PP西村

フリーのwebライター、webコンテンツエディターです。 ここではゲーム、本、絵画、映…

PP西村

フリーのwebライター、webコンテンツエディターです。 ここではゲーム、本、絵画、映画の感想や、そこでふと引っかかった言葉について書いています。

最近の記事

ゲームとことば#81「チョメチョメターイム!」

『ペルソナ2罪・罰』に登場する天野舞耶は、雑誌編集者のペルソナ使い。 快活で容姿端麗だが、車の運転が下手だったり、部屋が汚かったりというガサツな一面も。 また、言語感覚も独特でユニークなセリフを多数残している。 今回の「ことば」は、彼女の戦闘開始時の掛け声である。 美人が高らかにチョメチョメと叫ぶのはいかがなものかと思うが、どうやらここでは敵との戦闘行為を指すようだ。 戦闘終了時に「チョメチョメ完了」というパターンもある。 ちなみに伏字の××をチョメチョメと読んだのは、今は

    • ゲームとことば#80「リセットさん」

      『どうぶつの森』シリーズでセーブをせずにリセットをすると突如現れる、モグラのお兄さん。 それがリセットさんである。 つるはしを持ちヘルメットをかぶった彼は、プレイヤーの軽率な行動に愛のある説教をかます。 「愛のある説教」と表現したが、これは非常に難しい。 よく「昔は近所のおじさん、おばさんは他人の子どもも叱っていた」という話を耳にする。 実際私も怒られた経験があるのでよくわかるのだが、なかなか他人の子どもに叱るというのも難しい世の中なのかもしれない。 リセットさんは愛嬌があ

      • ゲームとことば#79「いろんなことがあったよ。でも、すごくいい景色」

        頼むからここで終わってくれ。 そう願わずにはいられない『The Last of Us』の1シーン。 突如、発生した謎の寄生菌により、人間が次々とクリーチャー化。 秩序が崩壊したアメリカを舞台にした本作は、オープニングからエンディングまでつらく、むごたらしく、そして悲しい場面が続く。 ゾンビゲー、サバイバルゲーとしての完成度も高いが、本作の魅力は主人公ジョエルと少女エリーの関係性の変化を表現したシナリオにある。 はじめはお互いを受け入れられなかった二人。だが、旅を続ける中で会

        • ゲームとことば#78「子抱き女」

          コンビニ経営シミュレーションゲーム『ザ・コンビニ2』。 コンビニエンスストアの店内レイアウトや商品構成に工夫を凝らし、売り上げをあげていこうというゲーム内容である。 このゲーム、お客のニーズを調べるなどの目的から、来店客がどういう人であるかざっくりと調べることもできるのだ。 表題は幼い赤ちゃんを抱っこした女性に対する、あまりにもざっくりとしたネーミングである。 なんて言い草だ! スリングタイプのような古風な抱っこ紐を使い、赤ちゃんを前に抱える女性。 子育てで大変な世のお母さ

        ゲームとことば#81「チョメチョメターイム!」

          ゲームとことば#77「エメラルドヴィジョン」

          昨日4/25に発売したサガシリーズ最新作『サガ エメラルドビヨンド』。 前作『スカーレットグレイス』から約7年ぶりの本作は、エメラルドグリーンをイメージカラーに登場した。 体験版含めまだ数時間しかプレイしていないが、シリーズらしい一筋縄ではいかないシステムと、魔女っ子やメカなど多彩なキャラクターデザインがプレイ意欲を掻き立てる。 発売から間もないため、シナリオのネタバレをせずに感想を述べたい。 本作の特徴的なシステムは、プレイヤーを導く線「エメラルドヴィジョン」と戦闘画面下

