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感想 口訳古事記 町田康 下品すぎてびっくりした。腹がよじれるほど笑ってしまいました。町田節さく裂でした。

あぎゃああああ、チンポおおおおっと一声叫んで絶命した。建波邇安王はドウと倒れ絶命した。ほぼ即死であった。



どんな死にざまなんだと思ってしまう。

これ古事記を小説にしたものである。

脱糞していた。汚い話しだが、ふんどしの隙間から人糞がはみ出ていた。なので、その地はそれ以降、糞ばかまと名づけられた。


もう一つ地名。

ええ感じで会えたのう。俺、ええこと思いつきましたわ。なんやねん、ええ感じで会えたんで、ここのことをこれから会津っていいません。ええがな。そうしょう。と言うことで以降、そのあたりを会津と呼ぶことになった。



めちゃぐちゃいい加減です。
神も英雄もみんなええかげんな人ばかりです。

他にも、有名な天照大神が岩戸に隠れていたのをおびき出すため踊りをやってた話しなのですが、女が性器をチラチラみせて男どもがうぎゃーーーって感じで大騒ぎしていたとか・・・・、それが気になって覗いたら・・・。

イザナミイザナギの死の国での逸話もホラーコメディみたいにしたりとかなりふざけています。


本書の原動力は、町田語とも呼ばれている南大阪言語でまくしたてるテンポの良い口調にあり
義経記を扱った

ギケイキ でも同じようなパワフルな感じでした。



口訳古事記とは、たぶん、町田康の康訳のような気がします。

今回はとくに下品でした。
うぎー、うぎゃー、やめてー、いたい、いたいを何度も何度も使い
神や天皇家の人たちをバカみたいに笑いものにしています。

古事記というと、少し天皇制をリスペクトするような内容のものが多いし、そういう読み物なのですが、本書にはそんなものは微塵もありません。

正確に古事記を知りたいなら、阿刀田 高『楽しい古事記』を読まれたほうがいいと思います。

とくかく笑える。
あほみたい。

だいたい、神話という嘘話し自体がぶっ飛んでいますし、それをさらにぶっ飛んだ風にしたからって問題があるとは思えません。

下品な面白みが凝縮された話しでした。

2024 5 16



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