お話7 声が出なくなること
声が出なくなってきている。歌声のことだ。
私はこれまで、15歳の頃から、35歳の今まで、たくさんの弾き語りをしてきた。
歌は常に私のそばにあって、私を守り導いてくれた。
一人ぼっち孤独の中にいた私を、人前に立たせてくれたのも歌だった。
初めて人前で歌ったのは、22歳のとき。
その頃よく通っていたギャラリーで、個展をしていた方に、オープニングパーティーで一緒に歌わないかと誘われたのだった。
当時のあだ名は“ぐりちゃん”
ぐりちゃんの私は、必死になって、家で何度も練習して、め