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#フード 記事まとめ

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レシピやグルメ情報、料理や食文化に関する考察など、食にまつわる記事をまとめていきます。
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2018年7月の記事一覧

ダブルコンソメってなんですか?

6/28、6/29に開催されたCakesnoteフェスの会場でスープ作家の有賀薫さんから「ダブルコンソメってなんですか?」という質問を頂きました。スープの専門家である有賀さんに答えるのも恐縮というか、僕の答えで納得していただけるのか、まったくわからないのですが、とりあえず書いてみます。 ググったところ、出てきたのが有賀さんの記事(笑)。なるほど〜。 順番に考えていきます。まずコンソメとはなにか? という話から。スープの歴史を考える時、誰もが参照するのは「ラヴァレンヌ」の「

担々麺 テイクアウト用のマニュアルを作った。(ラー油はお好み量で♪)

#先日の余談 手引書というかマニュアル制作は、情報を整理する仕事(一般的にはデザインと呼ばれる)の中でも、面白く奥が深い分類に入ると考えている。 過去にも「組紐:四つ手の結び方」を作ったことがある。その際、寺町通にある組紐専門店にヒアリングに行ってみると御年輩の店主が対応してくださって、お手製のマニュアルのコピーもいただく。もちろん、自分で何度も組んでみてポイントを探る。情報を整理してから、イラストを外注し、規定の用紙に収まるように配置した。 先日、「担々麺の作り方」の

日常酒のススメ

一昨日は清澄白河のリトルトーキョーで「はじめての日本酒教室」。鶴齢の純米大吟醸、純米吟醸、純米酒、本醸造、普通酒、夏酒の超辛口の呑み比べをしながら、日本酒の楽しみ方を学ぶ会でした。講師はかねゑ越前屋さん。ごはん同盟はそれに合わせるおつまみを用意しました。 おつまみは、酒のツマミというよりも家庭料理の延長上にあるものをあえて用意。パプリカと大吟醸、ゴーヤと超辛口、鶏レバーと純米、クリームコロッケと普通酒。おむすびは全部の酒に。日本酒って何にでもあう凄い飲み物だとあらためて感心

なぜ「マツコの知らない世界」から食ブームは誕生するのか?

食ブームを探っていると「あのメニューは『マツコの知らない世界』に登場してトレンド化したんだよ」というフレーズに出合うことも少なくありません。 番組に登場したマヨネーズの購入率が185%伸長したというデータもあるほど、日本人の消費行動に絶大な影響を与えている本番組を深掘りしてみたいと思います。 はじめに「マツコの知らない世界」とはどんな番組?日常の興味深い"知らない世界"を、その道のスペシャリストがマツコ・デラックスが紹介していくTBS系列のバラエティ番組「マツコの知らない世

「魚の煮付け」の 哲学

先日、お客様からどうしたら美味しく魚を煮れるのかと聞かれました。 「身が崩れてしまったり、生臭くなってしまったりなかなか上手く出来ないんで、いつも焼き魚にしてしまいます」 と言われたので、現時点の考えをまとめてみます。 まず、魚料理で一番大事なことが鮮度の良い魚を使うことです。 そして煮魚の場合は旨味を極力逃さないように一気に煮ます。 今回は比較的薄味で魚をしっかり味わえる味付けにしています。 では、レシピをまとめていきます。 一匹丸ままやる場合と切り身

味覚は意図的に変えられるのか?

朝食はチョコレート、という習慣を取り入れてから、5年以上経ちます。 どっぷりハマっていた頃は、不調時・旅行時を除き毎日。 二児の母になり、目まぐるしい生活に変化した今でも、在庫と時間に余裕がある時は食べています。 開封時に撮影&集中してテイスティングする時は30分程度かかりますが、 それを終えれば、準備不要・毎日の食事時間が短縮できる・凄く美味しくて幸せ、というメリットがあるので、意外に長く続いています。 ツイッターで定期的にチョコを食べた感想を綴っているものの、ある日突然

