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妊活の入り口で挫折した話〜キャリア女性の妊娠に対する葛藤〜

振り返ると、わたしにとって20代のキャリアは子どもを持つことに対する意識にかなり左右されていました。
新卒からの20代前半の頃は「子どもを持つ前に一人前にならなければ。仕事で居場所を作らなければ」とかなり焦って仕事をしていたし、結婚してからの20代後半は、当たり前に妊活や妊娠をする周囲と子どもを積極的に持ちたくない自分とのギャップや、今妊娠したら手に入れたキャリアが0になってしまうという恐怖にいつも苦しんでいたように思います。

30代になりキャリアも生活もある程度落ち着いてきた今のわたしの視点から、自分の気持ちとのギャップに苦しんでいた妊活当初の状況を改めて振り返ってみたいと思います。

なお「妊活」といっても医療機関で治療をしていたわけではなく、検査を受けた上で自己流で行なっていただけなのですが、同じく入口で挫折する方も少なくないのでは…と思い、当時の失敗談を書いてみます。



妊活に向けて、完璧な準備をしようとした

当時のわたしは、何事も準備万全に、リスクを最小限にしてから始める性分だったので、まず妊娠や子育てに関する本をとにかく読んでさらに妊娠子育てブログを読んで…ということをしまくっていました。

準備をして妊娠・子育てに臨みたいけど何を心構えていいのかわからない。
当時はまだ親しい友達に子持ちの人が少なかったこともあり、生の声が聞けず不安だったのです。

そして婦人科に行きいわゆるブライダルチェックをして、体に不安要素がないかも確認していました。
(そもそもブライダルチェックって不思議な名前ですよね。結婚していなくてもヘルスケアのために受けて良いし、結婚したからって子どもを設けるとは限らないし)

ブライダルチェックや情報収集をするという行動自体は間違っていなかったと思いますが、一生懸命やりすぎた。
今まで頑張ってきた勉強や仕事と同じノリで頑張ろうとしてしまったんです。
次第に妊娠の不確実性を受け入れられず、どんどん自分を責めるようになっていきました。

子どもを持ったら、人生第一章が終わりだと思っていた

誤解を恐れずにいうと、当時のわたしは子供を持ってしまうと自分の人生が終わると思っていました。

妊娠をしたら今と同じように仕事ができなくなり、やっと楽しさが分かってきた広報の仕事に戻れないかもしれない。体調も見た目も変わってしまう。夫に女性としてみてもらえなくなる。趣味もお酒も楽しめない。
今まで積み上げてきたものを全部崩して、「母」という役割の新しい人間にならなければならないと思っていたのです。

キャリアにおいても、育休を1年とって、その期間は子育てに完全に専念しなければならないと思っていました。
だから、妊活をし始めてから転職を考えられませんでした。
もし転職してすぐ妊娠してしまったら、もう働けないと思っていたからです。

パートナーが父親になる姿を想像できていなかった

子育ては一人で行うものではないのに、母になるかもしれない自分のことしか想像できていませんでした。
父になるかもしれない夫のことを全然想像できていなかったのです。

最近つくづく思うのですが、子育てをしている男性ってめっちゃかっこいい。
もちろん女性もかっこいい、素敵だなと思ってきましたが、あまり父になった人たちに目を向けていませんでした。
というのも、6年ほど前は今ほど男性から子育てに関する話題を聞くことがなかったのです。
もしかしたら、今に比べると男性が子育てについて発信がしづらい雰囲気があったのかもしれません。

そんなわたしが今、妊娠した

妊活を始めてから約6年後の今、わたしは妊娠しています。
再婚したばかり転職したばかりの今、当時計画していたことはほとんど無意味になりましたが、考え抜いたからこそ得られたものもあります。

まず、妊活に対する基礎知識を蓄えられたこと。
これにより、今の夫と結婚前からすり合わせができました
「子どもを望むか?」「授かるまでに時間がかかった場合、治療に進みたいか」「その判断はいつするか?」などを結婚前に具体的に話し合うことができました。

そして、子どもがいてもいなくても、自分の人生に自分自身が責任を持つという考えができるようになったこと。
自分の人生は、誰のものでもなく自分のもの。
誰かの希望に従うのではなく、自分の意思で選んで良いのだと納得できたのは、妊活を始めてみたからこそ得られた考え方だと思います。
お陰でわたしなりにチャレンジングな転職ができたし、さらにチャレンジングな再婚ができて本当に良かったと思っています。

それに加えて、子育てを1人で抱え込まず家族や周囲を巻き込むという考え方を産前から意識できるようになりました。
少なくとも妊娠生活では、夫や両親に頼ることができているし、子育てが始まったら家族とどう役割分担をするか、今から話し合うことができています。

子育てについてはこれからですが、思ったよりもキャリアと妊娠は分断されるものではなく、問題なく融合できるということを実感しています。
「自分で責任を持つことができれば、未来は明るい」と、自分をかなり追い詰めていた6年前の自分に声をかけてあげたい。

今後も、具体的なエピソードや方法を交えて、キャリアと妊娠・子育てについて書いていきたいと思います。

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