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UXリサーチ知見まとめ

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UXリサーチの知見をまとめていくマガジンです。noteではプロダクトデザイナーを募集しています→https://open.talentio.com/r/1/c/note/page… もっと読む
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記事一覧

はじめてのユーザー理解 〜『コンタクト履歴』のすゝめ〜

こんにちは。サイボウズでデザインテクノロジストとしてkintoneを開発するトビ(@0b1tk)です。 私は自社製品であるkintoneの開発者として、ユーザー起点でサービスづくりをすることに心血注いでいるのですが、 「ユーザー理解」ってむずかしいよね? どうやって開発者としてユーザーの解像度を高めていけばいい? というプロダクトデザイナーやエンジニア向けの内容になります。 要約約5,000字のnote記事になります。時間がない方はこれだけでも抑えていただけたらと思

インタビュー調査のレポートってどうしてます?

皆さんは「インタビュー調査の報告」をどのようにまとめていますか?アンケート調査の結果報告であれば「グラフレポート」や「自由回答集」のような明確な成果物がイメージできますが、定性調査の場合はかなりバラツキがあります。 UXリサーチの場合は、そもそも報告書までは作らず、オンラインホワイトボードツール上でユーザーの発話情報を付箋データにまとめることが多く、共有方法もプロジェクトメンバーを前提とすることでツール内で問題ないでしょう。 マーケティングリサーチの場合は、グループインタ

今さら聞けないペルソナの作り方〜効果的なペルソナの作り方、使い方〜 LINEヤフー・mediba・Goodpatch イベントレポート

こんにちは!リユース統括本部フリマ企画部デザインチームのデザイナーの田川です。私は普段、Yahoo!フリマ(旧:PayPayフリマ)のプロダクトデザインを担当しています。 誰にでも使いやすく、手軽に楽しんでいただける体験を提供できるよう、日々サービスの改善や新規機能開発に取り組んでいます。 この記事では2024年2月14日に開催した、「今さら聞けないペルソナの作り方〜効果的なペルソナの作り方、使い方」のイベントレポートをお届けします。 UXデザイナー・マネージャーとして活

N=1の「最高の体験」を考え抜くたった10秒の習慣とは

自分には、働き始めてから9年間続けているちょっとした習慣があります。それはユーザーインタビューをやった直後の10秒に、ある問いを自分に投げかけることです。 これだけです。チームで振り返りの時間が取れるときもそうでないときも、一瞬でいいので問いかけるようにしています。もともとは新卒の頃の上司でユーザー調査が抜群にうまい上司がやっていた習慣で、気づけば自分も9年間続いていました。 最近 X (twitter) でこのことを書いたところ、少し興味を持っている人が意外と多そうだっ

ユーザーインタビューのモデレーターが上手い…!と思った瞬間

デザイン・マーケティングの領域を行き来してユーザーリサーチを担当していると、自分が行う以外にも様々な立場の人がインタビュアー(モデレーター)を務めるユーザーインタビュー(ユーザーテストも含む)に立ち会う機会があります。 そうすると、「この人、モデレーターが上手い…!」と思う瞬間が何度も訪れます。不思議と、必ずしもモデレーターとなる人の職種・役職・資格・経験歴に限らず上手いのです。例えば私は、幸運にも以下のような神回に遭遇しました。 ・デプスインタビューの進行を相手の性格に

[UXリサーチ] なぜ、Z世代はメルカリを使わない?

こんにちは、メルカリのUXリサーチャーの辰田(@Usuke24)です。 私が所属するUXリサーチチームはメルカリのUXデザイン部門の中にあります。普段、UXリサーチチームではお客さまの体験をよりよくするためのUXリサーチを様々なテーマで実施しています。その中から、今日は私が直近担当した「Z世代に関するリサーチ」の紹介を通して、普段メルカリのUXリサーチャーはどんな仕事をしているかイメージや興味を持ってもらえれば嬉しく思います。 1. 注目されるZ世代 はじめにZ世代に関

デザイン思考の起点は”観察”!新たなインサイトを発見できる「フィールドワーク」を体験しよう

こんにちは、「みんなのデザイン思考とアジャイル」運営チームです。 私たちは「リコーアジャイル」を全社に浸透させるため、デザイン思考やアジャイルの学習&実践の場として、セミナーやワークショップイベントを定期的に開催しています。 今回は「フィールドワークシミュレーション ベトナムのマーケットをFW&リサーチしてみよう!」というイベントを開催しました。 ”フィールドワーク”とは、ある調査対象について研究をする際に、そのテーマに即した場所(現地)を実際に訪れ、その対象を直接観察

