしているのだが、歩いていると仕事の精神的なしんどさが幾らか和らぐようになった。 ま

          運動脳 -アンデシュ・ハンセン-