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クラウドソーシングでライターを募集してみた【vol.35】

先日、クラウドソーシングでライターを募集してみました。

募集条件をかなり厳しくしてはいたものの、単価が比較的高かったせいか1日で10名の応募をいただきました。

本当はもっと多くのライターさんとやりとりをしてみたかったのですが、必要としていたのは2名で、あまり時間もなかったので1日でいったん募集を打ち切りました。

ここから10名から2名のライターさんを起用することになるのですが、どのようにして2名に絞り込んだのか、その過程をご紹介したいと思います。

まず、最初にいただいた連絡で10名のうち3名はすぐにお断りしました。

私が特定のジャンルを指定しているにも関わらず、そのジャンルが得意かどうかまったくわからなかったからです。今回依頼する内容とまったく関係のないジャンルの過去実績をいくらたくさん見せられても判断ができなかったのです。

職歴や資格や勤務可能な時間などを細かく記述していても、「今回依頼したいジャンルについてどの程度詳しいのですか?」「どのくらいの実績があるのですか?」という一番知りたいことについて一切触れていなかったからです。

あと「フリーのライターです。書かせてください」とコメントが一言だけという人もいました。クラウドソーシングなので登録されているプロフィールがあり、そこには「書ける記事」についてたくさん紹介されていました。しかし、コラム、小説、書籍、説明書、翻訳、レビューなど「何でも書けます」みたいなプロフィールなので、じつは何も書けないのではないかと疑ってしまいました。それも、今回私が依頼したい肝心のジャンルについてはどこにも触れていないので、まったく素性がわかりません。

そして、同じくプロフィールからは今回依頼したい内容の原稿が書けるかどうかまったく判断できないうえに、改めて質問をしたところ返事が来たのは2日後という人。

①発注側のニーズと意図を読みとれない
②何が得意なのかわからない
②連絡が遅い

この3点が失格理由です。

「これがほしい」と具体的に指示しないと出してこないライターと一緒に仕事をしたいという気は起こりません。

私が最低限の条件をはっきりと伝えているのもかかわらず、それを満たしているかどうかさえ教えてくれない人が、いざ原稿を書くときに、私の伝える主旨や意図を理解してくれるとはとても思えません。

一方、これまで書かれた記事を読まなくても一発で「このライターに依頼したい」と思わせてくれた人もいました。

私の要望に対して箇条書きかつ優先度の高い順番できれいに整理して答えてくれていたからです。いわゆるPREP法というプレゼンテーションのスタイルで、最初にポイントを短く伝え、その後に、理由→事例→補足と紹介していく流れです。

そのライターさんは何が得意でどんな記事が書けるかがひと目で理解できました。

この自己紹介の数百字で、理路整然としたわかりやすい原稿が書けることが十分伝わってきたのです。

自己アピールするにあたって、カバー領域を広くしておきたい気持ちは理解できるのですが、「なんでも書けます」は「なんにも書けません」と紙一重です。

たとえば私が「転職」について詳しいライターを探している場合、AさんとBさんの2人のライターがいたとします。

Aさん
【得意ジャンル】
・医療
・時事
・書籍の執筆・編集
・取扱説明書の作成
・データ入力・記事の校正・添削・リライト
・不動産
・ビジネス
・採用
・Webライティング関連
・英語翻訳
・建築
・デザイン
・エンタメ関連
・海外事情

Bさん
【得意ジャンル】
・人材開発
・採用
・転職
・人事

私がどちらに声をかけるかは明白ですよね。

Bさんがどんなジャンルに詳しいのか明白ですし、この4行だけでもそれまでの経歴が想像できます。一方、Aさんは今回は要らないなと思ったとして、はたして次の機会はあるでしょうか。たぶんないでしょう。Aさんのことはきっと翌日には記憶から消えているからです。

私があるニュースメディアの担当編集者だとして、あらゆるジャンルの領域を扱っているとしても、Bさんを選ぶでしょう。あらゆるジャンルを幅広く抑えているというライター1名より、何か1つのジャンルに詳しいライターを何人も揃えたいからです。

ましてや今回は、私は特定のジャンルに絞って募集しているので、「なんでも書けます」というのはノイズでしかありません。

①発注側のニーズと意図を読みとってくれる
②何が得意なのか一目瞭然
②返答が速い

ということで、今回依頼することに決めた2名のライターさんは、①②③の条件を満たし、「何が書けるか」「何が強いのか」がすぐわかり、どんな記事を書いてくれそうかがすぐにイメージできた方でした。

成田幸久(プロフィール)

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