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しがない物書きが物を言います。 /随筆.創作.  川端…

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しがない物書きが物を言います。 /随筆.創作.  川端康成、谷崎潤一郎、小林賢太郎、秋田ひろむ

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    スキを超えて「ダイスキ」な作品。 いつも素敵な作品・記事を読ませていただきありがとうございます。

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  • ゆめにっき

    あくまで夢です。 実際の人物・団体とは一切関係ありません。 筆者の感情や直近の出来事と照らし合わせて自分なりに精神分析をします。

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    小説・短編・掌編 まとめ

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    花が登場する作品集 マガジンを花で埋め尽くしたい

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掌編小説 | 踊り子のひまり

今の気持ちを表現するにはどんな動きをすればいいだろう。 やおら膝を落として、力なく床の木目を見つめる。もうほとんど残されていない力を絞り出すように右手を握り締めるも、他の肢体を動かす力はとうに消えた。頭をもたげ、上体を起こしているのもままならず、風に吹かれて倒れてしまいそうだ。その抵抗としてせめて横に倒れた。起き上がることはついに叶わない。それでも握りしめている右手だけがまだ諦めず震えている。 ひとしきりシミュレーションしてみるも、頭を振り払った。悲しい動きだ。それに、誰

    • エッセイの添削をしていただける方を何人か探しています。 相互でも構いません。個人情報が多く含まれるため、むやみに扱わない方が嬉しいです。

      • いわく付き 登波離橋(十針橋)行ってみた。【信州の民話】

        長野県安曇野市池田町に登波離橋という名の橋がある。 元々は「十針」の漢字が使われていたこの橋、その由来ともなった民話が想像以上に怖いものだった。信州に言い伝えられる伝説の中でも極めて興味深かったため、実際に行ってみることにした。 登波離橋のいわく 鎌倉時代中期、樋口行時という城主がいた。行時は2人の女性と縁を結んでおり、「ふじ」を正室に、「きよ」を側室に迎えていた。きよは正室であるふじを日頃から恨んでおり、ついにふじの暗殺を目論み、花見を企画する。そして、きよはふじを橋へ

        • ゆめにっき | 海で溺れて脚が。

          2024年5月6日 なにかの夢の続きだが覚えていない。 いま私は海で溺れている。 小学生時代の親友が助けに来てくれた。彼は陸地から飛び込んで引き上げてくれようとする。しかし、引き上げる陸が無い。消えていた。 私達はもう成す術を無くし、お互いに抱き合いながら海を彷徨うしかなかった。水面から顔だけを出し、私は茫然としていた。友人はどうにか陸地を探そうと泳ぎ始めた。はじめは右前方から助けに来てくれたため、陸があるとすれば右側ではないか。しかし、彼は左側にどんどん進んでいく。しかし

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        掌編小説 | 踊り子のひまり

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        • いわく付き 登波離橋(十針橋)行ってみた。【信州の民話】

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          地元で新品種の果物の名付けに応募したけど、絶対採用されるやんってくらい自信ある。 採用されてもされなくても載せます。

          地元で新品種の果物の名付けに応募したけど、絶対採用されるやんってくらい自信ある。 採用されてもされなくても載せます。

          【歌詞】ねこ ひいちゃった

          ねこ ひいちゃった  ねこ ひいちゃった ねこ みちのまんなかで ひいちゃった ねこ ひっかいた  ねこ ひっかいた ねこ ひっしに のどを かいていた わるい ひとめ くびを きれ ねこと おなじ ように きれ ねこ ニャーゴ ニャーゴ ねこかぶり ねこなでごえ あやまってる ねこ ごめんなさい ねこ ごめんなさい ねこ ごめんなさい ねこ ごめんなさい ねこ ごめんなさい ねこ ごめんなさい ねこ ごめんなさい ねこ ごめんなさい ねこ ごめんなさい ねこ ごめ

          【歌詞】ねこ ひいちゃった

          夢日記 | 胴体しか残ってなかった。

          2024-04-24 22時〜4時 田舎の農道を散歩中、およそ50名ほどの集団が後ろからジョギングをしながら近づいてくる。追い越される瞬間、行列は私を包むように口を開けて両側から呑み込みながら進んで行った。もみくちゃにされた。 気づいた時には身ぐるみを剥がされて力なく側溝に横たわっていた。 為す術なく行列を見送り、最後列にいた3人の女を目に焼いた。きっとどこかの宗教団体だろうと見当をつけた。 財布もない中どうやったかは不明だが、その日は近くの旅館に泊まることができた。

          夢日記 | 胴体しか残ってなかった。

          バスは○○の○○側に座れ。《事故率、車酔い、観光の観点から》

          2024年4月30日本日、GWを満喫する予定だったであろう乗客数十人を乗せた高速バス2台が那須塩原の東北自動車道で衝突事故を起こした。 エンジントラブルで路肩に停めていたバスに対し、後ろから来たバスが前方不注意で気付くのが遅れたという。走っていたバスの左前と止まっていたバスの右後ろが衝突し、2台に合わせて80名乗っていた乗客の内、5名が重軽傷を負ったとのこと。 今回怪我を負った5名がどの座席に乗っていたかは明記されていないが、画像・映像を見て分かる通り、バスがひどく損傷し

