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無知が独裁者を喜ばせる

はじめに

今の生活が抑圧されていて、不自由と感じている人はどれほどいるでしょうか?完全に自由であると考える人はあまり多くないはずで、何かしらの不満や不自由を感じているはずです。そういった不満や不自由を解消しようと立ち上がる人たちがいますが、その中にはそれらの動きを利用するだけの人がいます。彼らがそれらの解消を達成すると別の問題を取り上げていきます。彼らは問題の解消を目的にしているのではなく、不満や不自由に漬け込み扇動しているし、内容がよくわかっていない人たちをどれだけ動員できるかを見ているのかもしれません。今回は扇動を仕向けている人たちについて書いていこうと思います。


独裁主義に知性や・知能は不要

独裁主義は一つに人間または組織がその国を治めており、いわゆる人治国家です。例えば、北朝鮮や中国やロシアなどがこれに該当します。法というものが存在しますが、その上に人が存在する制度や国家のことです。日本は独裁国家とは逆で、法治国家で法の下に権力者がいます。法よりも人や組織が上位になります。
独裁主義、いわゆる社会主義や共産主義社会では知性や知能が否定されました。独裁主義の下でこれらが否定される理由は簡単で、知性や知能を持ち合わせることは権力者の脅威になるからです。社会的弱者を取り込む政党に、社会主義や共産主義を掲げていることが多いのはこういった背景です。これは単なる感情論ではなく、歴史的に見ても証明されています。
ロシア革命時に、帝政ロシア時代の皇帝ニコライとその家族はもちろん貴族階級も処刑や殺害されています。さらにロシア革命を成し遂げたレーニンも帝政ロシア時代の支配者階級や反対勢力の排除を厭わず、処刑していました。さらに恐ろしいのは、レーニンの後を継いだスターリンはレーニン以上の独裁者で粛清に注力し、反対勢力や知識階級の人間を次々に処刑していきました。スターリンは恐怖による支配を確立させたといます。
また、カンボジアのポル・ポトも同様でカンボジア内戦時に教師のような知識階級の処刑を行いました。その極めつけは中国の毛沢東です。毛沢東は中国共産党を立ち上げ、中華人民共和国を建国した人物です。彼は史上最悪の事件と言える文化大革命を起こし、粛清、賀詞を含めて5,000万人の死者を出しました。文化大革命では、中華民国時代や清朝時代の知識階級の粛清を行い、農業従事者と毛沢東に従順な幹部と共産党員を残し、ほぼ粛清しました。知識階級は独裁者にとって非常に鬱陶しい存在で、彼らは自分たちの正体を簡単に見抜け、無知蒙昧な人間であれば、付いてくると思い、こういったことを繰り返しているのです。
中国出身の石平さんは北京大学出身のエリートですが、中国共産党のおかしさや大学での学べる学問の狭さに違和感を覚えていました。天安門事件をきっかけに中国と決別することを決意し、15年ほど前に日本に帰化しました。インテリであるからこそ、中国共産党のおかしさや矛盾に気づいたのだと言えます。知識階級は独裁者にとって不要どころか目障りな存在です。


弱者の敵と認識すべし

歴史的に見て、共産主義者や社会主義者はいわゆる社会的弱者や労働者を取り込み、革命を起こしてきました。革命の結果、彼らは幸せになれたのでしょうか?一部は幸せになれたかもしれませんが、大半が以前と変わらないか、悪化したかのどちらかです。フランス革命で、王制を倒した後もロベスピエールによる独裁が行われました。革命の後に平和が訪れると信じて、行動したとしても、実際に幸せになれることは少なく、特に共産革命の後は独裁になることが歴史的に証明されています。その際、取り込まれたのが、弱者ですが、自分たちに盾突く存在となったり、使えなくなったりすると、容赦なく切り捨てていきます。
日本でも立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組は弱者の味方を標榜していますが、彼らにとって弱者は利用するだけの存在で、救済すべき対象ではありません。弱者に寄り添っているように見えて、弱者の利用価値がなくなれば切り捨てたり、乗り換えたりします。以前は女性の権利を求めていましたが、最近ではLGBTの権利を求めるようになり、LBGT法で女性が不自由を強いられると声を上げれば、罵詈雑言が浴びせされていました。こういった言動からも彼らにとって弱者は利用するだけの存在であることがうかがえます。
弱者に寄り添っているように見せかけるのは、一緒に事を起こす仲間を集めているだけで、事を起こした後は用済みになるだけです。悲しいことに歴史的に証明されていることであり、これを覆すことは非常に難しいです。インテリ層が彼らに寄り付かないのは、彼らの言動に多くの矛盾があることに気付いているからです。そういった組織にいるインテリ層は完全に弱者を騙そうと思っている人間であり、自分たちの本心を見抜けるわけがないと高を括っている人間です。彼らは支持しないインテリ層を敵として、社会的弱者に刷り込みます。そうすることで、インテリ層は社会的弱者に寄り添わない悪者と認識するようになり、最終的には攻撃するようになります。
社会的弱者を取り込む組織は社会的弱者を煽り、動員することしか考えていません。彼らは弱者の味方ではなく、明らかに敵です。利害関係が一致しているのではなく、弱みにつけこんで活動していると言えます。本当に弱者に寄り添う組織や団体は言動に一貫性があり、弱者救済を考えています。時には実現が難しいことを当事者に理解していただくように説得することもあります。しかし、弱者を利用する組織は弱者受けすることを並べます。そして、支持を集めます。彼らの一番醜いところはそういった人たちに、まともな判断ができないからどんなことを並べてもいいと見下していることです。彼らにとって、貧困や衰退は憂慮すべきことではなく、支持者を増やすチャンスなので、非常に嬉しいことなのです。

最後に

弱い立場はいつの時代も食い物にされるのは、こういった邪な考えをもった人間がいるからです。弱い立場の人間は藁にも縋る思いでいますが、利用しようと思っている人には利用価値がどれだけあるかしか考えていません。彼らに扇動されたであろう弱者たちは変な陰謀論に騙されたり、拡散したりしています。大地震が起こるたびに政府による人工地震説を流布し、拡散している人たちはそれを利用しようと思っている人間からすればかっこうの餌食です。日本国民がこういったことに扇動されて行動するようになったときは、貧困が進んだ状態か革命政権ができ、インテリ層が粛清された時と言えます。独裁者は知性や知能に生産性がないものと考えますが、知性や知能が高い生産性を生むカギになっていることを理解していないからこういったことが歴史的に起こります。独裁者もまたインテリ層にはなれなかった狼藉者なのかもしれません。

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