築地の珈琲店・愛養のはなし

ついさっきの話だ。3年前くらいから気になっていた築地の喫茶店・愛養にやっと行けた。 愛養は築地で働く人たちや、築地にやってくる料理人から愛され続ける珈琲店。客の好みによって焼き方を変えるトーストが有名だ。愛養という名前も魅力的。 愛養は真夜中の3:30に開く。私はそんな早朝に行けるわけもなく、今日やっと閉店ギリギリの13:30に滑り込んだ。 行く前に迷路のような築地市場で迷子になって店に電話をした。電話口で道案内をしてくださった後に「頑張ってたどり着いてください!」と励

フイルム写真よ、さようなら#5「食は自然光で撮る。絶対にだ。」の巻

ズバリ、美味しい写真の秘訣は1、自然光 2、そして逆光 3、目で見た以上にアップ この3点のみ! 先日発売された前田まりこさん著「ブッダボウルの本」(通称マリデリでふるまわれるベジボウルのレシピ本です。)はこの3つを踏まえ、撮影しました。 僕はかれこれ8年毎年断食をしていて、食に対してはとっても気にし〜なので、この撮影のお話をいただいた時には勝手に運命を感じたのです。 そもそも僕が会社にいた時には、食撮影のチームでアシスタントをしていました。社歴の長い中島敏夫さんの撮影

素晴らしすぎる桃の力

この時期スーパーに行くと大体入ってすぐのところにそろそろ旬を迎えている桃が並んでいますね。私は果物の中で桃が一番好きです。あの甘い芳香にたまらない幸せを感じます。 美肌からガンの予防まで 桃には利尿を助けるカリウム、腸内の善玉菌の餌になる食物繊維のペクチン、疲労回復を促すリンゴ酸やクエン酸、コレステロールを下げるのに役立つナイアシン、抗酸化力が高く、老化防止やがん予防も期待できるカテキン、染みやそばかすの予防になるビタミンEなどが含まれる栄養満点の食品です。また桃はその約

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花巻をつくる

花巻は、日本の感覚でいうと、中華まんの一種。 発酵生地で餡を包んだものが「包子」、餡なしのパンのようなものが「饅頭」、同じく餡なしのものを、華やかな形に飾り巻きにしたものが「花巻」と呼ばれるものになります。 餡なしといっても、ネギやごまなどを巻き込むこともあるので、味のバリエーションはいろいろです。 西洋のパンでも、三つ編みにしたものや、チョコレートシートを挟み込んでねじったものなど、花巻に通じるような形のものがありますが、花巻はやはりアジアの食べ物だけあって、作り方がユニ

味の補助線

noteに書いた「きゅうりのコンソメ」のレシピで、コンソメキューブを1/4だけ使うという方法をご紹介しました。 そこそこの食材なら水で煮て塩を振ればおいしく食べられる、と思っています。だから、顆粒だしやコンソメキューブを使うことは少なめです。別に嫌ってるわけじゃないんですよ。まあ使わなくてもいいか、となるだけで。 ただ、素材と塩だけのようなシンプルな料理は、作る側からするとすごく簡単でよいのですが、実は食べる側からすると「味わい方が意外とむずかしい料理」なんです。 マヨ

夏野菜の煮物の作り方~味の組み立て~

夏野菜の煮物といえばラタトゥイユが有名ですが、今日は和風。とはいってもラタトゥイユと味の組み立ては同じです。まずは材料のご紹介から。 材料 茄子 2本 180g相当 ピーマン 4個 100g強 赤ピーマン 3個 100g かぼちゃ 350g(正味300g) ごま油 大さじ2 砂糖 大さじ2 醤油 大さじ3 酒+水 100cc 材料は夏野菜ならなんでもOKですが、かぼちゃのかわりにズッキーニでも。かぼちゃ をじゃがいもに変えても美味しくできます。 ラタトゥイユは 旨味=

〆鯖について

〆鯖について、いままでまとめて書いたことがなかったので書き留めてみます。果たして纏まった文になるかどうか分かりませんが、なんとか読む方のご参考になればと思います。 まず〆鯖は簡単に言いますと、 一、新鮮な鯖を入手して 二、おろして塩をして 三、酢につける という料理です。 一、新鮮な鯖 は、新鮮だと〆鯖を作るのは格段にラクです。近くによい魚屋さんや市場があるという方は幸運です。 ↑このような、腹側まで身が「立って」いて、厚みがある鯖が手に入ったら、ある意味〆鯖にせず生で