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日本の教育問題・世界の教育事情

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広くゆるく、「教育」に関係する話題をとりとめなくまとめたものです(何か参考になる視点を提供できれば幸いです)。
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記事一覧

世界は今―フィリピンと英語教育

(※この小論は、拓殖大学国際学部のWebマガジン『世界は今』Vol.24 2014年秋号に掲載されたものですが、古くなったため大学のページから削除されたものを、今日でも参考になるところがあると思い、ここに再掲するものです。再掲にあたり若干手を入れました。引用は、 新田目夏実「世界は今―フィリピンと英語教育」『note』2022年3月12日 としてください。) 近年「フィリピン英語留学・オンライン英会話」が盛んになっている。私もこれらの学習方法を積極的に学生に奨励している。学

大学入学共通試験ー英語リスニングに関する覚書

昨年のような「大波乱」もなく、今年の共通試験も無事終了。 私は大学入学共通試験がまだセンター試験と言われていた時、その第1回目から試験監督をしてきた「大ベテラン」なのだが、英語のリスニングの試験については、第1回目から思ってきたことがある。一言でいうなら、「考え過ぎ」。全員が同じ条件で受けられるようにと、個別に機械(ICプレーヤー)を用意するのだが、費用対効果の観点から考えると、この試験にかける手間ひまはコスパ悪すぎ(「考えすぎ」)。 私は英検もTOEICもTOEFLも、

新しい大学教育について(1)

「日本を決定した百年、教育が要」(日経2023/1/5)というコラムがある。ちょっと前の日経朝刊の「大磯小磯」だが、まず、吉田茂がその著書「日本を決定した百年」のなかで、「明治維新の成功は教育を重視したことにあり、今回の太平洋戦争によって灰じんに帰した日本再建の要は教育にある」と主張したことを指摘する。その上で令和5年の今日、この混迷の時代を乗り切るためには、思い切った教育投資が必要であることを主張する。 一応大学に勤めるものとして「教育投資」に反対するものではないが、誰に

デジタル人材ーデータサイエンス学部?

全国17大学にデータサイエンス学部・学科ができるという(日経2023.2.3)。日本にデジタル人材が足りないのは間違いないので、このような学部・学科ができるのは時宜にかなったことである。しかし、「データサイエンス」とは何だろうか、どのレベルまで「データサイエンス」を教えるのだろうか。 私のゼミは「国際社会学ゼミ」であるが、試験的に、「データサイエンス」を教えようかと思っている。三年生後期の一部を使い、「デジタル人材」育成のモデルカリキュラムを作ってみようかと考えている。イメ