          ゲームとことば#77「エメラルドヴィジョン」

          ゲームとことば#76「パラゴンレベル」

          ひたすらにダンジョン攻略とアイテム回収を繰り返す、ハック&スラッシュの名作『ディアブロ3』。 キャラクターレベルを上限の70まで上げたなら、そこがスタートだ。 あとは果てしない数値の積み重ねをニヤニヤ楽しむ「パラゴンレベル」の世界が待っている。 上限とは? かく言う私はたかだかパラゴンレベル数十までしかプレイしなかったが、どうやら800まであるようだ。 必要経験値は天文学的数値となり、数百レベルまで育てるとするとかなりの時間を要するだろう。 ただ、延々と数値をあげていく楽し

          ゲームとことば#76「パラゴンレベル」

          昔話(タイムトラベル)は楽し。大阪でクソ雑魚漫才師だったころの思い出

          今から16~17年前、クソ雑魚漫才師だった私は大阪を中心に活動していた。 コンビ名は「ポールポジション」。 名前だけがエンジン全開で先頭を走っている。 そのころの私たちの主戦場は「ワッハ上方」という「なんばグランド花月」の真向かいに位置する、劇場兼お笑い博物館のような場所だった。 上方演芸の聖地とも言える、難波千日前。 そこで月に数回開催されるライブに、同い年の相方と出演していたのである。 クソ無名漫才師の私たちに楽屋などという快適空間があるはずもなく、出番前は閉館後の展覧

          昔話(タイムトラベル)は楽し。大阪でクソ雑魚漫才師だったころの思い出

          ゲームとことば#75「貴重な知見を得たな」

          オクトパストラベラー2の主人公の一人、オズバルド。 寡黙で冷静沈着、そして探求心旺盛な学者である。 表題のことばは戦闘終了時の彼のセリフだ。 ザコ敵であれ強敵であれ、戦いから学びを得る姿勢がうかがえる。 そういえば、一般的なRPGって相手がどんなザコ敵でも、倒したら経験値を得られる。 一部そのようなルールから外れる作品もあるものの、多くの場合、最終盤のキャラがスライムを倒しても経験値を獲得する。 タイミングがよければレベルアップだってする。 彼らは、毎回の戦闘で必ず何らかの

          ゲームとことば#75「貴重な知見を得たな」

          ゲームとことば#74「星降りの大会」

          ドラゴンクエストの外伝作品だが、人気を得て独立した長寿コンテンツとなった『ドラゴンクエストモンスターズ』。 その記念すべき第1作『テリーのワンダーランド』の世界で開催されるモンスター格闘大会が「星降りの大会」である。 本作の主人公はドラゴンクエスト6に登場するテリー。その子供時代の冒険を描いている。 ある日突然、妙ちくりんな魔物ワルぼうによって姉・ミレーユがさらわれる。 テリーは直後に現れたわたぼうという別の魔物に誘われ、なんだかわからないまま「タイジュの国」へ行き、そこでモ

          ゲームとことば#74「星降りの大会」

          ゲームとことば#73「苺を食らわば皿まで」

          「毒」ではない。「苺」(イチゴ)である。 初代プレイステーションで一世を風靡した元祖リズムアクションゲーム『パラッパラッパー』。 その第1ステージ「フルーツ道場」に堂々と飾られた掛け軸に、表題のことばが書かれている。 クセの強いジャパニーズ・イングリッシュが特徴的なタマネギ先生が、ここの道場主だ。 彼は空手とラップを教える、唯一無二のイケ玉ねぎなのである。 今にして思えば、音ゲー黎明期の作品の一発目のステージ持ってくるにしては独特な曲とキャラクターだ。 だが、なかなか面白

          ゲームとことば#73「苺を食らわば皿まで」

          ゲームとことば#72「えっ!・・・・ピンクタイガーよ。」

          最愛の恋人を殺されたうえ、その殺人容疑までかけられてしまうエミリア。 『サガフロンティア』の主人公の一人である。 真犯人を探すため「グラディウス」という裏組織に加担する彼女は、危険な目にあいながらも殊勝に任務をこなしていく。 変装が必要となる潜入捜査では、"元スーパーモデル"らしく千変万化の才を発揮するのであった。 変装は、剣を手に舞い踊る「ソードダンサー」や、セクシーな「バニースーツ」などさまざま。 どの衣装もおしなべて似合っている。 とある任務のため「仮面"ぶとうかい"

