のみもの@ミラティブ

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たびするのみもの。Mirrativ, Inc. ex-CTO。スタートアップとかエンジニアとか組織論みたいな個人の学びをメモっていく。ミラティブ←無職←DONUTS←研究者/PhD

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エアコンと圧力鍋で理解するボイル・シャルルの法則

今日はたぶん熱力学、化学ではなく物理の側から 熱を制するものはQoLを制するのだ ボイル・シャルルの法則圧力と体積と温度 wikipediaによると $${P}$$を圧力、$${V}$$を体積、$${T}$$を温度とすると次が成り立つ。 $$ \displaystyle \frac{PV}{T} = k $$ ただし、$${k}$$は定数。これら3つはどれかが変化すると別のどれかも変化する、そしてそれらをまとめたものは一定であるということを意味する。体積については

    • 給与体系のトリレンマ

      デフレが終わりインフレ時代に入るとき、給与体系について考える 流動性の罠ここではベンチャーっぽい会社を想定する。会社で働くある社員について パフォーマンスが悪いため給与を下げたい ただし、その社員の給与が給与テーブルの下限近くに張り付いている こういう場合にどうするか。例えば「3万円下げたいが3万円下げると等級レンジに収まらない。等級を下げたいわけではない」。こういうことはある。上げたい場合にも同じことはおきるが、上げる場合のほうが取れる選択肢が多い。実際にどう対応す

      • リモートワークとコミュニケーションのグラフ

        以前、コミュニケーションはグラフで表現できると考えた。 このときは、組織図をイメージしていたが今回はリモートと物理という観点で考えてみる。 リモートの弊害とその是正リモートワーク よく言われるリモートワークの利点は 移動が不要 作業に集中しやすい 欠点として表面化しやすいのは コミュニケーションの不足 マネジメントの難化 組織の生産性が個人の生産性とそのネットワークから計算できると考えると、前者を効率的にしやすいのがリモートワークで、後者を効率的にしやすいの

        • CxOがnoteを100本書いた感想

          今回で100本目のnoteになる。 ここに至る記録と記憶をここに記す。 推移と字数本数の推移、2022年12月までは毎週、それ以降は毎月書くようにした。 字数の推移、28万字書いた。1本あたりの平均は2800字程度だった。 テックブログとzennをあわせると30万字くらい書いている。 レコード最初の記事(2021年10月5日) 最もスキが多い記事、組織論 2番目にスキが多い記事、評価制度の更新 3番目にスキが多い記事、確率(なんで) 感想以前に得られた感想と

        エアコンと圧力鍋で理解するボイル・シャルルの法則

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          集合知と多様性の数学

          これを見ていた 集合知が働く、あるいは働かないのはいかなるときか 自分で計算してみる 多様性予測定理基本的な考え方は次の通り 平均個人誤差(個人の予測の誤差の平均)は集団誤差(個人の平均を予測としたときの誤差)はよりも大きくなり、その差分は個人の分散に等しい。 ここでは予測すべき変数が複数ある場合を想定する。確率変数として$${x_{ij}}$$を考える。ここで、$${i = 1 \cdots m}$$は予測されるべき値、$${j = 1 \cdots n}$$は予

          集合知と多様性の数学

          生産性のモデルを考える日

          働く人の生産性について考えてみる。結論として(計算に)失敗している。特に有益ななにかは産まない。 生産性労働生産性の定義は この答えは labour productivity = output volume / labor input use これだけ? 古典的な経済学ならばこれで十分だろう。ただ、現代の組織論にこれを適用するのはちょっと無理がある。 もっと研究してそうな人が絶対いそうだが、すべてを無視して自分で考えてみる。 製造仕入れて、作って、売る 簡単なモ

          生産性のモデルを考える日

          相対性理論の入門、後編

          前回の続き 今回は重力を考える。ふんわりまとめていきたい。 物体が等速直線運動する系にあるとき、距離や時間が伸縮することは前回まとめた。では、等加速度直線運動する系にあるときには何が起きるか。 はじめにエレベーターの思考実験 あなたがエレベーターの中にいるとき、次の2つは区別できない 重力が存在する状況で、エレベーターが止まっている 重力は存在しないが、重力と同じ加速度でエレベーターが上昇している ところで、後者の場合で水平方向に光を出したらどう見えると思うか。

          相対性理論の入門、後編

          2023年、おすすめ読んだ本

          おそらく今年最後のnote、読んだ本を紹介する。 面白かった本スタッフエンジニア 個人的には今年最も面白かった本。管理職ではない技術職のキャリアパスについて。事業や経営に強いインパクトを与え、付加価値を生み出すためにどのようなリーダーシップを持つべきか。いわゆる職人的なエンジニアというより、技術系のビジネスパーソンとして生きる必要があるということが書かれている。 GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた 個人的には今年2番目に面白かった本。リモートワー