ユーザーリサーチが「使えている」組織とは何か?あるいは、ユーザー理解の組織実装について

これまで、累計500名以上、150社を超える個人や企業の皆さまへのユーザーインタビューやヒアリングを行い、これまでに、3度のプロダクトの立ち上げ、大小含めて7回ほどのピボットを経験してきました。 今年はCentouというユーザーインサイトやユーザーニーズを管理するSaaSを立ち上げ、ますますユーザーリサーチ(UXリサーチ)領域に対しても、解像度が高まった一年でした。 そんな折、今年の締めとして、ユーザーリサーチ領域において今後1〜3年のテーマになってくるであろう「事業に資

NotionではじめるUXリサーチリポジトリ構築

こんにちは!NewsPicks プロダクトデザイナーのつづくです! この記事はNewsPicks アドベントカレンダー 2023の24日目の記事です🎄 昨日は崔(ちぇ)さんによるジュニアエンジニアを脱却するための「コンテナ流儀」でした! ちなみに私事ですが、今月はアドベントカレンダーに2つもエントリーしたこともあり、過去最高の投稿頻度となっております🤣 今回は、こちらのブログで少し触れた「Notion上でのUXリサーチリポジトリ構築」に関して、その詳細をご紹介できればと

PMがリサーチャーと協業し、UXリサーチから得た学びをサービスの資産にするまで

今年の8月、SUZURIは、社内のリサーチ活用文化の醸成を目的として発足した「社外顧問とのリサーチ協業」プロジェクト (以下、リサーチ協業)のモデルケースに選ばれました。そしてつい先日、ようやくこのプロジェクトが一段落つきました。 ▼プロジェクトの概要は、一緒に取り組んだリサーチャー視点のこちらの記事をご覧ください🙆 この記事では、リサーチ協業を通してSUZURIがどのような成果を得たかの振り返りと、今後の展望について書いていきたいと思います。 前提:リサーチにおけるS

「Atomic Research」の導入によって進化するUXリサーチの取り組み

こんにちは。Web3×エンタメ領域のスタートアップ Gaudiy でUXデザインを担当している坂田です。 これは Research Advent Calendar 2023 の22日目にエントリーしている記事です。リサーチをテーマとした記事であればなんでもどうぞ、ということなので、私が現在取り組んでいる「Atomic Research(アトミック・リサーチ)」をご紹介したいと思います。 UXリサーチ活動の課題探知 2022年12月に入社してから、真っ先に感じた課題があり

銀行員から見たUXリサーチ

本記事は、Japan Digital Design Advent Calendar 2023 の22日目の記事になります。 はじめまして!Japan Digital Design(JDD)の安井です。 Advent Calenderも22日目、街も完全にクリスマスモードとなり、年の終わりを感じています。 本記事では、三菱UFJ 銀行からの出向者として、銀行業務と体験設計業務の両方の経験から、銀行業務の特徴と、UXリサーチが銀行業務にどのように役立つか、という点についてご紹

リサーチのトレンド 2023

今年も1月〜12月までに「#リサーチハック」のハッシュタグでXに投稿してきた、デザイン・マーケティング・市場調査のリサーチ界隈で起きていた主なニュース・トレンドを7つのトピックに分類してお届けします。 リサーチのトレンド 2023 1.ChatGPT/生成AIの活用 2.VOCデータの再評価 3.ディスカバリーリサーチの価値浸透 4.リサーチ支援会社の合従連衡 5.リサーチツールの越境機能強化 6.リサーチデータベースの構築 7.案件依頼・相談フローの改良 2023年も新

ユーザリサーチ小噺・対話と実態と抽象と

本記事は、Research Advent Calendar 2023 の17日目の記事です。 過去のユーザインタビューにて「直接対話することの意義」を強く感じるシーンありまして、それについて文章化しておきたいと思います。 対話の中で翻る情報ネットショップ管理ツールについてユーザインタビューをしている時に、以下のようなやりとりがありました。(ユーザの名前を仮にAさんとします。会社員しながら副業でグッズ販売している方です。) ある行動の頻度を問われて「ほとんどやってない」と