          バスは○○の○○側に座れ。《事故率、車酔い、観光の観点から》

          ショートショート|備えあれば憂いなし(笑)

          その日は既に予定が?海へ遊びに行くことが決まっているのか?随分前から計画しているんだね。何事も計画的に行動するのは良いことだよ。 でも海に行くために山ほど準備しなければならないことに気付くのは、前日の夜なんだろうね。そしてもう安心だと慢心していると、必ず一つは忘れ物をするんだ。 心配事の9割は起こらないと誰かが言っていたが、残りの1割が起きちゃあ元も子もない。 あらゆる可能性を考慮して未然に対策を打つべきだ。 備えあれば憂いなし。 その日の海水浴に向けて痩せるのは良いこと

          ショートショート|備えあれば憂いなし(笑)

          春の訪れを告げる厭世的断片

          満開だからさと、わざわざおめかしして出かけた先に普段目もくれない桜や花桃や水仙が花を咲かせていたとて、「綺麗だね」としか感想が出てこないその無関心さが、 あるいは、コンビニで1つ札を多くつけた店員によるお釣りの間違いを、今年も春が来たなと目を瞑って譲歩するも、徐々に私の体を蝕み、ついには自らを殺そうとする者をさえ許してしまうような生ぬるい親切心が、 あるいは、花粉に苦しむ友人を見て労うくせに自らのささくれを躊躇なく毟り取り、滲み出る血を見て初めて後悔するような無責任な自己

          春の訪れを告げる厭世的断片

          藤野可織作「いやしい鳥」読了。 「爪と目」といい、藤野可織さんのファンになりつつある。

          藤野可織作「いやしい鳥」読了。 「爪と目」といい、藤野可織さんのファンになりつつある。

          面白い記事ほどスキがつかないな。逆にスキが多い記事ほどつまらない。自他ともに。 フォロワー、タイトル、サムネ、大衆性が全てを左右するから記事の内容など関係ない。 noteで周りの評価を重んじているときっと大切な何かを失う。 世俗的なコンテンツを追い求めるようになってしまう。

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          「塔」は男性名詞か?女性名詞か?

          芥川賞を受賞した『東京都同情塔』という作品を読んだ。 本作において「塔」が作中の世界観を象徴する重要なシンボルとして描かれる。 この塔はある男性によって構想され、ある女性によって形にされるのだが、果たして「塔」は男性か、女性か、ふと気になった。 (作品を読んでいただければ本題の疑問にも納得いただけるはずだ。) 「塔」は男性名詞か?女性名詞か? フランス語やドイツ語には「男性名詞」「女性名詞」なるものがある。 そのどちらであるかによって関係する動詞や形容詞に変化形が生じる

          「塔」は男性名詞か?女性名詞か?

          夢日記 | ミイラ取りがミイラになったような話

          2024年4月7日 22:00~2:00 ある少女のブイログを見ている。 ある日の学校の様子を映しているが、どこで撮られたものか分かっていないらしい。まだ発見されていない土地なのだろうか。校舎の真新しい雰囲気を見るに、時代や生活圏はそれほど離れていないようだが、果たしてこの映像が解明されていないのはなぜだろう。少女はもとい、他の生徒の身元や行方も分かっていない。 校舎の各階から別棟の理科室や講堂までカメラを回しながら隅々まで紹介している。窓を見るとまだ雪の解けていない急斜面

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          夢日記 | Q.殺されなかったのは何人でしょう? A.3人

          2024年4月4日  問題が出された。Q:「床に立っているのは何人でしょう?」 気がついたら部屋の中央に立っていた。立っているというよりも、もっと概念的にただ中央に存在していた。上下左右があやふやで認識できない。 部屋にはベッド、壁にランプ、鹿の頭のはく製、天井に小さいシャンデリアなどが飾られていて、欧州風な内装だったと記憶している。 見渡すと周りに人影がある。部屋を正四面体としたときの各辺ごとに数名が立っていた。10代後半から20代前半の男女グループ10人ほど。 しか

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          「犯罪者が刑務所で幸せに暮らす未来」東京都同情塔 九段理江 | 書評 

          2024年4月1日 読了   個人的評価 ★★★★☆ あらすじ (ネタバレなし) 建築家の牧名沙羅(マキナ・サラ)は東京に建つことを予定されている「シンパシータワートーキョー」のコンペに向けて構想を練っていた。この建築物の用途は「刑務所」であり、ここに”居住”する犯罪者は出自や環境によって犯罪を強いられたケースが多いため同情されて然るべきであって、幸せな刑期を送るべきというコンセプトがある。 タワーの原案者は、犯罪者は「ホモ・ミゼラビリス」、タワーは刑務塔などではなく「

          「犯罪者が刑務所で幸せに暮らす未来」東京都同情塔 九段理江 | 書評