          ゲームとことば#72「えっ!・・・・ピンクタイガーよ。」

          ゲームとことば#71「焼きそばパンください!!」

          おそらく世界で最も折り目正しく、焼きそばパンを買い求める青年の発言。 『十三機兵防衛圏』の主人公の一人である比治山隆俊は、太平洋戦争末期の日本人兵士だ。 本土決戦も噂されるなど戦況は思わしくないが、彼は実直に己の務めを果たそうとしている。 しかし彼もほかの主人公たちと同様、「機兵」をめぐる物語に巻き込まれることになり、突如40年後の未来である1985年にワープしてしまう。 様変わりした祖国に混乱し、帰るあてもない比治山は空腹に襲われる。 そして、偶然通りかかった少女に施しを

          ゲームとことば#71「焼きそばパンください!!」

          ゲームとことば#70「宗じいさん、占い、占い、占い、宗じいさん…」

          絶妙な強度でプレイヤーに精神的恐怖感を与えてくる『クーロンズ・ゲート』の露店人形。 小さな子どもが見たらトラウマ間違いなしだが、大人が見ても気色悪い。 だが、たまにこの声を聞きたくなってしまう。 いったいなぜだろう。 『クーロンズ・ゲート -九龍風水傳-』は、かつて中国返還前の香港に実在したスラム街、九龍城砦を舞台にしたアドベンチャーゲームだ。 暗く雑多で無秩序な街並みと、何を生業としているのかわからない不気味な住人が印象的で、いまだにカルト的人気を持つ初代プレイステーショ

          ゲームとことば#70「宗じいさん、占い、占い、占い、宗じいさん…」

          ゲームとことば#69「鬼計算」

          鬼のように過酷な計算問題。それが「鬼計算」。 かつて話題となった東北大学・川島教授監修の『脳トレ』を覚えているだろうか。DSで爆発的にヒットしたソフトだ。 そこからさらにパワーアップしたものが『東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング』である。長い。 「加齢による脳機能の低下を予防すること」が目的であった『脳トレ』に対し「ワーキングメモリーを鍛えて脳の機能を向上すること」を目的としたものが『鬼トレ』だ。 ニンテンドー3DS専用ソフ

          ゲームとことば#69「鬼計算」

          ゲームとことば#68「防壁があってよかったぜ!」

          Wiiのアクションゲーム『斬撃のレギンレイヴ』でのモブキャラたちのセリフ。 体長が数十メートルはありそうなゾウの化け物「アウズンブラ」の進撃を防ぐため、か弱い人間たちは「防壁」を頼る。 ただこの防壁の高さ、どう見てもアウズンブラの膝丈ぐらいしかない。 鼻なんか砦の内側に入ってきちゃってるし。 無理だろう。 「防壁があってよかったぜ!」 「防壁万歳だ!」 前脚を高く上げ、いななくアウズンブラ。 「何をする気だ!?」 脚を振り下ろし木っ端みじんに砕け散る「防壁」。 「「「ぐわーー

          ゲームとことば#68「防壁があってよかったぜ!」

          ゲームとことば#67「コヨーテ」

          私が人生で初めてプレイしたゲームソフトは『高橋名人の冒険島』である。 セガの『ワンダーボーイ』のファミコン版で、主人公を高橋名人に変えてハドソンから発売されたソフトだ。 マリオのような横スクロール型のアクションゲームで、妙にワイルドないでたちの高橋名人が斧や火の玉を武器に、スケボーに乗って化け物から彼女を助けに行くお話。 敵やトラップの配置が絶妙にいやらしく、なかなかに高難易度なゲームであるが、なかでも印象深いのが「コヨーテ」だ。 そう、オオカミに似たスリムな犬型の生き物コヨ

          ゲームとことば#67「コヨーテ」