          2023年、おすすめ読んだ本

          相対性理論の入門、前編

          帰ってきた物理学 量子力学は小さな世界で物理量が確率的であることを記述する。一方、相対性理論は大きな世界で時間と空間が歪むことを記述する。 空間を歪ませる正体は速度と重力である。速度を論じるのが特殊相対性理論で、重力を考慮すると一般相対性理論になる。 今日は速度の方を扱う。ちなみに質量とエネルギーもおかしなことになる。 ガリレイと相対性原理等速直線運動 「位置と時間と速度の関係」 ある物体が時刻$${t}$$に位置$${x}$$にあるとする、このとき速度$${v}

          相対性理論の入門、前編

          わかりあう願いとすれ違う依頼

          わかりあおうとする技術 続き すれ違うお願い架空の人物アリスがボブにお願いをする。 ここでのお願いとは「業務上の依頼」と理解してもらいたい。 仕様の修正を依頼する 面接の対応を依頼する 目的が共有される限りにおいてあまり問題は起きないだろう。組織において長期的関係が成立するなら、貸し借りがバランスする。自分が借りた量と貸した量が一致するようにお願いするし手伝ったりする。 一方、得られる効果が不確実な依頼はどうか この部分を追加で実装できないか 今月中に記事を

          わかりあう願いとすれ違う依頼

          不確実を提供するビジネス

          ビジネスをB2BとB2Cの2通りに分けることにほんのり疑問を抱いていた。 自己解決したのでここにしたためる。 B2B vs B2Cお役立ち情報をお借りする。 B2Bは B2Cは なるほど 誰に何を届けるか商売の基本は「誰に」「何を」提供するかである。 B2BとB2Cは「誰に提供するか」という問題で、何を提供するかについて触れていない。何を提供するかを考えよう。 B2Bはエンドユーザーに届く前のモノやサービスを提供するから、それは確実に必要なものかあったほうが確

          不確実を提供するビジネス

          スタートアップのCTOのジョブ

          たまにはCTOっぽい話を書いてみようそうしよう。 「あなたはCTOに何を求めるか」 対象読者はCEOを想定してみる。 仕事のスコープあなたの仕事 「あなたは仕事でなにをやっていますか?」 これは簡単に答えられる場合もあるしそうでない場合もある。例えば、エンジニアの仕事がなにかと聞かれたらわたしは即答できない。開発すること?うーん?会社やチームによってかなり異なるし、どの程度の粒度で答えればいいのか少し迷ってしまう。 わたしが誰かの仕事、すなわちその人がなにをやって

          スタートアップのCTOのジョブ

          CTOがHRヘッドを担ってる話

          みなさま、こんにちは。ミラティブCTOのよこて @n0mimono です。 前回の続き 前回から5ヶ月も経ってしまったな? もっと発信します。 はじめた理由ソースオブエナジー HRを管掌するようになったのは今年からですが、これをはじめた理由は端的に言って人と組織が好きだからです。さすがに抽象的すぎるのでこれまでにわたしがなにに関心をもってきたかを少し書きます。 CTOのしごと わたしがミラティブのCTOになったのは2021年からです。CTOとして主に行ってきたこ

          CTOがHRヘッドを担ってる話

          スペイン語を思い出す入門

          暑い 暑すぎるのでは? 暑いときは部屋にこもってnoteを書こう。 はじめにコミュニティガイドラインより 誰でも思い思いに創作すれば良いのだ。そうしよう。 大学1年生のときに第2外国語でスペイン語を履修したので、その時の記憶を思い起こす。普通に間違っている箇所ありそうなのでちゃんと勉強したい人は別の方の創作物を参照してもらえると幸いです。 スペイン語概要 Wikipediaによると世界で5〜6億人に利用されている。 特に利用される地域は、スペイン、北アメリカ(

          スペイン語を思い出す入門

          苦手だった確率が得意になったときの話

          久しぶりに数学ぞい 今日は高校2年生の時に苦手だった確率の問題が大学受験のときには得意になった話をする。今、中学生か高校生で数学に悩んでいるか、小学生くらいのお子さんがいるパパママの参考になれば幸いである。 昔話得意な科目と苦手な科目 高校時代のわたしの得意科目は以下の通り(成績が良かった順) 物理 英語 数学 現代国語 苦手な科目は以下の通り 化学/生物 世界史/日本史/地理 古文 漢文 要するに、覚えるものが少ないほど得意で、多いものは苦手だった

          苦手だった確率が得意になったときの話

          ミラティブ新卒エンジニアの採用基準

          こんにちは、ミラティブCTOのよこて(@n0mimono)です。 エンジニア志望の学生からよく聞かれるらしいので、ミラティブの新卒エンジニアの採用基準についてここに書きます。 ミラティブと新卒採用現在、ミラティブはビジネス職とエンジニア職の新卒採用を行っています。 これは25卒向けの記事になりますが、24卒で滑り込みたい人も募集中です。 まず、インターンと本選考の採用基準は基本的に同じです。インターンだからこう、本選考だからこう、というのはあまりありません。少し違いが

          ミラティブ新卒エンジニアの採用基準