みずたまりに青い空【詩物語】
915文字
六月の青空が流した涙でぼくは生まれた
あついアスファルトのくぼみに生きてる
ぼくはみずたまり
ひとはぼくをよけて歩く
雨上がりの午後の街は夏のにおい
そろそろ暑くなるころ
ネコさんをそっと見送り
のどのかわいたスズメさんをむかえる
忙しそうに歩くひとたち
たくさん行ったり来たり
誰にも気にもされずに
踏まないようによけられて終わるだけ
くつをぬらさないように気をつけてね
ときに青いクルマが勢いよくバシャリ
ぼくをふんで走り去ってゆくけど
そのたびにぼくの