ちゃんと急いで子供をやめられないよ。

起きたら夕方で、でも外は明るいからまだ昼みたいで、時計を見たら昼前だった。頭が混乱して、今がいつなのか分からなくなったけど、時計が止まっているだけだった。簡単なことだ。そんな単純なことに騙されて、まるで被害者みたいな面をする愚か者です。

ちょっと綺麗な格好に着替えて、最近好きなアルバムを聴きながら買い物へ行った。古本屋に行きたかった。欲しい本はなかった。

ついでに寄ったスーパーは閉店時間ぎりぎりだったけれど、必要なものは買えた。

店内は小さい子供と言い合う母親の声が響いていた。店から出ると、出口のところでまだ駄々を捏ねていた。親って大変だな。

道端にいるカマキリだと思ったら新芽だった。

電灯が明る過ぎて飛行機や星が埋もれていた。音とわずかに見える光が動いていた。

帰り道はもう暗くて、少し寒かった。でも気持ちよくて自由な感じがした。公園でお酒を飲んだりしたい気分だった。でもそんな友人がいるわけでもないから帰った。

それから音楽で時間を溶かしていた。画面の前に齧り付いていた。全てを放棄して逃げていた。

そこらへんの子供の方がよっぽど大人みたいだ。友人とそれとなく今の話ができて、朝起きて同じ場所へ通って、昼間中決められた流れに乗って、帰宅してからも宿題をして、流行りのゲームや漫画や番組を吸収して、大人に向けて子供らしさを振り撒いて、それを毎日延々と繰り返している。本当に永遠みたいな子供時代が終わって解放されたはずなのに、身につけられなかった自制心が規律を破壊していく。それなら全部壊してくれればいいのに、中途半端なところで怖くなって辞めるものだから、ただ汚くなって放置されている。こんな状態で渡されたってもうどうにもできないよ。そして全てから目を逸らすために何かに没頭するんだ。

いつかきっと奪われることが決まっているなら、その後もなんとかなるように自分で作っておきたい。夜起きてるんだから、溶かしても残るものを作ってみたい。

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